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♯27「『ユネスコスクール世界大会』開催報告その1」

[2015年2月18日]

ID:38342

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ユネスコスクール世界大会の概要

ユネスコスクール世界大会の様子

2014年(平成26年)11月6日(木曜日)から11月8日(土曜日)までホテルグランヴィア岡山と岡山大学を会場に「ユネスコスクール世界大会」が開催されました。
「ユネスコスクール世界大会」は、「高校生フォーラム」「教員フォーラム」「ユネスコスクール全国大会」の三つで構成されていました。それぞれの会議についてお伝えします。

そもそもユネスコスクールとは、ユネスコ憲章に示されたユネスコの理念を実現するため、平和や国際的な連携を実践する学校のことをいいます。文部科学省及び日本ユネスコ国内委員会では、ユネスコスクールをESDの推進拠点として位置付けています。

高校生フォーラム

開催日程:2014年11月6日(木曜日)から11月7日(金曜日)
開催場所:ホテルグランヴィア岡山

高校生フォーラムには、世界中から31チームと日本国内から各地域の代表9チームの合わせて40チーム(1チームは、生徒4名と引率教員1名)200名と、運営スタッフとして参加した岡山・大阪の高校生・教員・大学生スタッフ600名、そしてオブザーバーを合わせた約900名が参加しました。
フォーラムではESDをテーマに議論し、「ユネスコスクール世界大会Student(高校生)フォーラム共同宣言」をまとめました。なんといってもこの会議の特徴は、会議の運営を高校生自身が『手作り』でつくり上げたことにあります。

プレゼンテーション

プレゼンテーションの様子1
プレゼンテーションの様子2
プレゼンテーションの様子3
プレゼンテーションの様子4

参加した各チームがこれまでに取り組んできたESD活動について報告しました。参加した国により、抱えている課題やその解決に向けた取り組み方もいろいろで、多様な文化・価値観にふれる貴重な体験となりました。

テーマ別ディスカッション

テーマ別ディスカッションの様子1
テーマ別ディスカッションの様子2
テーマ別ディスカッションの様子3
テーマ別ディスカッションの様子4

各チーム2名ずつに分かれ、以下の二つのテーマ別にディスカッションが行われました。

【ディスカッションA】
「日常生活や社会において持続性を阻害しているものは何か」

【ディスカッションB】
「持続性を促進するために重要なものは何か」


ディスカッションAでは、「若者の意識が低い」「地域でのコミュニケーションが少ない」「貧困による教育などの様々な格差」「問題に対する優先順位がきちんと整理されていない」など現代社会が抱えている問題に対し、高校生ならではの鋭い視点での意見が数多く出されました。
ディスカッションBでは、「国を越えた人々のつながり」「文化を継承する努力」「将来に目を向けていること」「物事に対する責任感」「世界の一員だという意識」など多様でグローバルな視点での意見が数多く出されました。

全体ディスカッション

全体ディスカッションの様子1
全体ディスカッションの様子2
全体ディスカッションの様子3

全体ディスカッションでは「持続可能な社会や未来を創るためにASPnet※の高校生として共に目指すべきものは何か」をテーマに活発な意見交換が行われました。「若者たちが責任感を持つこと」「すべての人が教育を受けられる社会」「みんなに平等なチャンスが与えられること」「一人ひとりが自分たちの力に気づくこと」「将来の夢を持ちどのように貢献できるか考え、行動すること」など、高校生として、未来をつくっていく若者らしい考えがたくさん出されました。

※ASPnet(Associated Schools Project Network)への加盟が承認された学校を、ユネスコスクールと呼んでいます。

宣言文起草委員会

宣言文起草委員会の様子

ディスカッションで出された多くの意見をもとに、各チームの代表一名が参加する宣言文起草委員会が開かれ、宣言文(案)が作成されました。

高校生の司会進行のもと40チームの意見をまとめることは大変でしたが、そこはESDを学び推進していく仲間として、互いに思いやり、意見を尊重し合いながら、起草委員・ファシリテーター・運営スタッフの力を結集し、案をまとめあげることができました。

全体会

全体会の様子1
全体会の様子2

フォーラムのまとめである全体会で議長が選出され、宣言文案が読み上げられました。会場からはいくつもの質問や意見が出され、修正が加えられました。その後、会場からの盛大な拍手によって宣言文が採択されました。

国や立場を越え、これからの未来をつくる一人として全力を尽くすことを参加者全員で共有し閉会しました。

今後は各国・地域へ帰った高校生たちが中心となり、それぞれのフィールドでESDをより一層推進していくことを誓いました。
今回岡山の地へ集った若者たちの未来への熱い思いは、きっと社会を変えていく大きなエネルギーになるはずです。高校生たちの活躍に期待!

