今回のゲストは、社会福祉法人旭川荘別ウィンドウで開く企画広報室長の小幡篤志さん。
厚生省(現厚生労働省)で介護や年金、規制改革などを担当した後、2008年に岡山県庁に出向。すっかり岡山を気に入ってしまい、2011年に旭川荘に転職。障がい者への理解を深めるべく、広報活動に力を入れています。旭川荘が設立されたのは、今から約60年前。「天を敬い人を愛する人間尊重の精神」のもと、身体障がいのある子ども、知的障がいのある子ども、乳児を対象とした3つの施設でスタートしました。今では、施設数は80を超え、利用者は約2,400名、職員2,200名を数えます。日本でも有数の規模を誇る社会福祉法人です。
旭川荘には工房をはじめ、ものづくりの施設が13あり、様々な作品や商品がつくられています。
最近、力を入れているのは、地域の名産品とのコラボレーション。岡山県北でとれたイノシシの皮でつくったコインケースなどの雑貨、倉敷ノッティングという技法で50年以上つくり続けられている毛糸のマット、高梁紅茶を練りこんだクッキーなど、地元の素材や技を活かしたものづくりを進めています。倉敷ノッティングでつくられた毛糸のマット
イノシシの皮でつくった雑貨
「作品の一つひとつがかわいいし、素敵で、みなさんそれぞれ固有の技術がある職人さんのようだと思いました。作品の魅力が印象に残るものばかりだと思います」とESDカフェ参加者の声。
旭川荘は、ものづくりの他、アートを通じた事業も展開。
障がい者の方が創作された絵画や織物、置物などのアート作品を、積極的にまちなかに出展しています。鮮やかな色合いや大胆な構図など、独特の感性にあふれた作品は、見る人の心を刺激します。もっと障がい者への理解を広めるために、参加者の方からは次のようなアイデアが挙げられました。
みなさんの意見をお聞きして、ふれあう機会に加え、一緒に何かをしてみる共通体験が、お互いの垣根を低くして、共感や理解を育むために大切なのではないかと感じました。
障がいのある方が「支えられる」だけでなく、社会の一員として暮らし、地域社会の「支え」となるためには?
障がい=マイナスと捉えがちですが、旭川荘の取り組みは、それぞれのできることに光をあてて、能力や個性を活かした作品や商品をつくり、積極的に紹介しています。旭川荘のある岡山市中区には、水と緑にかこまれた豊かな自然環境が広がり、多様な生きものたちがすんでいます。ハイキングが楽しめる「龍ノ口グリーンシャワーの森」など、家族や友達と週末を過ごすのにぴったりなエリアです。
豊かな自然の中で大きく深呼吸しながら、自然の素晴らしさを体感してみませんか?岡山市市民協働局ESD推進課 小西・流尾
電話:086-803-1354