その織り方に特徴のある烏城紬(うじょうつむぎ)は江戸時代から200年以上続く岡山
市の伝統的な織物で、昭和63年に岡山県郷土伝統的工芸品に指定されています。平成25年には、烏城紬四代目織元の須本雅子さんが「全国伝統的工芸品公募展」にて内閣総理大臣賞を受賞されました。
かつては糸紡ぎ、染色、機織り等の工程は分業されていましたが、須本さんは「作った紬に責任を持ちたい」という思いから、全工程を一人で行う決心をされ、実践しておられます。
平成7年、当時の岡西公民館長が須本さんに「岡山の大切な伝統工芸の技と文化を伝承してほしい」と声をかけ、主催講座「烏城紬」はスタートしました。
須本さんは、伝統を後世に残せるよう感覚や目分量ではなく、分かりやすい言葉を使い、具体的に数字で示すなど努力を重ねておられます。主催講座生として学んだ人たちも
須本さんの「技術を継承していきたい」との意思を酌み、クラブ講座を立ち上げ、地域団体「烏城紬保存会」の活動も行っています。現在、主催講座生(初心者)15名、主催講座を修了したクラブ講座生37名、また、「烏城紬保存会」には50名近くが在籍しており、継承活動は確実に地域に根付いています。
※クラブ講座…住民が自主的に企画、運営する講座で、住民の申請を基本に各公民館が開設している。