こんにちは。岡山市長の大森です。
現在、岡山市が取り組んでいる「新しい文化芸術施設(新市民会館)」の整備の参考とするため、6月に北九州芸術劇場、8月に神奈川芸術劇場と金沢21世紀美術館・金沢市民芸術村を視察しました。
いずれの施設でも館長以下、職員の方々から懇切丁寧な説明をいただくとともに、北九州市視察の際には、わざわざ北橋市長がご挨拶に来てくださるなど、関係者の方々には本当にお世話になりました。改めて厚くお礼申し上げます。
今回の視察では、ハード、ソフト両面で施設整備に当たってのポイントとなる貴重な示唆を数多く得ることができました。
まずハード面では、あらゆる公演に対応できる立派な可動式のホールに驚きましたが、どの施設でも口を揃えて自主事業などに活用されるスタジオ等の重要性を語られていたのが印象的で、新市民会館を整備する際にも、コストを含めて様々な制約がある中で、できるだけ市民ニーズに合った施設を造りたいと考えています。
そして、それ以上に強調したいのがソフト面の充実です。
まずは、外から魅力的な催しを呼び込むことがありますが、神奈川で今年、数か月にわたって行われる劇団四季の公演では、事前の交渉や準備に約2~3年を要したとのこと。
また、北九州市では、70年の歴史を有する「劇団青春座」をはじめとする市民レベルの文化芸術活動が盛んで、北九州市が進めるまちづくりとも上手くフィットしていましたが、そうした自主事業を盛り上げていくにも時間がかかります。
新市民会館で催される文化芸術作品が多くの方に受け入れられるためには、外から呼び込む催しと市民などで創る自主事業とのバランスが重要で、多彩な公演を企画制作し、市民レベルの文化芸術活動をリードしていくプロデューサーの存在が不可欠。
今回の視察を通じて、まさに「人」が重要であることを痛感した次第です。
しかしながら、平成34年度の始めがこけら落としと考えると、残すところあと5年半。時間はそれほど残されていません。
新市民会館の整備を契機として、岡山の文化芸術を盛り上げていくためにこれから何をすべきなのか、市民の皆さんと一緒になって考えていきたいと思います。
※「新しい文化芸術施設(新市民会館)」は仮称です。行われる事業をイメージして、早く新しい名称を決めたいと考えています。
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