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2023年度第4回ESDカフェ「“川”からつながり 広がる 人と地域の未来」

[2023年11月10日]

ID:54366

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  • テーマ:“川”からつながり 広がる 人と地域の未来
  • 開催日時:2023年7月20日(木曜)18時30分から20時
  • 開催場所:オンライン(Zoom)
  • ゲストスピーカー:長﨑 百絵さん(岡山市立御南西公民館)

御南西公民館

岡山市立御南西公民館が立地する御南中学校区は、児島湖に通ずる二級河川の笹ヶ瀬川が流れており、商業施設や病院など生活に必要な施設が揃い、JR北長瀬駅もあり交通の便が良く、人口約32,000人のにぎわいのある地区です。子どもの数が多いことから、若い世代が比較的多く居住しており、転出入が多いことも特徴です。

この地区は、高層マンションの新築や、戸建て宅地の開発などにより人口が増加してきたことから、地域の由来や歴史、文化を知らない住民が増えてきており、長年地域の歴史を伝承してきた方々の高齢化も相まって、地域の歴史などを次世代に継承することが課題となっています。

今回は、御南西公民館の長﨑さんから、地域の方々と、ボランティア活動が盛んな御南中学校の中学生とをつなぐ公民館の取組について、紹介していただきました。

地域の歴史・文化を継ぐ

御南西公民館では、2年前に立ち上げた主催講座「歴史塾・御南西」に参加する講座生から、「西小学校(御南中学校区)の昔の写真を集めて写真集を作りたい」という希望を聞きました。その方は、御南学区の開発が進み昔の面影が消えつつあること、歴史を知る住民が高齢化していることなどから、昭和時代の学区の原風景や変遷を記録に残しておかないと、このままでは次世代へ語り継ぐ材料も人もなくなってしまうのではないかという危機感を募らせていました。

そこで、西小学校開校初期の卒業生が集まり、写真集作成のため公民館と実行委員会を立ち上げました。主に昭和・平成時代の写真を地域住民から提供していただき、写真の選定や構成、財源なども一から検討し、二年がかりで写真集の作成に取り組みました。この間、実行委員会メンバーは、公民館の文化祭で写真展を開催したり、地域に出かけ歴史を伝える活動もしてきました。

長﨑さんは、地域の方の希望を聞いたときに「いつか実現したらよいですね」ではなく、このタイミングで御南西公民館に勤務する職員に宛てて届けられた住民の夢だと捉え、地域に豊かさをもたらすために任された仕事だと確信し、公民館として応援していくことが大切だといいます。

西学区のあゆみ実行委員会が始動
実行委員が伝える主体へ

海ごみを無くすために

笹ヶ瀬川は、桃太郎伝説で桃が流れるモデルとなった川といわれています。令和4年5月、笹ヶ瀬川にかかる白石橋の工事のためにオイルシートで堰き止められた川には、ごみがあふれていました。これらのごみは直接川に捨てられたものだけではなく、陸のごみが用水路に流れ、用水路から笹ヶ瀬川に流れ込んだものです。笹ヶ瀬川のごみが向かう先は児島湖、さらにその先は瀬戸内海です。

笹ヶ瀬川

御南西公民館では、職員がレジ袋有料化に関する講演会に参加したことでできた新たなつながりをきっかけに、海ごみ問題に取り組み始めます。民間団体瀬戸内オーシャンズXの清掃活動に参加したり、主催講座「海ごみを無くすために私たちにできること」を企画したりしました。これらの環境学習と清掃活動の参加者は、はじめは一部の地域の人々だけでしたが、町内会の協力が得られるようになり、回を追うごとに新しい参加者が徐々に増えているとのことです。

地域と「知る・学ぶ・一緒に取り組む」がスタート
仲間が増えた、広がった

令和5年2月の公民館主催のワークショップでは、瀬戸内海の海ごみの現状などを学習し、自分たちにとって身近な笹ヶ瀬川のごみを減らすアイデアを話し合うなかで、用水路にネットを張れば、川ごみを回収できるのではないかという意見が出ました。そこでそのアイデアが本当に効果があるのかを調査するため、山陽新聞社・みずしま財団・西長瀬町内会・田中町内会の協力を得て、御南中学校生徒も参加し、同年5月に用水路2ヶ所に3週間ネットを設置して実証実験を行った結果、3週間で約10キロのごみを回収しました。この実験を通して、笹ヶ瀬川にごみが流入する前に用水路のごみを回収する方法として、課題はあるがネットを設置することが有効な方法であるということがわかりました。何よりも、地域住民の用水路のごみに対する意識の向上につながりました。

用水路ごみ回収実証実験
用水路ごみ回収実証実験・結果

地域課題に取り組むことで、地域を明るく盛り上げたい。「川と人」を真ん中に据え、環境保全、歴史文化の継承など様々な活動をしている地域の人々と中学生をつなげるコーディネートは、公民館の大切な役割です。令和5年10月に開催する「写真集西学区のあゆみ発刊記念ウォーキング大会」でも、実行委員と共に、中学生がガイド役となり海や川にまつわる地域の史跡を巡るイベントを開催します。長﨑さんは、若者・地域が主体となり、学びと実践活動の両輪で進めていく「みなんモデル」に取り組み、今後も活動を積み重ねていきたいと考えています。

一緒に取り組む人が増える関係が深まる
地域課題に取り組む・地域を盛り上げる

参加者から

今回のESDカフェには、岡山県出身で現在は高知県在住の方が参加してくださっており、「(高知の)近所の川は水が透き通っていて私にはとてもきれいに思えるが、地元の人はこの川は汚い方だと言っていて、きれいだと思う基準は様々だと感じる。他地域のきれいな川を見ることも、地元の川に関する考え方が変わるきっかけになるかもしれない」との感想が聞かれました。

また、「公民館がどうやって地域の人々とつながり、活動を広げているかよく分かった」という方もいて、公民館の活動や役割を知るよい機会となったようです。

リンク

お問い合わせ

岡山ESD推進協議会事務局(岡山市市民協働局市民協働部SDGs・ESD推進課内)
所在地:〒700-8544 岡山市北区大供一丁目1番1号
電話:086-803-1351・1354
ファクス:086-803-1777
電子メールアドレス:esd@city.okayama.lg.jp