旭川水系・吉井川水系などに生息するアユモドキは、国の天然記念物で絶滅危惧1A類に指定されている淡水魚です。大きくなるとアユに似ていることからアユモドキと言われ、親魚の体長は約8~20cm、体には暗褐色の縞が7~11本あります。
平成14年に瀬戸町内の吉井川の支流で稚魚が発見され、保全活動が始まりました。その中心を担う「瀬戸アユモドキを守る会(以下、守る会)」は、産卵場所であるビオトープ「アユモドキの里」の環境整備や、稚魚観察会を実施するなど、繁殖状況を見守る活動をしています。守る会が協力し、千種小学校では、5年生が総合的な学習の時間に人工繁殖や飼育活動に取り組んでいます。ここで繁殖した稚魚は、万富公民館、瀬戸公民館、キリンビール岡山工場でも水槽飼育し、来訪者に親しまれています。
また、県立瀬戸高等学校でも、今年度の総合的な探究の時間に「外来種からアユモドキを守る」をテーマとしたグループが活動しています。
万富公民館では、令和元年度に「アユモドキの人工繁殖から地域の自然を考えるワークショップ」を開催し、千種小学校生が発表し、地域の方々と考える機会をもちました。今後も、生き物の保全に興味を持つ方々をつなぎ、一人でも多く保全活動に興味を持っていただけるよう取り組みたいと考えています。