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#30 吉備路文学館

[2020年12月23日]

ID:43165

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吉備路文学館とは?

岡山県は、明治時代以降の近・現代の歴史の中で多くの文学者を輩出しています。小説家やエッセイスト、詩人など、幅広い文芸ジャンルで岡山ゆかりの著名な作家が活躍。岡山、吉備路は優れた文学的才能を育む「文学のふるさと」として知られ、地元が生んだ数々の作家とその作品は、郷土文化を語る上でも欠かせない要素の一つとなっています。 

「吉備路文学館」は、明治時代以後に活躍した吉備路ゆかりの小説家や歌人、俳人、映画人などにまつわる貴重な作品や資料を収集・展示している施設です。同館がオープンしたのは1986年(昭和61年)。地域の文化継承と向上に役立てたいという目的で、中国銀行により創立50周年を記念して設立されました。

文学館外観の写真

外観

文学館内部の写真

内観

作家・文学の魅力をあらゆる角度から発信する文学博物館

館内には、郷土ゆかりの近代・現代の文学者140名ほどの初版本や書簡、原稿、愛用品、写真といった約4万7000点以上の収蔵品が大切に保管されています。ここでは作家や文学作品を題材にした企画展を年4回ほど開催。作家の人生や心情、執筆の背景をさまざまな角度で捉えながら、読むだけでは知りえなかった作品の世界観や、文学の奥深い魅力を発信しています。

会期中は、展示内容に合わせたイベントも開催しています。作品の朗読会や、原作となった映画やアニメの上映会、歌や楽器のコンサートなど、サブカルチャー的な要素も取り入れながら、誰もが気軽に楽しめる多彩な企画を行っています。2019年には、小説家・内田百閒の生誕130年記念企画の一環として、代表作の紀行文「阿房列車」に絡めた鉄道ジオラマの展示を行いました。

館内には、地元作家の書籍や出版物、デニム生地で作ったブックカバーなど、オリジナルグッズも販売。2階には小説や詩の会、俳句の会などに利用できるホールや研究室があり、生涯学習に役立つ場として利用できます。

グッズ販売コーナーの様子

グッズ販売

展示室の様子

展示室

阿房列車ジオラマの写真

阿房列車ジオラマ

四季の彩りあふれる日本庭園と建築空間を楽しめる

文学博物館として幅広い世代に親しまれている吉備路文学館。展示やイベントと並んで来館者の人気を集めているのが、四季折々の表情をみせる庭の風景。日本庭園に囲まれた文学館として、ロビーや階段などから美しい庭の眺めを楽しめます。

水流にかかる石橋や雪見灯篭、紅葉の林などは、古くから当地の武家屋敷にあったものを今に残しています。石組みの間を流れる滝も見どころの一つ。中でも、庭のシンボルツリーとして親しまれているのが鬱金桜で、春には薄黄緑色の八重の花を咲かせます。桜の時期を迎える春と、紅葉が色づく秋には、庭を望めるガラス張りの1階ホールに茶席を並べてのお茶会が催されます。

大きなガラス窓を設けた館内は、開放感がありながらも落ち着いた雰囲気があり、季節を感じながら、文学の世界にじっくり向き合うことができます。

日本庭園の写真

ガーデン

うこん桜の写真

うこん桜

お茶会の様子

お茶会

注目の作家や記念企画も続々。郷土と文学を結ぶ発信地に

吉備路文学館の明石館長は、「地域の文学カルチャーの発信地として、この場所から作家や作品のファンになってもらいたい。文学の面白さを地域の人に伝えるため、毎回趣向を凝らした企画を練っています」と語ります。

企画の題材に選ぶのは、話題性のある作家や、生誕・没後の節目を迎える作家などが中心。2020年12月開催の「小川洋子の世界展」は、岡山市出身の作家・小川洋子さんの作品『密やかな結晶』の英訳版が、世界的権威のある「ブッカー国際賞」最終候補に選定された快挙を称える記念企画です。少女時代の作品や写真など約110点の展示品のほか、原作となった舞台映像も上映されるなど、岡山で生まれ育った小川さんの原点をたどるもの。同時開催の「尾上柴舟展」は、歌人として活躍した柴舟の短冊や掛軸、初版本といった貴重な資料を展示します。

今後もさまざまな展示やプログラムを企画。岡山県下の小学生から応募のあった詩を集めて詩集にまとめる活動も続け、子ども達の文学の芽を育てる取り組みで教育に貢献しています。

一人でも多くの人が来館して展示を楽しみ、知識を広げていくことが地域の文学・文化向上につながります。まだ足を運んだことのない人は、地元の素晴らしい文学施設の魅力を、ぜひ体感してください。

明石館長の写真
小川洋子展の展示風景1
小川洋子展の展示風景2

明石館長と、小川洋子展の展示風景

お問い合わせ・連絡先

公益財団法人 吉備路文学館
TEL:086-223-7411
岡山市北区南方3-5-35
開館時間:午前9時30分から午後5時00分(入館は午後4時30分まで)
休館日:毎週月曜日(祝日は開館)、祝日の翌日 ※年末年始、その他特別休館日あり
入館料:一般400円、大学・高校生300円、中学・小学生200円