旭公民館は、令和7年度に学区の真ん中に位置する岡山中央中学校の敷地内へ新築移転が決まっており、学区全体から新しい利用者の増加が期待されています。
また、来館者の多くが高齢者であることから、児童生徒を含めた若者の参画も待ち望まれています。
この課題を克服していくため、大学生が地域のよさを生かした講座を企画・運営することによって、地域の幅広い年代層の人々を繋ぐ橋渡し役となってくれることを期待して、令和4年10月に「旭企画」スタッフを募集しました。
その結果、ノートルダム清心女子大学の学生5名から応募があり、令和5年度の講座実施に向けてスタートしました。
企画会議では、地域のよさを生かした講座内容を考えました。
古くには岡山藩の城下町が広がっていたこと、岡山城や後楽園をはじめ、美術館、博物館、図書館など文化施設が豊富にあることから「歴史のまち歩き」が効果的であるということで意見が一致しました。
講座内容から、地元の歴史に詳しい方にアドバイザーをしていただき、企画会議を重ねるうちに、この地域の歴史を学ぶ上で岡山藩の城下町は欠かせないこと、令和4年11月に岡山城がリニューアルしたばかりであることなどから、講座名を『今日から君も岡山歴史王!!』と名付けました。
第1弾の「岡山城を知り尽くす!」を6月に、第2弾を2回に分けて「城下町岡山さんぽ!」のPart1を10月に実施、Part2は3月17日に開催予定です。
企画会議では、行程、説明の内容などに加えて、ゲームやクイズの内容について検討を重ね、現地に出向いての下見も講座ごとに複数回行い、改善しています。
親子での参加も多く、「私は誰でしょうクイズ」で顔合わせの交流を図った後、石垣、本丸、天守閣を4名の大学生スタッフが分担し、それぞれの場所でクイズや説明を交えて城内を回りました。
宇喜多秀家、小早川秀秋、池田光政と藩主が変わるたびに継ぎ足されていった石垣の継ぎ目を探したり、石に刻まれた刻印を見つけ合うなど、参加者はゲーム感覚で興味深そうに参加していました。
岡山城を囲む城下町跡を、当時の地図を手に「岡山歴史のまちしるべ」などの碑の説明を中心に、各地でクイズやゲームをしながら回りました。
本学区には学校の発祥地も多く、参加者は学校のルーツに関心を示していました。
盲唖学校跡では障害者スポーツの一つであるボッチャを競ったり、中山下公園では鳥人幸吉にちなんで各自が作った紙飛行機を一列に並んで飛ばし、飛距離を争ったりして楽しみました。
子どもたちからは「疲れたけどすごく楽しかった」という声が返ってきました。
大学生スタッフは、この事業の目的を達成しようと積極的に活動しており、参加した大人や家族の間に入って会話をしたり、グループに分かれての活動を意図的に取り入れたりと、交流のきっかけづくりをしている場面が随所で見られました。
大学生スタッフからは「学校では積めない貴重な経験ができている」「大人も子どもも楽しめるゲームになるようもっと工夫を凝らさなくては」「できるだけ親子で参加しやすい設定を考えたい」など、人と人との繋ぎ役として、さらによい事業にしていきたいという意欲的な発言が寄せられています。
公民館としても、この旭企画はもちろん、今年の秋に発足したばかりの中学・高校生のボランティアグループ「岡山 Central クルー」を本格的に稼働させていくなど、さらに若者参画に力を注いでいきたいと考えています。