岡山でおなじみの桃太郎。駅前に桃太郎の像があったり、大通りや施設名に桃太郎にちなんだ名前がつけられたりと、私たちの身近なところに桃太郎があふれています。今回のESDカフェの講師は、おかやま桃太郎の会事務局長をつとめながら、岡山シティミュージアム映像ディレクターとしても活躍されている古川克行さん!桃太郎の歴史や「温羅伝説※」について紹介しながら、岡山と桃太郎のつながりについてひも解いていきました。
※温羅伝説:岡山市北区にある吉備津神社に伝わっている伝説。朝鮮半島から日本へ渡来した温羅が、吉備の国を支配していた。吉備津彦命は温羅退治を大和朝廷から任命され、激闘の末に温羅を鎮めたとある。
岡山が桃太郎伝説の舞台であると最初にいわれたのは、1930年(昭和5年)のこと。彫塑士※の難波金之助さんが岡山に古くから伝わる「温羅伝説」が、桃太郎伝説のモデルではないかと考えたことがきっかけでした。この考えをもとに、難波さんは伝説に関係する土地を訪れ、調べを進めていきました。そして次のような考えにたどりつき、「桃太郎の史実」を出版。当時全国的にも注目を集めたのだそうです。
※彫塑士:彫刻と塑造を職業とする人。塑造とは、クレー・モデリングと呼ばれる粘土で造形する技法のことである。
その他、岡山県総社市にある血吸川や鬼之城、倉敷市にある鯉喰神社などが桃太郎伝説のモデルとなった史跡であると難波さんは考えたのでした。
今回のESDカフェで配布された「おかやま桃太郎ものがたり“吉備津彦と温羅”」。
温羅伝説を楽しみながら学ぶことができます。岡山駅地下のももたろう観光センターなどで配布されています。詳しくはおかやま観光ネットのページ別ウィンドウで開くをご覧ください!さらに物語をもとに動画も制作しました。こちらからご覧いただけます!
桃太郎伝説の舞台だったといわれる地域は、岡山だけではありません!日本全国8つの地域で、桃太郎にまつわる伝説や史跡が残っています。その中でも、岡山県、香川県、愛知県が代表的な土地であるとされています。
古川さんは、映像をまじえながらそれぞれの地域について紹介していきました。
8つの地域で伝わる伝説に違いがあったり、地域の人が桃太郎とまちづくりを結びつけて様々な取り組みを行っているところもあるのだそうです。ESDカフェの参加者たちは、岡山とのちがいにおどろきながらも、ワクワクした表情で話に聞き入っていました。
桃太郎について学んだあとは、参加者たちの間で桃太郎をもとにした岡山の観光PRについて熱いトークがくり広げられました!桃太郎といえば、岡山駅前にある桃太郎像が有名ですね。1962年(昭和37年)に岡山で国体が開かれたことがきっかけで、駅前に像がおかれました。現在の像は、2代目にあたるとのことです。
駅前だけでなく、新幹線を降りてすぐのところに桃太郎の像をおくなど、桃太郎をよりPRするための様々な意見が飛び出しました。中でも岡山は他の地域と比べたときに、若い世代にも親しみやすいPRを行っていることに参加者たちは気づきました。
岡山市でも、「桃太郎のまち岡山別ウィンドウで開く」、「伝説の岡山市」など、桃太郎に結びつけたPRを積極的に行っています。また、温羅をモチーフにした、岡山を代表する夏のイベント「うらじゃ」が若い人の間で親しまれるなど、新しい文化の中にも桃太郎が根づいています。今後も様々な形で、桃太郎に注目が集まっていくのでしょう。
このように、私たちが暮らす岡山と桃太郎のつながりについて学んだり、他の地域と比べたりすることで岡山の魅力を再発見するきっかけにもなります。そして子どもたちや県外に向けて、どのように伝えていくかを考えることもESDにつながっていくのです。
「ESDおすすめ観光スポット」では、桃太郎伝説にゆかりのある吉備津神社について紹介しています。ぜひご覧ください!
初めてESDカフェに参加した方へお話をきいてみました!
「桃太郎伝説が他の県にも伝わっていることや、岡山とはちがったまちづくりなどの取り組みがあることにおどろきました。いつも環境学習センター『アスエコ』の前を通るたびに気になっていたのですが、思い切って参加してよかったです!」
このように、ESDカフェでは、初めての人でも気軽に参加できる場となっています。
次回のESDカフェは、2014年3月20日(木曜日)午後6時30分より環境学習センター「アスエコ」にて開催します。いつもおいしいコーヒーを準備してお待ちしています。お気軽にご参加ください。
岡山市ESD世界会議推進局 小西・友延
電話:086-803-1354
電子メールアドレス:miki_konishi@city.okayama.lg.jp