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#21 岡山ポリフォニーアンサンブル

[2019年6月7日]

ID:43285

岡山ポリフォニーアンサンブルとは?

「岡山ポリフォニーアンサンブル」は、中世ルネサンス・バロック時代までの音楽、「古楽」を専門とする音楽の団体です。1983年に現在も会長を務める有馬雄二郎さんが夫婦で発足を呼びかけ、指揮者で前音楽監督でもある坂本尚史さんやその奥様の坂本新子さん、総務担当の奥田良明さん達のような古楽を愛好するアマチュアのメンバー数名で活動を開始。今般で設立35周年という節目の年を迎えた、歴史ある団体です。
岡山市北区にある「岡山市立京山公民館」を主な練習会場に、週に1回程度のペースでアカペラの合唱や楽器アンサンブルによる練習を実施。合唱部門とリコーダーアンサンブルを中心に活動する器楽部門があり、年に1回は2つの部門合同による演奏会を開催しています。
現在は合唱部門に約30名、器楽部門に約6名の団員が在籍。メンバーは学生から会社員、教員、主婦や90代のシニアまで年齢層が幅広く、広島や大阪など県外から参加している人もいます。

アンサンブルの様子

合唱の原点「古楽」の奥深い魅力

この団体がレパートリーとしている「古楽」とは、モーツアルトやベートーベンが活躍するよりも古い時代、つまり中世・ルネサンス・バロック期の音楽の総称です。17世紀半ばがバロック期の最後となり、当時活躍した作曲家としてはヨハン・セバスティアン・バッハが有名です。
ひと口に古楽といっても数百年の長い期間にわたるもので、一言でその特徴を語るのは容易ではありません。古楽は神への祈りの音楽として、キリスト教との密接な関係の元で発展してきた西洋音楽ですが、ルネサンス期は楽器が今ほどに発達しておらず、そのため音楽の中心はまだ人間の声、合唱であり、作曲家たちも教会での礼拝のために使用する無伴奏の合唱音楽を作ることが主な仕事でした。まさに合唱音楽の全盛期といえるでしょう。そこでポリフォニーアンサンブルでは、この時代の音楽を合唱の原点としてとらえ、活動の対象の中心としているのです。
これに続くバロック期には器楽が次第に発達し、その最後にはあの偉大なるヨハン・セバスティアン・バッハが登場します。それまでの音楽の技法の集大成として、また自らが打ち立てた新しい音楽理論の実践とばかりに、バッハは器楽と合唱による素晴らしい一連のカンタータやミサ曲、受難曲などの作品群を人類の遺産として残してくれました。ポリフォニーアンサンブルでは、これらの音楽を大切なレパートリーとしています。

練習の様子1
練習の様子2

現代の音楽に比べて、素朴さと純粋さが古楽の大きな魅力です。心にスッと染みわたるような無伴奏による純正律のハーモニやオルガン、チェンバロといった古楽器を使用した通奏低音の響きが、時代を超えて人々を魅了し続けています。そんなルネサンス音楽、バロック音楽に特化した合唱団として、岡山では珍しいスタイルを貫いている「岡山ポリフォニーアンサンブル」。演奏会を通じて古楽の素晴らしさを広め、より完成度の高い表現を追求し続けています。

練習の様子3
練習の様子4

会話を楽しむように、音色を合わせる

「岡山ポリフォニーアンサンブル」では、通常は合唱部門と器楽部門が分かれて練習を行います。合唱部門は各パートの音程、発声、バランス、歌い方のニュアンスなどを細かくすり合わせていきます。ちなみに合唱団の名前にある「ポリフォニー」とは、複数の旋律が絡み合って一つの流れを作る「多声音楽」という意味です。
古楽の時代、この様式で多くの曲が作られました。主旋律のパートとハーモニーを担当するパートというようなパート間に「主従の関係」のある現代の主流「ホモフォニー」とは違い、それぞれのパートが同等に責任を負いながら展開していく「ポリフォニー」は、互いを聞き合うことが「ホモフォニー」以上に必要であり、それだけにアンサンブルする楽しさがより味わえます。こうした魅力に取りつかれた人が集まっているのが、他でもないこの団体なのです。
器楽部門リーダーの葛谷光隆さんは、ポリフォニーの魅力について「周りのメロディを聞いて音を揃えるのが大切。音を上手く重ねていく作業は、想いを伝え合う『会話』みたいなものです」と語ります。実は、リコーダーもバロック時代に活躍していた楽器で、合唱との相性が良いのだとか。学校で習った記憶からなじみがあり、扱いやすい楽器として人気だそうです。

器楽部門の練習の様子
合唱部門の練習の様子

設立から35周年。仲間と純粋に音楽を楽しむ

練習の合間は団員同士で会話が弾み、和やかな雰囲気に満ちています。しかしいざ合唱が始まるとガラッと空気が変わり、みなさん真剣な表情で歌声を響かせていました。外部の団体としてお手伝いしたのを機に参加し始めたという亀川格さんは、「メンバーに個性があり、熱心に音づくりをされている印象を受けます。初心者の方はもちろん、私のように合唱経験の長い方も、合唱に対して様々なヒントをもらえるので、新鮮な気持ちで楽しむことができます」と話します。
5年ごとに開催する記念演奏会では、バッハの「ヨハネ受難曲」、「クリスマスオラトリオ」、「ヘンデルのメサイヤ」などいわゆる「大曲」に挑戦してきました(いずれも全曲を演奏)。
会長の有馬さんは、「2019年12月に開催予定の35周年記念演奏会でも、バッハの「ミサ曲ロ短調」という大曲に取り組みます。これからも仲間と想いを共にしながら、純粋に音楽と向き合い、楽しみながら高め合っていければと思います」
有馬さんは、「古楽のジャンルに特化した合唱団なので、共感してくれる仲間の存在が大切。合唱が好きで本格的に取り組みたい方、古楽が好きな方は大歓迎です」とも語ります。

練習の見学も可能なので、興味を持たれた方はお問い合せください。

練習の様子5
練習の様子6

活動実績

《主な活動》

  • 古楽に特化した合唱曲、器楽曲の演奏、演奏を通しての普及活動
  • 週1回の合唱練習、器楽練習
  • 年1回の演奏会、5年ごとの周年記念演奏会(可能な場合)の開催

など

お問い合わせ・連絡先

岡山ポリフォニーアンサンブル
活動場所:岡山市立京山公民館(岡山市北区伊島町2-9-38)、他
TEL:086-255-2996(事務局)
メール:y_okdmkd44wallhapp@yellow.megaegg.ne.jp
HP:http://415415.cho88.com/