ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

2024年度第2回ESDカフェ「持続可能な社会をつくる NPOの若者のホンネとみんなにできること」

[2024年7月8日]

ID:62486

  • テーマ:持続可能な社会をつくる NPOの若者のホンネとみんなにできること
  • 開催日時:2024年5月21日(火曜日)18時30分から20時
  • 開催場所:Wonderwall(岡山市北区駅前町1-8-18イコットニコット2階)またはオンライン(Zoom)
  • ゲストスピーカー:井口陽平さん(NPO法人若者応援コミュニティとりのす 設立代表・総合プロデューサー)
井口さんの話を聞いてる様子

なぜ、この活動をおこなっているのか?

若者グループの自発的な社会貢献活動への伴走やキャリアカウンセリングなど、大学生を中心に年間約100名の若者のキャリア観の成長を促し、キャリアコンサルタントの資格を活かしながら、元気な若者、元気で明るい未来の社会づくりにむけた活動を行っている井口さん。
大学卒業と同時に立ち上げたNPO法人若者応援コミュニティとりのすでの若者の社会参画推進、2022年に設立した株式会社Growvelyでの中小企業の新卒採用支援や教育支援など、企業と学生それぞれの未来を拓く活動を通して見えてきた、持続可能な社会づくりに必要な観点を話してくださいました。

一浪後、岡山の大学に入学した井口さん。楽しく充実した学生生活を送ろうと周りの友人たちを見ると、あきらめ顔で、将来への希望も乏しいような顔が多く、なんであきらめているの?なんでそんなに受け身なの?なんで自分から変えようとしないの?という疑問が湧いてきました。このままではまずいぞ。それは、ちょうど東日本大震災が起きた年でした。
何かしなければ!自分にもできることがあるだろうか?と、自らボランティアとして、被災地に出かけました。そこでは、生き生きと支援活動や支援の受け入れをしながらも夢をもつ若者やNPOとの出会いがありました。
岡山へ戻り、岡山県ボランティア・NPO活動支援センター「ゆうあいセンター」でアルバイトを始めたり、学生団体やNPOの活動に参加するなど、自身の行動を変えてみました。NPOの活動を頑張る多くの若者に出会いましたが、将来のキャリア形成に関してはほとんど考えていないことも感じられました。そうした学生がこのまま社会に出ていくのはまずい、若者が自分らしく輝き、力を発揮できるような支援が必要と考え、キャリアコンサルタントの道へと進みました。

井口さんが話している様子

今ドキの若い人(時代)を理解しよう

Z世代の価値観

1996年から2010年生まれの若者世代は「Z世代」と呼ばれ、人口比率は日本では13.6%、世界では32%を占めています。これまでの世代と比べ、その価値観は大きく異なり、以下のような特徴があるとされています。

  • 人間関係と多様性を重視する。多様性については、価値観の押し付けを嫌う傾向が大きい。
  • つながりを大切にする。けれど強く自己主張しない。
  • 「意味」を大切にするため、理不尽と感じると逃げてしまう。
  • 日本固有の特徴として、経済的な安定や精神的価値を重視する傾向にある。

「Z世代の若者を思う方向へ導けない」と感じる年上世代の方は多いのではないでしょうか。「若者=最も進化した人類」という視点を持ち、Z世代を自分と異なる若者とみなすのではなく、新しい時代の価値観とともに素直に生きる人たちと捉えることで接し方が見えてくる、これらの特徴を加味した情報発信が必要だと井口さんは説明を重ねました。

Z世代と社会貢献

Z世代は、「環境や社会に配慮する」「他者を尊重する」「共感を重視する」など、社会や他者と良好な関係を築くことを意識する人も多いです。
そんなZ世代が働く環境で重視することは以下の4つです。

  1. 誰と働くか
    社員の雰囲気のよさや価値観の一致、一緒に働く際の働きやすさを望む傾向が強いです。
  2. ワークライフバランス
    残業がないこと、有休の取得しやすさ、妊娠や育児に関する休業制度の整備などで働き続けられるか、といったことに関心があります。
  3. 企業の安定性と将来性
    企業の経営が安定しているだけでなく、今後のさらなる発展も重視します。
  4. 業務が効率的か
    日常生活を効率的に送ることに慣れているので、業務でも効率的であるかを求めます。

社会貢献に関心があるのは、彼らが育ってきた社会の背景も影響しているようです。「若者に好かれる企業≒価値観のアップデートができている企業」とも言えるかもしれません。
井口さんのお話を聞いて、参加者からは
「受け入れる側がZ世代を理解できていないことがわかった。力量を試されていると感じた。」
「Z世代のことを聞きたい、知りたいという気持ちはあるが、距離感がわからない。意識しすぎも良くないと感じる。」
などの感想がありました。

持続可能な社会を多世代でつくっていくために

「わたし」には何ができる?

井口さんのお話を踏まえて、『今後、若者たちと持続可能な社会をつくるために自分がどうありたいかについて考えてみる』をテーマに、若者たちと持続可能な社会をつくっていくうえで課題と感じること、5年後どうなっていたいか、そのために今の自分に何ができるか、の3つについて、参加者各自で考える時間を取りました。考えた内容について、時間の都合で参加者全員の意見を聞くことはできませんでしたが、代表的な声を紹介します。

「議員をしているので、若い世代が困っていることや、行政の政策に対する意見も聞いて反映していきたい。5年後は多様性の本質にもっと近づいている社会でありたい。自分がキャッチしたり共感したりする若い世代の声を議会に届け続けていきたい。」

話し合いをしている様子

Z世代としっかりつながるために

会場からは「Z世代が人間関係を大切にする、つながりたいという気持ちをもっている一方で、感覚が違うと逃げてしまうという現象があるのはなぜ?」という問いが上がりました。
井口さんからは、つながりを確かなものにするためには、「何のためにつながるのか?」がきちんと説明され納得していることや、その取組によって生まれる近未来像がイメージできることなどが重要であるとの答えがありました。

町内会などの地域の取組における若い世代との関わりに課題を感じてきた方からは、「若い人の『自分達の価値観は大人にわかるものか』『大人には興味がない』『自分たちの価値観で動きたい』といった思いは自分が若い時に抱いていた感覚と同じだと感じた。Z世代と異なるのは表現方法で、今はおとなしく特に反発をしないということではないか。つながりたいという共通ニーズは大人も若者もあると思う。共通することが何かを考えてみたい。」といった声も上がりました。

井口さんは、「人口減少が進む社会にあって、次世代を育てる心を持って、温かく接することが重要。彼らの目線や価値観に寄り添うことが大切なのではないでしょうか。そんな活動をやっていきましょう。」として、Z世代としっかりつながっていくためのさまざまなヒントが得られたカフェは締めくくられました。

話を聞いている様子

リンク

お問い合わせ

岡山ESD推進協議会事務局(岡山市市民協働局市民協働部SDGs・ESD推進課内)
所在地:〒700-8544 岡山市北区大供一丁目1番1号
電話:086-803-1351・1354
ファクス:086-803-1777
電子メールアドレス:esd@city.okayama.lg.jp