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2021年度第11回ESDカフェ「『ESDの視点を取り入れた包括的な生と性の教育』と目指す未来」

[2022年6月1日]

ID:38878

  • テーマ:「ESDの視点を取り入れた包括的な生と性の教育」と目指す未来
  • 開催日時:2022年3月17日(木曜日)午後6時30分から午後8時
  • 開催場所:オンライン(Zoom)
  • ゲストスピーカー:助産師/Life is代表 東海林みゆきさん

2021年度第11回ESDカフェ「『ESDの視点を取り入れた包括的な生と性の教育』と目指す未来」

3月17日(木曜日)に、オンラインで今年度第11回目のESDカフェを開催しました。
今回は「『ESDの視点を取り入れた包括的な生と性の教育』と目指す未来」と題して、助産師でLife is代表の東海林みゆきさんにお話しいただきました。

皆さんは、「性教育」と聞いてどのようなイメージが浮かびますか?
参加者からは「きちんと教わった覚えがない」「男女別の授業で、お互いに話してはいけないタブーと思っていた」などの声があがり、男性の中には「性教育は敷居が高い」と感じている方もいらっしゃいました。

まずは、東海林さんが小学校1年生・2年生を対象に行う「命の授業」を実演しました。
男性・女性それぞれの「命のもと(精子・卵子)」が受精卵になり、お母さんのお腹の中で大きくなっていく様子、陣痛がきてから生まれるまでの様子を、手作りの赤ちゃんの人形や模型を使いながら、分かりやすく説明してくださいました。
この授業では、生まれる前も生まれてからもたくさんの愛情を受けて大切にされていることを伝え、自分自身を大切にしてほしい、さらに隣にいる子も自分と同じように大切にしてほしいというメッセージを込めているそうです。

命の授業の実演

東海林さんは、新人助産師時代の初めての人工妊娠中絶介助の経験から、性教育の必要性と助産師としての責任を強く感じ、「望まない妊娠を減らす」ための活動を始めました。
最初は人工妊娠中絶患者への避妊指導が主でしたが、「命の大切さを伝えたい」という思いから対象年齢が学生・生徒・児童・園児へと下がっていき、さらに「お母さんが満たされていないと赤ちゃんに愛情を伝えられない」と、お母さんを対象に話をするようになりました。
この頃から、連鎖・つながり・全体を意識するようになり、「ある一定の年齢だけでなく、みんなに届けたい」という思いが強くなったそうです。

次に、「包括的性教育」について説明がありました。
「包括的性教育」とは、2009年にユネスコが公開した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」の中で示された考え方で、8つのキーコンセプトが掲げられています。キーコンセプトには、身体の発達や生殖についてだけでなく、人間関係や人権、健康と幸福など幅広い内容が含まれます。

8つのキーコンセプト

日本では「性教育=性的な行動に関するもの」というイメージに偏っているため、「包括的性教育」を定着させることで、性別や年齢を問わず、健康で幸せに生きるために必要な学問であるという意識を持ってほしいとのことでした。

また、SDGsの「誰一人取り残さない」という視点やESDの「自分事と捉え、考える力を育む」「自分だけでなく相手の幸せも考える」という考え方を取り入れることで、助産師だけ、保健体育の授業だけ、特定の学年だけなどではなく、学校教育活動全体を通した系統的・横断的指導をすることを目指しているそうです。

SDGsの視点

参加者からは、「現在の性教育について知ることができ新鮮だった」「SDGsとつながりがあると思っていなかったので驚いた」などの感想が聞かれました。

ESDカフェ お問い合わせ

岡山ESD推進協議会(岡山市市民協働局市民協働部SDGs・ESD推進課内)
担当:赤木、瀬戸井
電話:086-803-1354
ファクス:086-803-1777
電子メールアドレス:esd@city.okayama.lg.jp