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2023年度第9回ESDカフェ「視覚障がい者による運動 ~ヨガをとおしてサポート&環境整備を学ぶ~ 」

[2024年5月16日]

ID:60416

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  • テーマ:「視覚障がい者による運動 ~ヨガをとおしてサポート&環境整備を学ぶ~」
  • 開催日時:2024年1月17日(水曜)18時30分から20時
  • 開催場所:Wonderwall(岡山市北区駅前町1-8-18イコットニコット2階)またはオンライン(Zoom)
  • ゲストスピーカー:太田 千穂 さん(NPO法人リトル・サン)

ヨガを通して視覚障がい者に運動の機会を

太田さんは、岡山ESD推進協議会「ユース活動支援助成金」を活用し、視覚障がいに特化したヨガを全国展開している団体のヨガ講座を視察に行きました。そこで学んだサポートの仕方や、安全・安心に運動するための環境整備をご紹介します。

NPO法人リトル・サン

NPO法人リトル・サン代表の杉山さんに、団体の概要についてお話を伺いました。ヨガ等の運動を継続することは、当事者の自主性・主体性の向上が図られるという効果があります。リトル・サンは、障がいのある方及びその家族などサポートに関わる方の、定期的な運動(動く事)の機会とプログラムを提供することで、自己実現を含めた当人らしい生き方を応援しています。
対象者は、主に成人以降の障がいのある方です(肢体不自由・知的障がい等)。定期講座に加え、普段と違った環境・メンバーでのイベントも開催しており、運動のきっかけ作りや場所の提供などを通じて、障がい者と家族の心身の健康作り・健康維持に貢献できる活動を目指しています。

2006年に活動をスタートし、2021年にNPO法人化。視覚障がい、身体障がい、精神障がい、発達障がいのある方や、様々な難病の方も一緒にヨガをするクラスを実施するほか、手話通訳の方が入って聴覚障がい者向けのヨガをすることもあります。知的障がい者・肢体不自由者の方の施設でも教室を定期開催。リトル・サン主催の定期講座では、ヨガを通じて、多様な方とふれあえるよう広く参加者を募集する等工夫しながら運営しています。
運動できる場所が定期的に設けられていること、またそれが継続していくことは、障がいのある方にとって非常に重要です。対象者にあわせたヨガを行い、マットに横になってヨガをすることが難しい方には、車いすのままヨガができるようなメニューも用意しています。介護者・保護者の会を対象とした支援者向けのヨガも実施しています。

発表している様子

障がい者にも運動機会を

杉山さんは、子どもが病弱で育児のストレスを感じていた際、ヨガのDVDに出会い、痩身とストレス軽減の効果を実感したそうです。さらにその後大きな病気をし、それを食事療法等で克服することで人生観が変化。それを機に、人の役に立つ仕事をしたいと思い立ち、福祉施設で勤務を始め、支援の仕事をする中、施設入所者の健康づくりをしたいと考え、マットピラティスを一から勉強したそうです。インストラクターの資格取得後、入所者さんを対象に、ピラティスやヨガを教えることに。体が自由に動かせなかったり言葉も自由に発せなかったりする入所者さんにヨガを教えることは難しかったけれど、大変やりがいのある仕事であったとのお話でした。体力的な問題により施設を退職してからも、現在まで継続し、障害のある方にヨガを提供しています。様々な障害種別の方へヨガを提供する中、視野欠損の方との出会いをきっかけに、視界や視覚等について勉強しながら、当事者が分かりやすく動きやすいヨガを目指してきたとのこと。全盲の方が聞いても、みんなと同じ動きができるよう、動きをどのようにお伝えするのかなど、工夫を重ねているそうです。

発表を聞いている様子

神戸でのヨガ講座体験(岡山ESDプロジェクト ユース活動支援助成金交付事業)

