7月21日(木曜)に、オンラインで今年度第4回目のESDカフェを開催しました。
令和3年度ユース活動支援助成金を活用した、NPO法人だっぴの福島優実さん、伊藤萌華さんにお話しいただきました。
ユース活動支援助成金は、岡山地域において持続可能な社会の実現に向けて活動するユース(18歳から35歳の若者)を対象に、国内外におけるESD推進・SDGs達成に向けた先進事例の調査や研修に参加する際の経費を助成し、ユースの主体的な学びを支援する事業です。ユースが調査・研修等を通して更なる研鑽を積み、所属団体の活動の進展や地域におけるESD推進・SDGs達成に向けたアクションを促進することを目的としています。
初めに、「NPO法人だっぴ」の活動が紹介されました。
だっぴは、「地域で主体的に行動する大人」と「自分のあり方を模索している未来を担う若者」とがつながる場を、中・高・大学生、若手社会人を対象に作り出しています。参加者が自分らしい多様な進路や働き方を見つけるとともに、地域社会の人的資源の向上と地域活性化の実現に向けて活動しています。
続いて、伊藤さん、福島さんそれぞれのお話へ移ります。
伊藤さんは、岡山県真庭市の取り組みが紹介されている「里山資本主義」という本と出会ったことがきっかけで、大学を一年間休学して真庭市に移り住み、「真庭なりわい塾」に参加しました。「真庭なりわい塾」とは、全8回の講座やワークショップ、フィールドワーク等をとおして、昔から紡いできた暮らしに学びながら、これからの農山村と新たなライフスタイルを模索する人材育成塾です。
地域の人々の話を聞き、自然の一部となって生きる循環型の暮らしを知ることで、自分がいかに自力で生きていくためのすべを持ち合わせていないか気づくと同時に、持続可能な社会をつくるヒントが得られたとのことです。また、これまでの働き方・暮らし方に疑問をもち、これからの社会を考える仲間とのつながりも生まれたそうです。
伊藤さんは現在、真庭市での生活を終え、大学に復学しています。暮らし方を見直し、家庭菜園で野菜を育てたり梅を漬けたり、自分にできることから実践しているとのこと。「以前は、何か大きなこと、革新的なことをしなければならないと感じていたが、今は自分の小さな選択・行動によって、よい社会に繋がると思うようになった」との言葉が印象的でした。
福島さんは、ボランティアで関わる中高生が自分の想いをうまく言葉にできない場面に遭遇することがあり、以前から、言葉で表現することの難しさを感じていました。今回、相手の言葉を引き出せるような関わり方を学びたいと考え、PAS心理教育研究所主催のオンラインセミナー「応答構成大演習」を受講しました。
応答構成とは、心理療法のひとつで、クライエントの発言に対してどのように応答するか、セラピストが応答のプロセスを体系的に組み立て、吟味し、精錬するものです。セミナーでは、「放課後児童クラブで、以前は会話が成立していたのに、急に会話ができなくなってしまった小学生(筆談は可能)」といった具体的な事例を取り上げ、よりよい会話の流れが生まれるように、相手の発言に対して自分はどのように応えるかをグループで検討しました。
研修をとおして、テクニックとしての声かけの仕方とともに、対話では、聞き手は「自分の経験を基にした推測の連続であるため、受けとめ方が違ったり偏見が生まれたりする」ことを認識し、話し手へ配慮する姿勢も学んだそうです。これらは、ボランティアはもちろん、職場や地域での対話でも意識しているとのことです。
二人とも、学んだことをどのように所属団体や地域へ還元していくかをしっかり考えていました。また、これからの社会でユースが担う役割についても意見が交わされました。
岡山ESD推進協議会(岡山市市民協働局市民協働部SDGs・ESD推進課内)
担当:瀬戸井、蛭田
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