私たち日本人は、一人につき一日1キログラムのゴミを出しているといわれています。これが積み重なると、年間で一人365キログラム、家族で暮らしている場合家庭から1、2トンのゴミを出していることになるそうです。
リサイクルをはじめとする様々な活動が行われていますが、ゴミを減らすためには大量生産、大量消費、大量廃棄のサイクルを見直す必要があるといわれています。ESD実践演習」は、身近な暮らしの中から学生が好きなテーマを設定し、フィールドワークや調査を実施。それをもとに、大量生産、大量消費、大量廃棄を見直す楽しい提案を考え発表する授業です。
授業を通じ、学生たちは物事を多様な視点から考える力や、課題を捉え自ら対応策を考える力など、ESDを実践する上で必要な力を身につけています。「岡大古本市」
発表者:宇高秀和さん(岡山大学環境理工学部3回生)岡山大学環境理工学部で学ぶ宇高秀和さんは、大学内で上級生が使用した教科書を後輩に引き渡すしくみ「岡大古本市」について発表しました。
授業の期間だけ使われた後は、学生が卒業するとき一気に捨てられる教科書。ウッディボーイズとは、林業にふれる機会が少ない若者に対し、後継者不足や山林の荒廃など林業が抱える課題への理解を広めるために始まったプロジェクト。
2014年5月から5名の若者がチームを結成し、林業を体験しながら森林の持つ機能や環境保全の大切さを、Facebookなどで発信しています。また、岡山県内のイベントでオリジナルの歌と踊りを披露し、市民に対して環境保全に対する啓発活動を行っています。ほかの2名の学生からは、ペットボトルなどのゴミを減らすため、大学のカフェでマイボトル・マイカップの活用をすすめるという提案や、薬局で出される薬袋を減らすため、小学生に薬ケースを作ってもらい薬局で配布するという提案が発表されました。
それぞれの提案は、学生自身で調査を行い、友人や地域の方々にも協力してもらいながらつくったもの。どれも実現に向けた計画がしっかり立てられ、大量生産、大量消費、大量廃棄を身近なところから楽しく見直す魅力的な提案でした。3名による発表が終わった後は、グループに分かれてディスカッションが行われました。
「こうすればもっとエコにつながるのではないか?」
「こうすればもっと周囲に協力してもらえるのではないか?」岡山大学マッチングプログラム学部3回生 高崎安佑美さん
「いろんな立場の人の前で、自分が考えた提案を発表する。それだけでも緊張しちゃいました。しかし、いろんな立場の方からアドバイスや意見をいただいて、『もっとこうすればいいんだ!』と提案内容を見直したり、新しい刺激を受けたりすることができました。
また講義名にもある『ESD』に対して最初は難しいイメージを持っていましたが、提案を考える中で、『身近なところから気軽に実践できるものなんだな』と思うようになりました。これからの暮らしや大学での研究にも活かしていきたいと思います。」岡山市役所ESD世界会議推進局 原明子さん
最後に、授業を担当した原明子さんが感想を話されました。
「学生自身、この授業を通じて大きく成長しました。自分だけでなく友人や大学の先生、地域の方々と連携することで、いろんな意見や価値観を取り入れることができ提案が深まっていきましたね。ESDを実践する中でもこの連携はとても大切なもの。これからもいろんなことに活かしていってほしいですね!」岡山市ESD世界会議推進局 小西・友延
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