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#49 灘崎公民館 中高生登録制ボランティア「チーム灘」の活動をとおして 若者の地域参画を

[2022年12月8日]

ID:44371

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中高生登録制ボランティア「チーム灘」の活動をとおして 若者の地域参画を

「チーム灘」誕生

灘崎地域は、岡山市南区の最南端に位置します。常山など標高300m前後の里山と児島湾の干拓による広大な平野が広がる地域です。縄文時代の史跡である彦崎貝塚をはじめ、常山城跡、数々の干拓遺跡、推定樹齢300年を超える奥迫川の大山桜や延長庵の大イチョウなど、歴史と自然豊かな灘崎地域も年々少子高齢化が進み、他地域同様、地域活動の担い手不足が課題となっていました。加えて、地域内には高校がありません。中学校卒業後は岡山市だけではなく、隣接する倉敷市や玉野市へも進学していくため、多くの子どもたちは卒業と同時に自分たちが住む地域とのつながりが薄くなっていました。

そこで公民館から中学校に相談し、子どもたちが地域の中でボランティア活動をしながら地域との関わりを続けていけるよう、平成29年度、中学生以上を対象として、中高生登録制ボランティア「チーム灘」が誕生しました。

地域の中でボランティア活動

「チーム灘」は、令和3年度で結成5年目を迎えます。登録制にしたのは、地域行事などのボランティア活動に継続して関わることで、子どもたちに地域の中で活躍できる場があること、そして自分たちが地域の方々に必要とされていることを実感してもらいたいとの思いからです。中学校を卒業後、高校生になっても活動したいと引き続き登録してくれる生徒も増えました。

 毎年度当初に「チーム灘」に登録すれば、年間を通してメンバー一人一人にボランティアの案内が届き、自分が参加したい行事に参加して、ボランティア活動をすることができます。活動にあたっては、多くの大人たちが関わります。公民館をはじめ、行事を主催する地域の各種団体、公民館運営委員会の専門部会(青少年健全育成部会・地域づくり部会)の大人たちが、打ち合わせから実際の活動、振り返りまでをサポートします。

これまで、公民館主催の小学生向け講座でお手伝いをしたり、灘崎文化まつりで司会や受付、各種体験コーナーの補助をしたり、小学校のPTAが主催する土曜授業で防災ゲームの進行役をしたりと様々なボランティア活動を行ってきました。平成30年度に行われた岡山市立公民館大会では、灘崎の歴史をまとめた朗読劇“なださき5000年の歩み”を披露し、オープニングを飾りました。

 

ピンチ!活動ができない

そのような矢先、新型コロナウイルス感染症が世界的に猛威をふるい、その感染拡大防止のため、令和2年度は、あらゆる活動が中止になりました。学校も休校となる中、事態が少し落ち着き始めた夏頃ようやくメンバーの募集を開始することができました。

しかし、灘崎文化まつりは中止、小学生向けの講座も中止、地域の各種行事も軒並み中止が相次ぎ、この時点ではなかなか活動の見通しを持てずにいたのです。

ところが、このような状況の中でも37人(中学生32人・高校生5人)ものメンバーが集まりました。活動ができない中でもこの子どもたちの意欲を大事にしたい、大人数では集まりにくい状況の中でもつながりを持ち続けたいとの思いから、高校生だけでも定期的に集まり話し合いを行う「高校生ミーティング」を開始しました。

若者の力で地域を元気に

月に1回「高校生ミーティング」を行う中で、状況が落ち着き、活動を再開できるようになった時に向けての準備として、「全体ミーティング」を行うことにしました。ボランティアとは何か?どんな灘崎地域になったらいいか?そのために「チーム灘」としてどんな活動ができるのか?ということを「チーム灘」のメンバー全員と活動をサポートしてくれる大人たちとが一緒に考えるワークショップです。パワーポイント資料の準備から当日の進行まで高校生が中心となって行いました。「ボランティアについて改めて考えることができた」、「考えをみんなで共有したのがよかった」、「地域がより活発で楽しくなるように、積極的にボランティア活動をしていきたい」などの意見が出ました。ボランティア活動はできない1年でしたが、自分たちが関わることで地域をより良くしていきたいという思いが芽生えつつあることを確認することができました。

令和3年度は、83人(中学生70人・高校生13人)ものメンバーが集まりました。中学生になったら「チーム灘」に入りたいという小学生の声も聞こえてきており、「チーム灘」が少しずつ地域の中で認知されてきているようです。まだまだコロナ禍ではありますが、子どもたちの思いを大切にしながら、できることを実践し、若者の力で地域を元気にしていけたらと思います。

ミーティングの様子