開催日時:2023年4月20日(木曜日)18時30分から20時
「NPO法人まんなか」は、閉園となった幼稚園を活用して子育て支援・多世代交流の場づくりをしています。現在は、子育て広場を中心に各種講座や座談会、マルシェなどを開催。「地域のえんがわのような場所になったらいいな」という想いで、身近に助けあえる地域づくり、多世代で子育てを担える地域づくりを目指しています。
岡田さんは以前から、岡山市には天候に左右されず室内で安全に遊べる場所が少ないと感じていました。二人の子どもたちが小さい頃は、自動車で20分かけて他市にある児童館へ遊びに行っていたそうです。
もう一ヶ所、よく子どもたちを連れて行っていたのが岡山市立旭竜幼稚園です。園児が帰ったあと地域の子どもたちや親子連れに園庭が開放されていて、「ここに行けば誰かと遊んだり喋ったりできる」場所だったのですが、2020年3月に閉園(岡山市旭竜認定こども園に移設)することになります。
そこで岡田さんは、「今までと変わらず、安全安心な場所で子どもたちをのびのびと遊ばせたい」と考え、ママ友と一緒に動き始めます。コミュニティハウスでの子育て広場運営などを経て、2021年4月、旧旭竜幼稚園で「岡山市旭竜子育て広場」が開設されました。
岡田さんの活動の原点には、出産後、近所に親類や知り合いがいない「アウェイ育児」で孤独を感じたこと、2018年の西日本豪雨災害時に近所のつながりの有難みを実感したことがあります。活動内容も、当初は乳幼児を対象としたものが中心でしたが、次第に地域での多世代交流へとうつっていきました。また、幼稚園の跡地を再び多世代で利用することは、地域に顔見知りが増え、防犯・防災の観点でも大きな意味があると考えています。
NPO法人まんなかでは、地域の方と一緒に園庭で花や野菜を育てたり、地元の消防団に協力を依頼して防災体験教室を開いたりしています。助産師・保健師など専門職の方、町内会の方、見守りボランティアなど、それぞれが自分の得意なことを生かして関わっているそうです。
地域の方たちは「何か手伝うことない?」と気にかけてくれたり、「孫は遠くに住んでいるから、ここで赤ちゃんを抱っこできて嬉しい」「子どもが遊ぶ姿を見ると元気になるよ」と声をかけてくれたりするとのこと。
岡田さんは、地域の方が草取りをしている横で子どもが虫を捕まえているというような、世代の違う人たちが自然に交流できる状況を目指しています。人・場所・地域が揃って初めて、まんなかの「地域のえんがわプロジェクト」だと思っているとのことでした。
現在、NPO法人まんなかの活動には公的補助や施設利用料の免除などはなく、民間の助成金とボランティアで成り立っています。岡田さんは、これからは給料・賃料等の活動費を自力で稼ぎ、まんなかの活動自体が持続可能なものになるようにしていくことが大切だと考えています。
「求められていること・自分たちができること・やりたいこと」を常に意識しながら、子育て当事者としての目線を忘れずに、今度はお母さんお父さんを少しでもサポートできるような活動を続けていきたいとのことでした。
数年後を見据えて段階的に着実に活動を広げている計画性と実行力に感嘆する声や、自分もボランティアとして関わりたいといった声が聞かれました。