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2024年度第3回ESDカフェ『「雄神みんなで学校ごっこ」がめざすもの』

[2024年7月31日]

ID:63293

  • テーマ:「雄神みんなで学校ごっこ」がめざすもの
  • 開催日時:2024年6月18日(火曜日)18時30分から20時
  • 開催場所:Wonderwall(岡山市北区駅前町1-8-18イコットニコット2階)およびオンライン(Zoom)
  • ゲストスピーカー:岡山市立西大寺公民館 館長 内田光俊さん・社会教育主事 村田憲治さん

公民館活動に関わりや関心を持つ人が多く参加した今回のESDカフェ。
それだけに、自分事として地域とのつながりをどのように考え、どのようにしていくか、和気あいあいとした雰囲気の中、熱心な意見交換で盛り上がりました。

スライド:ESDカフェレポート

「雄神みんなで学校ごっこ」をはじめたきっかけ

岡山市東区の西大寺学区には、4つの小学校区があります。雄神(おがみ)学区は西大寺公民館から一番遠い学区で、児童数も60名程度と少ない地域です。住民の方々と接する機会も少なく、地域コミュニティと公民館がつながるきっかけがないかと考えていました。
「公民館が地域にお邪魔して一緒に地域の未来づくりに関わりたい。何かできることはないか?」と、雄神学区のキーパーソンの方々に地域の現状について聞き取りを行いました。そこでわかったのは、地域の子どもたちを大切にしていること、一方で、将来の地域活動や伝統行事の担い手について心配をしていることでした。一方で、兵庫県播磨町で「みんなで学校ごっこ」という地域を盛り上げる活動を見に行ったことがある職員がいました。地域コミュニティの中で、小学生や地域住民が自ら「センセイ」となり、自分のできることを教えたり、「セイト」として体験したりと、楽しく学びあう取組です。
これを実施できればと考えながら、雄神学区コミュニティ協議会の場での「みんなで学校ごっこ」実施についての提案、小学校教職員への説明などを行いました。播磨町からゲストを招いて学習会を開いたり、現地に見学にも行きました。
雄神学区の方々は当初、「すごすぎて自分たちにはできないのでは?」という反応でした。しかし、話し合いを重ね、「自分たちにできることを持ち寄り、子どもたちと楽しむイベントをやってみよう」と、実施に向けて実行委員会を結成しました。さらに、公民館職員によるまちづくりプロジェクトが協力し、公民館との共催事業として、事務局を公民館が担当しました。

話を聞いている様子

「雄神みんなで学校ごっこ」準備と実施の様子

初開催に向けてセイト募集に奮闘

令和5年2月26日午前半日の「雄神みんなで学校ごっこ」初開催に向け、「センセイ募集」→「授業内容と時間割決定」→「参加者・ボランティア募集開始」→「センセイへの事前説明会」→「会場準備(旧雄神幼稚園)」→「みんなで学校ごっこ実施」と、準備の過程も盛りだくさんでした。コミュニティ協議会役員や中学生ボランティア、公民館職員がスタッフとして当日の運営を担いました。
センセイ募集では、「自分はこれなら教えられる、子どもたちと一緒に楽しめるものを提案してもらう」として地域住民に呼びかけました。小学生がセンセイに手を挙げてくれたのは、小学校の先生の熱心な誘いがあったからだと思います。
授業は3教室×3時限の9コマとしました。内容は、サッカー、卓球、マジック、英語の歌を楽しく歌おう、カローリング(床上カーリングのようなもの)、楽器演奏、小筆で名前を書こう、毛糸であそぼ、紙ヒコーキと多彩です。このうち3つは小学生、1つは高校生のセンセイでした。

