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2022年度第6回ESDカフェ「福祉業界にはコレが足りない!?藤花会が中高生への福祉教育を推奨するワケ」

[2022年12月1日]

ID:44284

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  • テーマ:福祉業界にはコレが足りない!?藤花会が中高生への福祉教育を推奨するワケ
  • 開催日時:2022年10月20日(木曜日)午後6時30分から午後8時
  • 開催場所:オンライン(Zoom)
  • ゲストスピーカー:社会福祉法人藤花会 杉山香織さん(採用・広報)、安井豊さん(理学療法士)

社会福祉法人籐花会が取り組む中高生への福祉教育等について話し合いました

藤花会とは

藤花会は、「地域の中で共に生きる」を基本理念に掲げ、瀬戸内市邑久町、岡山市東区西大寺で特別養護老人ホームなどを運営している社会福祉法人です。「藤花会のSDGs」を掲げ、特に中高生への福祉教育に尽力しています。おかやまSDGsアワード2021では、同会が行う「中高生への福祉教育~おかやま未来プロジェクト~」が「特に優良な取組」に選ばれました。

中高生への福祉教育

理学療法士の安井さんは、主にショートステイ利用者へのリハビリをしています。
100種類以上あるレクリエーションの中に、世代間交流、SDGsや環境教育、平和教育など社会貢献につながる活動を取り入れています。

その中から、世代間交流を中心にお話をしていただきました。

コロナ禍前、安井さんが中学生25人に高齢者施設のイメージを尋ねたところ、「元気がない」「職員が忙しそう」などといった意見の他に「どんなところか分からない」という声が多く聞かれました。そこで、まずは施設について知ってもらうことが大切だと考え、交流に力を入れました。

コロナ禍で、高齢者は施設外の人とのつながりが希薄になり、中高生も学校以外で大人と接する機会が減ってしまいました。現在は、直接の交流は難しくても、交流を途絶えさせないようにオンラインで交流を続けています。

交流を通して、子どもたちも「施設は意外と楽しそう」「自分たちの発表を見てもらえてよかった」と感じていて、交流後は「介護のイメージがよくなった」という声が増えたそうです。高齢者、子どもたち、職員それぞれにとって意義のあるものになっています。

世代間交流に取り組むメリットとして、高齢者向けには心身の健康向上・うつ症状の改善が考えられます。子供向けには他者への思いやりやキャリア教育の効果が見込めます。その他に地域貢献・社会的意義の再確認というメリットが考えられます。
コロナ禍へ取り組む理由として施設外の人との関わりが希薄であったり、教育現場では福祉のことを知る機会の減少、その他に経済活動の縮小やコミュニケーションの減少。これらを改善する目的で取り組んでいます。

家族の介護や看護をするために仕事を辞めなければならない介護離職者は、年間に10万人以上(2019年厚生労働省)いるそうです。藤花会では、介護離職を減らすためには福祉施設を機能させることが重要で、それには介護人材を確保する必要があり、そのために中高生への福祉教育が必要不可欠だと考えています。介護離職を減らすことができれば、SDGsの目標「8.働きがいも経済成長も」「11.住み続けられるまちづくりを」につながります。

具体的な取り組みの事例として岡山県立瀬戸南高校ではZOOMを使用したオンライン交流会を行いました。
介護離職者の増加が課題となっており、離職者数は年間で10万人以上(2019年厚生労働省調査)です。これにより付加価値損失は年間6500億円(2018年経済産業省調査)になります。老人ホームを機能させ日本の労働人口を確保することや、介護人材を確保するために子供たちへの福祉教育の充実を図ることがSDGsの視点として今後の課題となります。

福祉業界にはコレが足りない!?

続けて、杉山さんを中心に福祉業界を取り巻く状況について話し合いました。

  • 労働環境、賃金など国の政策が整っていない
  • 閉鎖的で地域との交流がない(福祉業界で働く参加者より)
  • 自分たちの取組を発信していく力が弱い(福祉業界で働く参加者より)
  • 働き続けるうえでの成功事例が見えないので、憧れる存在が必要
  • 高齢者施設や介護職に触れる機会がないので、就職の際の選択肢にならない
  • やりがいや楽しさだけでなく、人の最期に寄り添う介護職員の話も中高生に伝えてほしい

など様々な意見が出ました。また、それに対する質問も飛び交い、活発な意見交換がなされました。

中高生への福祉教育を通して介護職に就きたい人を増やすことが介護離職を減らす、そしてそれが持続可能な社会へつながっていくとのお話が印象的でした。

ESDカフェ お問い合わせ

岡山ESD推進協議会事務局(岡山市市民協働局市民協働部SDGs・ESD推進課内)

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