ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

第5回ESDカフェ(2015年度)

[2015年10月16日]

ID:38234

  • テーマ:障害者施設×地域社会×ものづくり〜旭川荘の取り組み
  • 開催日時:2015年9月17日(木曜日)午後6時から午後7時30分
  • 開催場所:環境学習センター「アスエコ」(岡山市北区下石井2-2-10)
  • 講師:社会福祉法人旭川荘企画広報室長 小幡篤志さん

第5回ESDカフェ「障害者施設×地域社会×ものづくり〜旭川荘の取り組み」

小幡篤志さん

今回のゲストは、社会福祉法人旭川荘別ウィンドウで開く企画広報室長の小幡篤志さん。

厚生省(現厚生労働省)で介護や年金、規制改革などを担当した後、2008年に岡山県庁に出向。すっかり岡山を気に入ってしまい、2011年に旭川荘に転職。障がい者への理解を深めるべく、広報活動に力を入れています。

旭川荘

旭川荘が設立されたのは、今から約60年前。「天を敬い人を愛する人間尊重の精神」のもと、身体障がいのある子ども、知的障がいのある子ども、乳児を対象とした3つの施設でスタートしました。今では、施設数は80を超え、利用者は約2,400名、職員2,200名を数えます。日本でも有数の規模を誇る社会福祉法人です。

「障がい者がつくり出す岡山の名産品」

旭川荘には工房をはじめ、ものづくりの施設が13あり、様々な作品や商品がつくられています。

最近、力を入れているのは、地域の名産品とのコラボレーション。岡山県北でとれたイノシシの皮でつくったコインケースなどの雑貨、倉敷ノッティングという技法で50年以上つくり続けられている毛糸のマット、高梁紅茶を練りこんだクッキーなど、地元の素材や技を活かしたものづくりを進めています。
目指すのは、「障がい者がつくり出す岡山の名産品」を生み出すこと。「岡山といえば、旭川荘の商品」と思ってもらえるような商品の開発です。
倉敷ノッティングでつくられた毛糸のマットの写真

倉敷ノッティングでつくられた毛糸のマット

イノシシの皮でつくった雑貨の写真

イノシシの皮でつくった雑貨

「作品の一つひとつがかわいいし、素敵で、みなさんそれぞれ固有の技術がある職人さんのようだと思いました。作品の魅力が印象に残るものばかりだと思います」とESDカフェ参加者の声。


消費者ニーズに合った商品開発、販売先の開拓、適切な原価や販売価格の設定など、一筋縄では行かないこともあるようですが、試行錯誤しながら、やりがいをもって取り組んでいる姿が伝わってきました。
「障がいがあっても品質の高いものをつくれる能力がある、ということをわかってもらいたい」と小幡さん。「商品を通じて障がい者のことを知ってもらう機会をつくっていきたい」とのことでした。

アートを通じたコミュニケーション

旭川荘は、ものづくりの他、アートを通じた事業も展開。

障がい者の方が創作された絵画や織物、置物などのアート作品を、積極的にまちなかに出展しています。鮮やかな色合いや大胆な構図など、独特の感性にあふれた作品は、見る人の心を刺激します。

障がい者のことをもっと知ってもらうには?

参加者

もっと障がい者への理解を広めるために、参加者の方からは次のようなアイデアが挙げられました。

  • 障がい者も一緒にできるスポーツなどをすれば、つながりが増えるのではないか?パラリンピックの地域版で、みんなで一緒に競技に取り組んでみるのはどうか?
  • 一緒にものづくりをするなど、共同作業をすると良いと思う。
  • 旭川荘で、年に数回、ちょっとしたイベント、セールなどを企画して集客し、知ってもらうのはどうか?
  • 商品を買うことで貢献できるが、それ以外にも、ボランティアや施設の見学など、何か障がいのある方とふれ合える機会があるとうれしい。

みなさんの意見をお聞きして、ふれあう機会に加え、一緒に何かをしてみる共通体験が、お互いの垣根を低くして、共感や理解を育むために大切なのではないかと感じました。

多様な社会へのヒント

障がいのある方が「支えられる」だけでなく、社会の一員として暮らし、地域社会の「支え」となるためには?

障がい=マイナスと捉えがちですが、旭川荘の取り組みは、それぞれのできることに光をあてて、能力や個性を活かした作品や商品をつくり、積極的に紹介しています。

それぞれが、できることに光を当てて、できない部分は支え合う。
そこに、だれもが一緒に生きられる多様な社会へのヒントがあるような気がしました。

岡山市中区にあるESDスポットをチェック!

旭川荘のある岡山市中区には、水と緑にかこまれた豊かな自然環境が広がり、多様な生きものたちがすんでいます。ハイキングが楽しめる「龍ノ口グリーンシャワーの森」など、家族や友達と週末を過ごすのにぴったりなエリアです。

豊かな自然の中で大きく深呼吸しながら、自然の素晴らしさを体感してみませんか?

お問い合わせ

岡山市市民協働局ESD推進課 小西・流尾

電話:086-803-1354
電子メールアドレス:miki_konishi@city.okayama.lg.jp