スライド:実施の様子

実施日直前に参加申込が少ないことを知り、公民館を利用するクラブの参加者に声をかけたり、実行委員が参加の呼びかけに本気になって参加者を増やしてくれたりしました。
スタッフのこうした取組もあって、当日は想定外に満員となり、計126名(センセイ13名、セイト93名、スタッフ20名)の参加となりました。カランカランと昔の学校のように鐘を鳴らして授業の開始を知らせ、3時限参加したセイトには皆勤賞が贈られるなど、「学校」らしい仕掛けも取り入れています。
アンケートでは、セイトからは「楽しかった」「またやりたい」の声が圧倒的に多く、センセイからも「初めて教えてうまくいかないこともあったけど、楽しくできて良かった」という声が寄せられました。特にセンセイをした小学生については、この経験を経て自信をつけた様子が見て取れるという、小学校からの嬉しい報告もありました。

スライド:事業の成果

第2回はバージョンアップ

初開催の成功を受けて、第2回の開催に向けた準備が始まりました。アンケートを分析するとともに、学校ごっこに取り組む目的を改めて確認しました。
目的は以下のとおりです。

  • 子どもたちがやりたいことに挑戦でき、それを支える地域の理解と仕組みがある
  • 子どもたちが地域と人を好きになり、自分と地域の未来を重ねて考える
  • 新たな人が地域の活動に加わって力を発揮し、次の地域の担い手が育つ
  • 子どもの豊かな育ちを核とした雄神のまちづくりビジョンができる

この目的を念頭に、第2回「雄神みんなで学校ごっこ」を令和6年2月4日に開催しました。
第1回と同じく9コマの授業を実施しましたが、大きく変わったのは、隣のコミュニティ・ハウスのイベントと連携したことです。コミュニティ・ハウスでは、お昼に有名なセルフうどんが無料で振る舞われ、綿菓子コーナーも設置され、お昼をまたぐ時間設定にして、昼食を一緒に取ることでコミュニケーションがさらに深まりました。
受付にはボランティアの子どもたちの姿もあり、顔見知り同士で声を掛け合い、なごやかな雰囲気でした。授業の内容も新しく、魅力的なものを実施しました。ラジオ体操教室、バルーンアート、美味しいコーヒーの淹れ方、ミュージックベルコーナー、みんなで遊ぼう(鬼ごっこなど)、アロマセルフケア、モルック(木の棒を使ったボウリングのようなもの)、             プロの消防士さんによる防災教室などです。
参加者数は137名(センセイ18名、セイト109名(うち子ども66名)、スタッフ10名)でした。
既に第3回の実施も決まっています。子どもたちがやりたいことを地域の大人がサポートしながら、小学生から高校生が活動する矢掛町の「YKG60」の取組の見学も予定しています。

スライド:実施の様子

自分事としてどう関わる?

学校ごっこの紹介の後は、参加者一同での感想の共有や質疑応答の時間です。
「関わった人が楽しかったことがよくわかった」「子どもが、する側として参加していることが良かった」などの感想のほか、西大寺地区の福祉施設で働く参加者からは、「次回はぜひセンセイとして参加したい」といった声もあがりました。
「地域住民が主体的に関わることを促す仕掛けは?」「この取組を通して変わってきたことは?」などの質問も寄せられました。司会からも、「公民館の取組と聞くと、開催場所は公民館のことが多いイメージがある。公民館が館外に出て地域住民と活動するということもあるのか?」との質問がありました。
「雄神みんなで学校ごっこ」は、西大寺公民館から北へ約3kmに位置する旧雄神幼稚園で開催しています。「公民館という場所には固執せず、公民館がきっかけで地域活性化を図ることがねらいで、そのために公民館は何ができるかを考えて実施している」とのことでした。

最後に、参加者自身がセンセイになってできることを考え、発表しました。かけっこ、インスタグラム、百人一首大会など、個性豊かな回答がありました。
普段の暮らしの中で、センセイができるとはなかなか思えないかもしれませんが、いざ考えてみると何人ものセンセイになり得る人が地域にいること、自分自身もそのうちの一人であることがわかりました。
雄神学区は「みんなで学校ごっこ」を通じて、今後もさらに盛り上がりそうです。

発表している様子

リンク

お問い合わせ

岡山ESD推進協議会事務局(岡山市市民協働局市民協働部SDGs・ESD推進課内)
所在地:〒700-8544 岡山市北区大供一丁目1番1号
電話:086-803-1351・1354
ファクス:086-803-1777
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