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第7回ESDカフェ(2014年度)

[2015年3月16日]

ID:38231

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  • テーマ:岡山に学び、岡山に返す~世界を舞台に、身近なところから一歩ずつ~国際医療勉強会ILOHA
  • 開催日時:2015年2月19日(木曜日)午後6時30分から午後8時
  • 開催場所:環境学習センター「アスエコ」(岡山市北区下石井2-2-10)
  • 講師:国際医療勉強会ILOHAで活動する学生

第7回ESDカフェ

岡山で「国際医療」をキーワードに活動しているといえば、どんな団体が思い浮かびますか?
国際的な医療支援を行うNPOや中山間地域の医療を支えるお医者さんがおられたり、勉強会やシンポジウムなどが開かれています。
しかし、活躍しているのは、現役のお医者さんだけではありません。若者の活動も熱いのです!

第7回ESDカフェは、国際医療勉強会ILOHA(イロハ)で活動する学生が、国内外での取り組みを通じて学んだことについてお話しました。

国際医療勉強会ILOHAとは??

ILOHAの学生

国際医療勉強会ILOHA(以下、ILOHA)とは、2012年に岡山大学医歯薬学部の学生が中心となって始まった学生団体です。発足以来、「岡山で学び、岡山に還す~世界を舞台に、身近なとこから一歩ずつ~」をテーマに、様々な活動を行っています。

「ILOHA学びサイクル」

ILOHAは、次のような「ILOHA学びサイクル」をもとに活動しています。

  1. 一年ごとに設定したメインテーマをもとに、週に一回の勉強会を開催。
  2. 勉強会を通じて学んだことを深め、実際に「感じる」研修を実施。
    研修は国内外問わず行っており、これまでカンボジア、東京、釜ヶ崎などを訪問しました。
  3. 勉強会を通じて学んだこと・研修で感じたことをもとに、「自分たちができること」を考え行動していく。
  4. 1.に戻る

ILOHAの学生たちはこのサイクルを回していくことで、「国内外の社会問題について学び、解決に向けて考え行動する」ことを経験していきます。この過程を通じ、物事を多面的に見る力や、ゼロからプロジェクトを企画し周囲とうまく連携しながら推進していく力など、社会に出てからも役立つ力を身につけているのです。

’What is your standard?’

今回のESDカフェでは、岡山大学医学部と教育学部の学生が2014年度の活動事例を紹介しました。

ESDカフェの様子1

2014年のメインテーマは、'What is your standard?'。
ILOHAの学生たちは、「医療・宗教・ジェンダー」をテーマに取り組んだ2013年度の活動を通じて、「いろんな国の基準(standard)を学びたい」という思うようになったそうです。
そこでフィールドをフィリピンに定め、2014年前期は宗教や衛生問題、教育などフィリピンを取り巻く様々な社会問題について学びました。夏休みには4名の学生がフィリピンを訪れ、そのリアルな状況を見て、聞いて、様々なことを感じたのでした。

フィリピンでの研修

フィリピンでの研修の様子

学生たちはフィリピンに一週間滞在し、フィリピン大学や病院、廃棄物が積み上げられたゴミ山などを訪問しました。

そこで学生たちは、ゴミ山で廃棄物を拾って生計をたてる人々(スカベンジャー)に出会いました。
中でも驚いたのが、ゴミ山に囲まれた環境の中でも子どもたちの表情が活き活きと輝いていたこと。また、スカベンジャーを親に持つ子どもたちの将来の夢が、「スカベンジャーになること」だということにも衝撃を受けたといいます。

ゴミ山の様子
フィリピンで行った研修の様子

子どもたちを取り巻く現状を目の当たりにした学生たちは、「本当の豊かさとは何か」について考えました。

教育を十分に受けることができず、ゴミに囲まれて暮らすことは、衛生面・健康面から考えても決して豊かであるとはいえないかもしれません。しかし、そんな中でも活き活きとした表情で暮らす子どもたちの心は、先進国で暮らす自分たちよりも豊かではないといえるのか・・・・。

学生たちは様々な視点から子どもたちの現状を見つめるうちに、自分の中の「standard」がくつがえされていくことを実感したそうです。
そしてフィリピンでの研修をもとに、学生たちは子どもたちを取り巻く「環境」に着目するようになり、2014年後期の勉強会ではゴミ問題や公害などについて学んでいます。

活動紹介の後は・・・・

ESDカフェの様子2

ESDカフェの参加者たちは、ILOHAの活動にただただ感銘を受けるばかり。活動紹介が行われた後は、全員で輪になって感想を話し合ったり、ILOHAの学生たちに質問したりしました。

ESDカフェの様子3

まず飛び出したのが、「なぜ医者になろうと思ったの?」という質問。彼らはそれぞれが持っている経験や思い、エピソードなどをもとに、丁寧に語ってくれました。
そして、「ILOHAを通じて、自分の中で変化したことはありますか?」という質問では、「相手の立場にたってものごとを考えられるようになった」、「自分の意見をしっかり伝えられるようになった」、「どんなことも多面的から考えようとする姿勢が身についた」など、自分自身の成長についても実感しているようでした。

ESDカフェの様子4

どの質問にも、等身大の言葉で一生懸命語る彼らの姿はきらきらと輝いていました。

「岡山に還す」のこれからの展開

これまでILOHAの学生たちは、シンポジウムや事例発表会などの場を通じて、ILOHAの活動や自分たちの学びを広く発信してきたそうです。
しかし、学生たちの中で「岡山に還すことができた」という実感をなかなか得ることができず、もやもやとした気持ちを抱えていたのだそう。そんな学生たちに対して、参加者の一人が話したのは「小学生や中学生に対して、ILOHAの活動を紹介してみてはどうか?」ということでした。

将来の夢に向かって勉強に励む学生の言葉は、年の近い子どもたちの心にまっすぐ届くのではないか。
医療などの専門分野を飛び出し、国内外を問わず様々な場を通じて自分を成長させる学生の姿は、子どもたちに驚きと感動を与え、視野を広げてくれるのではないか。

ILOHAの活動を通じて学んだことを、「教育という形で岡山に還す」という新しいアイデアに、学生たちも刺激を受けたようでした。
今後もILOHAの活動は、Facebook別ウィンドウで開くなどを通じて発信されていきます!彼らの今後に期待が高まりますね!

過去の活動については、「ESDリレーコラム」でも紹介しています。ぜひご覧ください!

お問い合わせ

岡山市ESD世界会議推進局 小西・友延
電話:086-803-1354
電子メールアドレス:miki_konishi@city.okayama.lg.jp