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2023年度第6回ESDカフェ「ESDの視点を取り入れた 環境学習の推進 ~アウトプットからアウトカムへ~」

[2024年3月13日]

ID:58227

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  • テーマ:ESDの視点を取り入れた環境学習の推進~アウトプットからアウトカムへ~
  • 開催日時:2023年10月19日(木曜日)18時30分から20時
  • 開催場所:Wonderwall(岡山市北区駅前町1-8-18イコットニコット2階)またはオンライン(Zoom)
  • ゲストスピーカー:中平 徹也さん(環境カウンセラーズおかやま  事務局長)

世界の環境を見にいく

今回のゲストは、環境カウンセラーズおかやま事務局長の中平徹也さんです。会場には環境に関わる市民団体の方や大学生13名が集まり、環境教育のその先を考えました。

中平さんは、環境学習センター「アスエコ」の初代センター長、津山圏域クリーンセンターリサイクルプラザ所長、岡山県地球温暖化防止活動推進センター事務局長を歴任され、現在は環境カウンセラーとして、環境学習の出前講座の講師などをされています。

ちなみに、このESDカフェは中平さんが所長をされていた「アスエコ」で始まりました。

講座の様子

百聞は一見に如かず。中平さんは、本を読んだり人から話を聞いたりするだけでは分からないと考え、様々な国・地域を実際に訪れ、自分の目で見て体験して、環境問題を自分ごととして捉えるようにしているそうです。

始めに、これまでに(有給休暇をとり自費で)訪ねた世界各地の様子を紹介してくださいました。

ツバル

ツバルは南太平洋に浮かぶ島国で、地球温暖化の影響で国土が海に沈むといわれています。

中平さんは、地元の子どもの「島は今すぐには沈まない。でも将来は沈むかもしれない。ツバルの人々は自然とともに暮らしており、CO₂を排出するような暮らしはしていない。CO₂を排出しているのは先進国だ。ツバルが沈むかもしれないとき、先進国の人々は私たちに何をしてくれるのか」という言葉に胸を痛めました。そして、自分に何ができるか考え、「日本に帰って、日本人がCO₂を減らす努力をするように環境学習を推進する」と決めたそうです。

モンゴル

国の南半分にゴビ砂漠が広がっているモンゴル。カシミア山羊の過放牧による砂漠化が深刻な問題となっています。山羊は、表面の草だけでなく根っこまで食べるので、山羊が周辺の草を食べたあとは草がなくなり、水がなくなり、砂漠化が進みます。こうして育てたカシミア山羊は、日本や世界のアパレルメーカーがセーターの原料として買っています。モンゴルの地域住民は山羊のセーターを着ることはありません。

このように、モンゴルの環境問題が日本の暮らしとつながっています。

ブータン

「世界一幸せな国」と言われているブータン。国民の98パーセントが幸せと感じているそうです。国民は自然と調和した暮らしを求めていて、政府は、自然を守らないと伝統を守れないと考えているとのこと。
たとえば、ある村では、毎年エベレストを越えて飛来する鶴がひっかからないように、電柱は地下に埋められています。

中平さんが「あなたが幸せを感じることは?」と尋ねてみると、「自分以外の誰かが笑顔でいてくれれば、自分も幸せ」という人がとても多く、他の人が笑顔でいるためにはどうしたらよいかを考えているそうです。中平さんは、これこそが他人ごとを自分ごととして考えること、他者に対する思いやり・想像力だと感じ、また、日本は幸せな国だからこそ何ができるか考え続けているとのこと。

他に、ドイツのコンパクトシティの取組などを紹介していただきました。

環境学習

続いて、環境学習の話へ移ります。中平さんが津山圏域クリーンセンターに勤務しているとき、多くの小学生が施設見学へ訪れていました。ビデオを見て説明を聞き、施設を見学したあと、質問をして、感想を書いて帰ります。もともとは、ほとんどの児童が「大きな機械があってすごかった」などといった感想を書いていました。

これでは自分ごとにならない、行動が変わっていかない、と感じた中平さんは、小学校で予め説明ビデオを見てきてもらうようにし、そして施設見学時には「持続可能な社会」についての学びの時間を作るようにしました。すると「ごみを減らすために3Rをしっかりする」など、子どもたちの意識が大きく変わったのです。

このように、環境学習は一定の成果を残すことができました。子どもたちは「自分たちが何をすべきか」と考えるようになり、行動も変わりました。中平さんは、環境のことを「知らない人」は「知っている人」に、「知っている人」は「行動する人」に、「行動する人」は「より多くの時間を割く人」にステップアップしてほしいと、環境教育を続けています。

果たして、社会は変わったのでしょうか。環境教育によって種をまき、出た芽を大きく育て、木は育ったけれど実がならない。今、中平さんはジレンマを抱えています。

グループワーク

6人くらいのグループに分かれて「環境学習で実がなるための方法」を話し合い、「企業を巻き込む」「お金を出す」「選挙に行って社会を変える」などといったアイディアが出ました。
次に、出たアイディアの中から「どうしたら若い世代が選挙に行くか」を考えて、WEB投票できるようにする、人口の差に合わせて若い世代と高齢者の票の重みを変える(高齢層1:若年層3など)など、活発に意見が交わされました。

グループワークの様子

お問い合わせ

岡山ESD推進協議会事務局(岡山市市民協働局市民協働部SDGs・ESD推進課内)
所在地:〒700-8544 岡山市北区大供一丁目1番1号
電話:086-803-1351・1354
ファクス:086-803-1777
電子メールアドレス:esd@city.okayama.lg.jp