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障がい者が運動する為に必要なサポート・環境整備とは

[2023年3月24日]

ID:48266

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「ユース活動支援助成金」事業報告(NPO法人リトル・サン 太田千穂)

NPO法人リトル・サンの活動について

NPO法人リトル・サンは、障がいのある方及びその家族等サポートに関わる人に、定期的な運動(動く事)の機会・場とプログラムの提供をしています。運動継続の効果として当事者の自主性・主体性の向上が図られる事で、自己実現を含めた当人らしい生き方を応援する事を目的として活動しています。

チャレンジド・ヨガ(主に視覚障がい者の方を対象とするヨガ)神戸クラスに参加したきっかけ

当法人には、様々な障がいを持っている会員が多数在籍しています。今回は「視覚障がい」に重点をおき、目が見えない方や重度の障がいを抱えている方々にヨガ講座を提供するにあたって、今以上に必要なサポート体制や環境作りを学びたいと思い、参加しました。他団体での取り組みを参考にし当法人に取り入れる事で、より多くの方に参加・継続してもらえる事に繋がるのではないかと考えました。

視察・研修内容について

2022年12月10日、神戸市立総合福祉センターにて、チャレンジド・ヨガ神戸クラスに参加しました。

会場設営や運営方法で、工夫されている点がいくつもありました。

  • 会場の設営について、事前に椅子を並べて間隔を十分に取った上で、参加者か同伴者かを区別できるようにするため色分けをした名前テープを貼っていた。
  • サポーターの役割が決められており、現場での混乱がなく参加者のスムーズな入室・参加ができていた。(受付・検温・消毒を行う係、席まで誘導する係、季節に合わせた殺菌効果のあるアロマを作成する係など)
  • 自己紹介・交流会の時間をたくさん設ける事で、お互いの特性や必要なサポートを理解し合える。
  • 受講中、視覚に障がいがある事で動きが違った場合、サポーターが体に触れる時に一言声掛けをした上で動きが合わせられるよう誘導していく。
  • 部屋は明るいままにし、BGMなどの音源は使用しない事で、講師の声がより参加者に届きやすい環境を作っていた。
  • 重度障がいの方が椅子から下りてもヨガを行えるよう、マットを準備していた。
ヨガをしている様子
スタッフがヨガのサポートをする様子

また、スタッフの方からお話を聞く事ができました。

椅子ヨガを選考した理由として、

  1. 視覚障がいの方が椅子ヨガ中、立つ動きの時に椅子を持つ事で安心感があり、椅子が支えになる事。
  2. マットヨガより椅子ヨガの方が、参加者同士の間隔を保ちやすい。
  3. 車椅子の方や腰痛のある方でも参加(動き)しやすい。
  4. コロナウィルスは下に落ちると当初聞いていたので、椅子ヨガであれば安心感があると考えた。
ヨガのレッスンを受ける参加者

学び

今回チャレンジド・ヨガに参加して、リトル・サンの活動を持続し広める事で、たくさんの方へ運動提供する事がどれだけ必要であるか改めて知る事ができました。ホームページや写真・動画だけでは伝わりにくい、講座前後の参加者同士の貴重な交流時間や、サポーターと協力して行う設営や雰囲気などの環境作りなど、様々な場面で参加する側としての安心感や楽しさを感じられました。障がいの有無に関係なく、同じ空間で同じ時間を過ごすことの楽しさを知ってもらう事で、参加・継続してもらえれば、定期的な運動となり、身体機能の維持にも繋がっていくのではないかと思いました。

スタッフや参加者の集合写真