リトル・サンの太田さんは、2022年12月10日、神戸市立総合支援センターへ「チャレンジド・ヨガ」(視覚障がい者対象の椅子ヨガ)を視察、体験に行きました。このヨガ講座の特徴は以下のとおりです。

  1. ゆっくり!安全に!そして楽しく!をモットーに、3ステップでサポーターさんとインストラクターと練習しながらポーズを理解してもらう。
  2. 障がい者向けのポーズではなく、世界共通のヨガのポーズをお伝えする。
  3. ヨガの動きが違っているところがあれば、サポーターさんが個別にお伝えする。

ヨガの内容だけでなく、運営上にも様々な工夫がありました。

  1. インストラクターの声が聞こえる環境作りを心がけているため、クラスでは基本的に音楽は使用しない。
  2. ロービジョン(弱視)の方に見えやすいと言われる、色のコントラストがはっきりしたヨガマットやヨガウエアを使用する。
  3. 椅子に名前が表示してあり、支援者が誘導することで受付での混雑を解消。

視察先の崎元さん(チャレンジド・ヨガ 神戸クラス)もオンラインで参加してくださっていたので、詳しくお話を聞きました。埼玉県所沢市で生まれた一般社団法人チャレンジド・ヨガは、現在全国27カ所に組織展開。ヨガを通じて、障がいへの理解を深めたり、交流の場を提供したり、また、必要なサポートとは何かを学び取ることができるような組織ということです。

視察時のヨガは47人参加。参加者が会場の雰囲気や規模について理解しやすいように、必ず全員に発言してもらう機会を設けているとのこと。始まる前に交流の時間をしっかり設けることで、リラックスできる場づくりの実現に繋がっており、「自分の居場所」と思える環境づくりに力を入れてきた結果、継続的な参加者が多いそうです。

ZOOM画面の写真

参加者の声

岡山県視覚障害を考える会の方がオンライン参加しており、その方より活動に関する情報提供がありました。岡山県視覚障害を考える会では、「人が集まってお話をする交流会を開催したり、講演会を実施したりしている。実感として、みなさん集う機会を求めていると思う。視覚障がい者向けのヨガ、マラソン、クライミングの紹介等をしているが、運動の機会に当事者を誘導できるように、どのような工夫が必要か模索している」とのお話がありました。同じくオンラインで参加された岡山県視覚障害者協会青年部の方は、「実際に定期的にリトル・サンのヨガ教室に参加している」とのこと。「常連さんもいてなごむ場であり、ヨガは良い運動になって楽しい」という感想も聞かれました。
太田さんは、「リトル・サンのヨガ教室も参加者同士の交流ができる温かい場となることを目指している。当事者の声を聞き、関係団体と情報共有しながら、活動を継続していきたい」と語りました。

みんなで椅子ヨガを体験!

カフェの最後に、参加者みんなで椅子ヨガを体験する機会が設けられました。
杉山さんの声のトーンの心地よさや的確な動きの指示に導かれるうち、自然と目を閉じリラックスしていました。反面、椅子ヨガは、たった2から3分体を動かしただけで汗ばんでくるような良い運動でした。カフェの中でのお話にもありましたが、どのように動けばよいか、目を閉じていても分かりやすく指示があり、ただただ杉山さんの声に身を委ねていればよい、心地よい時間となりました。

座ってヨガをしている様子
マスコットキャラクターの画像


この活動に、岡山ESDプロジェクト ユース活動支援助成金が活用されているよ!
岡山ESD推進協議会では、ユース・人材育成を重点取組の一つとして、35歳以下のユース世代の人材育成に力を入れているんだ。詳しくは、ホームページを確認してね。

リンク

お問い合わせ

岡山ESD推進協議会事務局(岡山市市民協働局市民協働部SDGs・ESD推進課内)
所在地:〒700-8544 岡山市北区大供一丁目1番1号
電話:086-803-1351・1354
ファクス:086-803-1777
電子メールアドレス:esd@city.okayama.lg.jp