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#45 山南公民館 「防災」を「ひとごと」から「じぶんごと」にするために

[2022年12月8日]

ID:44358

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「防災」を「ひとごと」から「じぶんごと」にするために

地域の状況

山南中学校区は、人口7,625人、3,385世帯の地域で(令和3年3月末)、4つの小学校区があります。江戸時代にできた干拓地で、西は吉井川、南は瀬戸内海に面し、山もあるため、災害に強い地域とは言えません。各小学校区には自主防災会が組織され、防災訓練等の防災活動が行われていましたが、コロナ禍もあり、なかなか思うような活動ができていない状況です。

令和2年度の様子から

令和2年度、公民館では防災の取り組みとして、小学生対象の夏休み講座(コロナ禍で中止)や高齢者対象の居場所サロンで防災学習を行い、9月には非常持出品を展示しました。実際に展示を見た人からは「用意せんといけんのよなぁ」「まだしとらんわ」という声が多く、準備しているという人は数名しかいません。災害への備えがまだどこか「ひとごと」であり、これを「じぶんごと」にしていくための学びが必要だと感じました。また、地域サロンへの出前講座、地元町内会防災訓練での講義、学童保育への出前講座(コロナ禍で中止)等、公民館への依頼はあるものの、それぞれが単発で開催されているように感じられました。

防災意識を高め年間とおした取り組みに

令和3年度の取り組みについては、まず個々の防災意識を高めること、そして年間を通して防災を考える機会を作ることが、自主防災会活性化に向け公民館にできる支援の第一歩と考えました。

4月は、大人気のスマホ講座に防災の視点を入れて計画しました。この講座はもともとアプリのインストール方法を学ぶ内容ですが、アプリを防災関連にするよう講師に交渉し、職員からも具体的なアプリを提示しました。講師にとっては初めて取り組む内容だったようですが、今後、他会場の講習で参考になると喜ばれました。講座生も防災アプリを自分のスマホにインストールしたので、いざという時にはすぐに使うことができます。既存の講座内容に防災の視点を取り入れることで、学びの機会を広げることができました。

同様の取り組みとして、5月のごみ減量・リサイクル推進週間事業、6月のさんかくウィーク公民館行事にも防災の視点を取り入れることにしました。5月は、災害時のごみの出し方や、平成30年7月豪雨時の様子など実際のごみ収集の様子を聞いて、何ができるか考える講座を計画(コロナ禍で延期)。6月は、防災・減災スタンプラリーを通して自分自身の防災タイプを知り、いざという時の行動を考える講座を計画。この講座もコロナ禍で8月に延期になったので小学生が参加できるように変更しました。また、小学生対象の夏休み講座と高齢者対象の居場所サロンでも防災学習を取り入れ、ロビーでの非常持出品の展示も予定しています。

さらに7月からは「さんなん防災会議」として地域で防災を考える講座を定期的に開催することにしました。7月の講師から提案があり、各小学校区で防災の取り組みをしている人と一緒に打合せを行ったところ、その過程ではっきりしたのは、お互いの活動についてあまり知らないということです。けれど、活動している人同士なので話は早く、脱線しながらも盛り上がった打合せになり、講座が楽しみになりました。

打合せ中に話題になったのは、「地域の人にどう伝えるか」でした。打ち合わせに来ているメンバーは、防災についてある程度理解していて危機意識も高いけれど、ここにいない人達にこそ、学んで、理解し、行動に移してほしい、ということです。「私らはいいんよ、一応わかっとるから。いまここにおらん人が大事なんよ。防災にあまり関心のない人に理解してもらうんが大変なんよ」。地域の人達へどう伝えたらいいか、それが共通する悩みでした。公民館が取り組む内容として、個々の防災意識を高めたり、継続的に防災を考える機会を作ったりすることが、まさに求められていると確信できました。

子どもたちの写真

防災を「ひとごと」から「じぶんごと」へ

7月から始まる防災講座を中心に、様々な機会を捉えて防災の取り組みを行い、年間を通して防災を意識できるよう計画したいと考えています。講座に参加して、まずは「ひとごと」から「じぶんごと」へ。自分のこととして考え地域で行動するようになると興味関心が高まり、また講座へ参加して学ぶ、という上向きの学びのループができるよう、機会を整えていきたいと考えています。