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第10回ESDカフェ(2017年度)

[2018年4月6日]

ID:38437

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  • テーマ:「ブラインドサッカー(R)」を通じて育まれる「チームプレー」
  • 開催日時:2018年3月15日(木曜日)午後6時30分から午後8時
  • 開催場所:環境学習センター「アスエコ」(岡山市北区下石井2-2-10)
  • 講師:岡山デビルバスターズ 幸田凌侑さん、梶野雅章さん、佐藤えり子さん、福島聡子さん

第10回ESDカフェ「『ブラインドサッカー(R)』を通じて育まれる『チームプレー』」

2018年3月15日(木曜日)に、2017年度第10回ESDカフェを開催しました。今回は、「『ブラインドサッカー(R)』を通じて育まれるチームプレー~誰もが活躍できる社会を目指して~」というテーマで、岡山のブラインドサッカーチーム、「岡山デビルバスターズ」の幸田凌侑(りょう)さん、梶野雅章さん、佐藤えり子さん、福島聡子さんにお話しいただきました。

ブラインドサッカーについて

ブラインドサッカーは現在日本に7種目ある障がい者サッカーのひとつです。1980年代に生まれたスポーツで、最初は南米やヨーロッパを中心にプレーされていました。日本に入ってきたのは2001年のことです。ブラインドサッカーには視覚障がいの程度により、B1からB3までの3つのカテゴリーがあります。岡山デビルバスターズは、最も障がいの程度が重いB1クラスで活動しています。パラリンピックの種目として採用されているのも、B1クラスです。このクラスでは、ゴールキーパー以外のプレーヤーは全員アイマスクを着用しなければなりません。これは、各プレーヤーの視覚の条件を同じにするためです。B1クラスのサッカーボールは鈴の音が鳴るようになっています。この音のおかげで、プレーヤーはボールがどこにあるか把握することができます。

ブラインドサッカーでは、プレーヤーに指示を出すことができる人は限られています。攻撃の際は、ゴールの後ろにいるガイド、ピッチ中盤では監督、防御の際はゴールキーパーが指示を出します。指示を出す必要があるゴールキーパーは晴眼者や弱視者が行います。
ブラインドサッカーでは、プレーヤーはボールの音や指示者の声を頼りに動きます。それゆえ、それらの音をかき消さないよう、観客はゴールが決まった時以外は静かに応援することとされています。

視覚障がい・見えづらさについて

人間は80%の情報を視覚から得ているそうです。視覚が遮断され、得られる情報が少なくなると、話す相手との距離感や表情を読み取ることが難しくなります。晴眼者はそのことを理解して、コミュニケーションに注意し、視覚障がい者に対して思いやりを持つことが必要です。

今回のESDカフェでは、体験用メガネや白杖を利用し、視覚障がい者がどのように見えているのか体験してみました。全く見えない、全体的に白くかすむ、視野が限られる、中央が見えづらいなど症状は様々であることがわかりました。また、視覚障がい者への適切な声掛けや誘導例の実演を見ることにより、体験全体を通して見え方への理解を深めることが出来ました。

岡山デビルバスターズの取り組み

岡山デビルバスターズは、2015年4月に発足し、2018年3月現在、岡山唯一のブラインドサッカーチームとして、選手・サポーター含め約30名で活動しています。岡山といえば桃太郎ということで、桃太郎の鬼退治がチーム名の由来になっています。岡山デビルバスターズの特徴として、視覚障がいだけでなく、精神・知的などの障がい者の方も広く受け入れていることが挙げられます。10代から60代まで幅広くチームに所属していて、月に2回から3回中区原尾島の岡山県立岡山盲学校や、倉敷市にある旭化成株式会社のグラウンド等で練習しています。また、小学生向けを中心に年間10回程度のブラインドサッカー体験会も実施しています。チームで大切にしているのは、「自然体」、「自立」、「成長」の3つです。ブラインドサッカーはただ楽しいだけではなく、ボランティア精神、チームワークの向上、コミュニケーションの重要性、個性の尊重、障がい者理解促進などを学ぶことができ、人間として成長できるといいます。

ESDカフェ1

チームキャプテンの幸田凌侑さんは、朝自転車で通勤中交通事故に遭い、3か月間意識不明の重体になりました。意識が戻っても、身体が動かず、幸田さんは生きる気力を取り戻せずにいたそうです。そんな中、幸田さんのご両親は、岡山にブラインドサッカーのチームができると聞き、監督の安藤久志さんに連絡を取られたそうです。幸田さんはもともと小学生のころからサッカーをしていて、社会人になっても続けていたのです。そうして、幸田さんは第1回の練習からデビルバスターズの活動に参加しました。リハビリにも励み、下肢装置がなくても動けるほどに回復しました。幸田さんは、「ブラインドサッカーや人との関わりを通じて明るくなれた。今までチームは試合で1点も取れたことがないので、キャプテンとして1点を取り、チームを勝利に導きたい。それが目標、生きがいとなっている。ブラインドサッカーと出会えてよかった。」と自身の体験を交えて話しました。

ESDカフェ2

岡山デビルバスターズの皆さんのお話の後、ジェスチャーゲームを体験しました。チームを組んで、そのうち1人をアイマスクで何も見えない状態にし、チームの仲間の言葉だけを頼りに指示されたポーズをまねるというゲームでした。アイマスクを着用した方も、指示する方も、言葉のみのコミュニケーションの難しさを改めて感じていました。

最後に、参加者の皆さんで2つの問いについて考えました。ひとつ目は、「見える人・見えない人がコミュニケーションをとる上で気を付けた方がよいと思われることは何でしょう?」でした。これについて、「ゆっくり話す」、「具体的に話す(上りの階段が5段ありますなど)」、「今日やったような疑似体験をすると、相手の気持ちを考えてコミュニケーションが取れるかもしれない。」などの声が挙がりました。もうひとつの問いは、「チームワークを育むために、日常生活で気を付けていることがありますか?」でした。こちらについては、「感謝を伝える」、「言わなくても分かるではなく、思ったことは声にして伝える」などの意見がありました。

ESDカフェ3

今年度も多くの方にお越しいただきありがとうございました。来年度のESDカフェは、SDGs(持続可能な開発のための目標)の17の目標ひとつひとつを毎月ピックアップして開催していく予定です。また、新たに参加カードを導入し、スタンプ10個で特製グッズをプレゼントします。来月からESDカフェに関する報告は、岡山ESDプロジェクトのFacebookページに掲載します。来年度もお楽しみに!

お問い合わせ

岡山市ESD推進協議会(岡山市ESD推進課内)小西・宮崎
電話:086-803-1351
電子メールアドレス:esd@city.okayama.lg.jp