ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

2025年度第3回ESDカフェ 「『こどもの権利』から考えるやさしい社会づくり ~こどもの笑顔が続く未来へ~」

[2026年1月7日]

ID:77765

  • テーマ:「こどもの権利」から考えるやさしい社会づくり ~こどもの笑顔が続く未来へ~
  • 開催日時:2025年12月10日(水曜日)18時30分から20時
  • 開催場所:杜の街ピクニックテラス(岡山市北区下石井二丁目10-25)およびオンライン(Zoom)
  • ゲストスピーカー:延藤 正己さん (岡山ユニセフ協会 運営委員)

誰もが存在は知っていながら、募金活動の印象が強く、その他の活動は意外と知られていない「ユニセフ協会」。今回のESDカフェでは、岡山ユニセフ協会の延藤正己さんをゲストに迎え、協会の地域での活動を紹介していただくと共に、現在、岡山ユニセフ協会が最も力を入れている「子どもの権利」について、ワークショップを通じて理解を深めました。

ユニセフの概要

ユニセフは「国際連合児童基金」という日本語名で、「世界中の子どもたちの命と健やかな成長を守るために活動している国際連合の機関」です。第二次世界大戦の終戦の翌年となる1946年に設立されました。戦争で住む場所や着るもの、食べるものがなくて困っている子どもたちを支援するためにユニセフは誕生しました。1946年設立当初の「United Nations International Children's Emergency Fund」の頭文字を取って「UNICEF」の愛称が定着したそうです。

ユニセフの目的と歴史

はじめにスピーカーの延藤さんよりご自身とユニセフに関する紹介がありました。「私の前職は中学校の社会科教師、授業の教材を借用するなど以前からユニセフと関わりがあり、現在は運営に関わっています。今日12月10日は1948年に制定された『世界人権宣言の日』です。この日にユニセフの話をできる事はとてもうれしいです。ユニセフは『子どもたちの命を守る』、『健康に育つことを守る』、『権利を守る』の3つを活動の目的としています。」

ゲストスピーカーの写真

続いて延藤さんから「ユニセフのイメージは?」との問いがあり、参加者から「途上国支援のイメージ」との回答がありました。しかし、ユニセフは途上国だけでなく、緊急性がある場合には先進国にも支援を行います。例えば、戦後の日本に脱脂粉乳の提供や東日本大震災でも支援物資の提供を行った実績があります。ユニセフの支援対象は18歳未満の子どもたちですが、自然災害、紛争など緊急性や必要性があれば、年齢に関わらずワクチンや薬などを配布することがあります。

ユニセフの支援は優先順位を決めて行われています。ウクライナ、ガザなどの紛争地域だけでなく、5歳未満の子どもの死亡率が高い国、国民一人当たりの所得の低い国、そして子どもの人口の多さなども考慮されます。「5歳未満児死亡率世界地図」をみると、死亡率の高い国の多くがアフリカ諸国であることが分かりました。

5歳未満の子どもが亡くなる原因として一番多いのが不衛生な環境や必要な医療を受けられないことによる出産前後の衛生の問題です。次に多い原因が肺炎です。栄養不良になってしまうと抵抗力が弱くなり、かぜが原因で肺炎を起こすそうです。その次は下痢による脱水症状です。水分や栄養が体内から出ていってしまい多くの子どもたちが命を失っています。安全な水が手に入らずに干上がった川の水たまりで汚れた水をくむソマリアの子どもの写真が紹介され、ユニセフでは、井戸を一緒に掘って安全な水を確保する支援を行っていることが紹介されました。それ以外にも、蚊を媒介して感染するデング熱やマラリアを予防するための「蚊帳」を送る支援もしているそうです。また、女の子がペースト状の栄養治療食を食べている写真が紹介され、1袋で500キロカロリーと必要な栄養が摂取できる「ミラクルフード」であるとの説明がありました。調理を行わず封を切ってそのまま食べることができ、常温で2年間も保存が可能なのでとても便利な支援物資となっているそうです。また、権利を守る活動として、学用品の支給や小学校を作る支援が紹介されました。

