こんにちは。岡山市長の大森です。
今年4月1日現在の岡山市で、保育園・認定こども園等に希望しても入園できない未入園児童の数は1,343人、そして待機児童の数は729人と、いずれも過去最多を記録しました。
私が市長に就任してから半年後の平成26年4月時点では、未入園児童数が772人、待機児童数は0人という状況であり、この2年の間、その解消に向けて、さらなる保育の受け皿確保(937人分)に力を注いできました。
本来であれば、これで未入園児童は解消されるものと考えていただけに、未入園児童が予想を大幅に上回る数となった今回の結果は、私にとっても大変ショックでした。
私としては、岡山市が手を差し伸べるべき政策目標を見定めるためには、数字とともに内容のチェックが必要と考え、未入園児童1,343人の内訳について、市の担当者から詳しく聞いてみたところ、ある事実が明らかとなりました。
それは、岡山市ではこれまで、自宅から30分未満の距離に利用可能な園がある場合は、待機児童には当たらないという解釈をしてきたということです。
岡山市の場合、中心部に住んでいる方が車で30分走ると周辺部まで十分行けるため、この解釈によれば、どんな場合でも待機児童には当たらないわけです。
しかしながら、そうしたケースで実際に保護者の方が毎日子どもを送り迎えすることができるかと考えると、とても現実的とは言えず、市民生活の実態とかけ離れた扱いであったと言わざるを得ません。
こうしたことから、岡山市では、このたび、「第1希望から第3希望までを全て入園調整したにもかかわらず入園できなかった子ども」は、漏れなく待機児童に含めることとしました。これが実際の市民感覚だと思います。
今回待機児童の定義を見直し、729人という数字を出したことは、今後の政策目標とすべき具体的な数字を明らかにしたことに他なりません。
岡山市としては、まずは特に受け皿が足りない地域を中心に、来年4月までに800人以上の受け皿を新たに確保することを目指そうと思っています。
また、そのためには園の量的確保だけでは不十分であり、保育士の確保や子育て世帯の経済的負担の軽減などにも取り組むことで、市民の皆様の子育て環境を少しでも良くしていきたいと考えています。
なお、近年、入園申し込みが急速に増えている要因として、一般的に共働き世帯が増えている影響があるのは事実ですが、この2年間で1,000人を超える方が新たに申し込みをされた背景としては、岡山市の保育環境の整備・充実に向けた取組が、多くの保護者の方に認識されたことで、就労意欲と保育ニーズが喚起されたものとも考えられます。
岡山市では、今後もアンケート等を通じて市民ニーズを把握し、市民の皆様の期待に応えるべく、しっかりと対応してまいりたいと考えています。
「過ちて改めざる、是を過ちという」、過ちに気づいていながら改めないことが本当の過ちである、という論語の一節です。
これまでの定義は「過ち」とまでは言えないかもしれませんが、市民生活の実態とかけ離れたものであったことは確かです。
岡山市では、今回の待機児童の見直しを機に、この論語の精神を胸に原点に立ち返り、今後とも、保育環境の一層の充実に向けて全力を尽くしてまいりますので、どうか市民の皆様には、このたびの見直しと今後の岡山市の取組にご理解をいただきますようお願いいたします。
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