こんにちは、岡山市長の大森です。
今回皆様に、司馬遼太郎の『歴史を紀行する』桃太郎の末裔たちの国〔岡山〕の一節をご紹介します。
そこには、「岡山県といえば日本でも有数の頭脳県とされている。(中略)明治以後、女学校の数が人口密度に比して全国でもっとも多く、それと相まって上級学校への受験組の歴史の古さからいっても、他県はとうてい岡山県におよばない。」と書かれています。
しかしながら、現在の岡山市は、平成28年度全国学力・学習状況調査の都道府県別結果に当てはめると、中学校の国語A(主に知識)は46位、国語B(主に活用)は47位、数学Aや数学Bも40位台に低迷しており、決して良い結果とは言えません。
また、中学校での暴力行為発生件数は全国平均の約2倍、小学校での不登校出現率も全国平均を上回るなど、学校教育をめぐる課題が山積しています。
果たして、この状況で、子どもたちが将来自信を持って社会で活躍することができると言えるでしょうか。
岡山市の子どもたちが、世界で活躍する素地を育み、岡山市の学校に通ったことを誇りに思える、そんな学校教育、学校風土に変革していかなければならない。
そして、そのためには、何より教育委員会や各学校、そして岡山市が、これまでの取組を反省し、子どもたちの将来に対して責任を果たしていかなければならない。
やはり、現状を変えていくためには具体的で分かりやすい目標が必要と考え、今回策定した教育大綱では、以下の目標(平成32年度)を設定しました。
それぞれもっと上位を目指すべきという意見があるかもしれませんが、例えば中学生の学力については、まずは平均を目指すことが現実的であることから、偏差値50という目標を掲げました。
なお、教育の目的は、人格の完成を目指し、より良い社会づくりに貢献できる人材の育成であることから、支援や配慮が必要な子どもへの対応など、幅広い教育課題に取り組まなければならないのは当然ですが、先に述べた子どもたちの現状を踏まえると、まずは、「学力」と「問題行動」の問題を教育大綱としてまとめなければならない、と考えました。
この大綱は、平成27年5月以来計12回にわたり、教育長や教育委員、有識者の方々と危機感を共有し、熱心に議論を重ねながら作り上げたものです。
教育委員会の強いリーダーシップの下、社会全体で岡山の新しい教育の時代を築いていきたい、という思いが込められています。
岡山市では、今後、本大綱に沿って、市を挙げての教育改革にチャレンジしてまいりますので、皆様方には、一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
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