5歳になる前に命を失う原因についての円グラフ

ユニセフの活動資金

年によって変動がありますが、ユニセフ全体の総収入は、2024年が86億ドル、2023年は89億ドルで、日本円にすると1兆3千億円ほどになります。いただいた募金は、各国の国内委員会を通して、ニューヨークの本部に届きます。その使途は、現地の事務所と相談して決められます。

子どもの権利条約

「子どもの権利条約」は1989年に国連総会にて採択され、日本は1994年に批准をしています。その後、2023年にこども家庭庁が発足し、こども基本法が施行されています。そして、岡山市では2025年4月に「こどもの権利に関する条例」が施行されたことが紹介されました。

日本の子どもたちは幸福!?

ユニセフの調査では、日本の子どもたちの「身体的幸福度」は41か国中1位でしたが、「精神的幸福度」は36か国中32位であることが紹介されました。また、2024年時点で日本の小中学生の約35万人が不登校という現状を受け、岡山ユニセフ協会では、小学校から大学、市議会議員などを対象に子どもの権利について学ぶ「出前講座」を実施しています。授業では、「世界の子ども権利かるた」を用いて全40条から構成されている条例を子どもたちにも理解しやすい内容で伝えています。

☆ユニセフ子どもの権利条約サイト:https://www.unicef.or.jp/crc/card/別ウィンドウで開く
 ※「主語に注目して条文を読むと理解しやすい」との解説がありました。

☆世界の子ども権利かるた紹介サイト
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000085859.html別ウィンドウで開く

子どもの権利を考えるワークショップ

「世界の子ども権利かるた」のカードを抜粋した資料を基に4人グループで意見交換を行いました。

グループワークを行う様子

まず、資料から「自分が最も大切にしたい文章・子どもたちに伝えたい文章」を選び、その理由と合わせて意見交換を行いました。参加者から発表された意見を紹介します。

  • 選んだ文章「変な子じゃないよ これが私の個性だよ」
    理由「皆と一緒でないと個性が伸ばせない時代になっているから」

  • 選んだ文章「たすけてって誰でも言っていいんだよ」
    理由「言いたくても言えない子がいるから」
参加者が発表をする様子

次に、延藤さんより「子どもたちがこの条約を学ばずに育った場合、どのような社会をつくると思いますか?その理由とあわせて考えてみてください」との問いがあり、意見交換を行いました。

会場からは、

  • 人間を大切にすることを知らない、いじめや暴力があたりまえの世界になる
  • 搾取する側、搾取される側の格差が大きくなる。また、それに疑問をもたない社会になる
  • 大人になってから子どもの権利を学ぶと大人優先の社会になる
  • 実際に子どもの権利を学ばなかった子どもたちが、現在の社会をつくっているのではないか。
  • 子どもが守られすぎていると感じることもある。精神的に成熟するのだろうか?

などいろいろな意見が出ました。明快な「正解」が出せない問いに参加者は頭の「もやもや」を丁寧に言語化しながら発表されていました。

最後に延藤さんから「大人は子どもに戻ることはできない。子どもの心情や立場を想像することがとても大切で難しい」とのメッセージが伝えられました。

岡山ユニセフ協会のInstagramとLINEの二次元コードの写真




安直に自分の考えを押しつけたり、子どもの気持ちをわかった気になったりせず、誠実に子どもに向き合い、問い続け、考え続けることの重要性を再確認する、非常に有意義な時間を過ごすことができました。

お問い合わせ

市民協働局市民協働部SDGs・ESD推進課

所在地: 〒700-8544 岡山市北区大供一丁目1番1号 [所在地の地図]

電話: 086-803-1351 ファクス: 086-803-1777

お問い合わせフォーム