フォーラム参加者の感想

参加者の写真
会議参加者の様子1
会議参加者の様子2

フォーラムに参加した高校生の感想を一部紹介します。

  • 地球上の様々な問題に圧倒されました。世界を変えたいし、自分がそのために動かなくてはと思います。それが私の人生の目標だと思います。
  • 不安と安心の両方を感じています。不安は世界中で起こっている様々な問題を学んだからで、他方の安心は世界のあらゆる国の若者がこれらの問題について意識をもっていて、真剣に解決しようとしているからです。何よりも、このイベントが世界に変化をもたらすことを願うし、このような素晴らしいイベントに参加できたことを幸運に思います。
  • 自分の経験を世界中の若者たちと共有できたことを光栄に思います。そして私たちが、持続可能な開発を先導し、進展させていくことができるだけの力をもった世代であることを知って、とても素晴らしい気持ちです。
  • 私たちの決心が世界を大きく変えることを学びました。私たちが行動することが全て地球を救うことにつながるけれど、他者と互いに尊敬し合い、信頼し合いながら、共に力を合わせていかなくてはなりません。
  • 私たちには自分たちの国々を変える力があることを、今は確信しています。母国がどこであろうと、その国が抱える目標に到達するためには似たような課題に直面しうるということを、他国の学生のプレゼンテーションを聞き続けているうちに学びました。力を合わせれば、世界に望ましい変化を起こすことができるはずです。

運営スタッフ生徒の感想

  • この大会を通して私は「世界」というものが実は隣り合っていて、どの国の人も自分の国が大好きで、他の国も大好きということが分かりました。今回は三日間という短い期間でしたが、たくさんの笑顔をみることができました。これと同じ経験はこれから簡単にはできませんが、将来に生かしていきたいと思います。
  • 今までのESD活動を通して学んだことは、みんなで一つのものをつくること、率先して取り組むこと、勝ち負けのない平和な世界を志すこと、分かち合うことなどたくさんありました。この活動を通して、自分はおそらく人として階段をいくつか登れたのではないかと思います。
  • この一年半は私が今まで生きてきた中で一番、出会いの多い時間でした。今まで知らなかった事実、考え、たくさんの仲間、数えきれないほどたくさんの出会いを経験しました。このような機会がなければ決してこんなにもたくさんの出会いを経験することはなかったはずです。全ての出会いに心から感謝したいです。このフォーラムは高校生の私たちが持続可能な未来について考える第一歩になったと思います。これで終わりではありません。このフォーラムに参加した私たちがこの経験を生かして誰かのために、社会のために、環境のために貢献していくことが重要なのです。これから素敵な世界をつくっていくのは私たち高校生です。どんなに小さなことでもいい。いつもESDの考え方を心に留めておいて、行動する。それだけできっと自分たちの行動は変わります。その小さな心がけが合わさって、世界を持続可能なものにすることにつながります。理想の未来をつくっていくのはけっして一人ではありません。仲間の力を信じて、自分ができることをしていきたいです。
  • 4月はまったく意味も知らなかったESDという言葉は、今では身近なものになりました。世界中から集まった同世代のみんなが同じ時間、同じ場所で同じことを考えていたという事実が改めてなんてすごいことなんだろうって思います。そこに居られたことが誇りです。もっとゲストと一緒にいたかったと思っているなんて、4月の私はきっと驚くだろうな。そう思うとやっぱり参加してよかったと実感します。高校生の今、こんなにも特別な経験をさせていただいたことに感謝でいっぱいです。私の通う学校がユネスコスクールで、国際会議が私の住む岡山で行われて、それが私の在学中で。なんて奇跡なんだろうと思います。頑張りきることができて良かったです。中途半端に参加していたらこんな気分になれなかったと思います。だからこそ充実した高校生フォーラムでした。

(岡山市ESD世界会議推進局)

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