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#80「ひと、地域、自然をつなぐ・おいでんせぇ岡山」

[2019年11月5日]

ID:38517

一日も早い日常を!「できること」の形を提唱

「おいでんせぇ岡山」設立のきっかけとなったのは、2011年の東日本大震災でした。一変してしまった被災地の生活を報道等で目の当たりにし、岡山で避難者を受け入れるための活動をしようと、友人たちと3月16日に団体を立ち上げました。

岡山が避難先となり得るよう、インフラを整備したい旨をウェブコミュニティサイトに投稿したところ、多くの賛同者が集まりました。活動に携わるメンバーは、20代から70代の主婦、会社員、自営業、医療従事者、教育関係者などさまざまです。

ホームページを立ち上げると、被災者だけでなく、移住希望者からも数多くの問合せがありました。県内の空き家情報の収集、物資調達、掃除などを行い、築100年から古くは300年までの空き家を避難先として整備したほか、和気町では母子被災者シェアハウス「やすらぎの泉」を開設。のべ100人の方の手をお借りして、数年ただただ走ってきました。

相談ブースの様子

2011年「京橋朝市」にて相談ブースを出展

長期的な支援、新たなコミュニティとしての役割

被災者支援に奔走するうち、新たな視点が生まれてきました。それは、避難者・移住者と地域住民による、長期的なコミュニティづくりです。縁もゆかりもない方々が、わざわざ岡山を選んで来てくださることに感銘を受け、移住者の定着と地域の活性化、双方に興味が湧いたのです。

震災を機に移住を決めた方の多くは、「食の安全」「子どもたちの未来」に強い関心を持っていました。そこで、農薬や化学肥料等を使用しない「自然農」による米作り、耕作放棄地の再生、里山再生など「命をはぐくみ、次世代に繋げる」活動を主催し、注力するようになりました。

田んぼの前での集合写真

田植えを通じて交流

また、地域と移住者との出会いの機会として、「アースデイ岡山」を開催。多数のアーティスト・事業者がパフォーマーやワークショップ出展者として参加し、交流と新たな価値創造の場となっています。


真備美しい森で開催した「アースデイ岡山」

「アースデイ岡山」の様子

安心安全な食材を使った週一回オープンのカフェ「おいでんせぇカフェ」は、「食」を通じた移住者の情報交換の場としてスタートし、今年で4年目。移住者・移住希望者と地域住民の交流の機会を生んでいるほか、住みやすい環境や安全な食、持続可能な地域づくりについて意見を出し合い、地域を見つめ直すきっかけにもなっています。

おいでんせぇカフェの様子

多くの人が集う「おいでんせぇカフェ」

官民協働で充実した岡山暮らしをサポート

2014年4月、岡山市の呼びかけで岡山市移住・定住支援協議会が発足しました。行政と移住者支援団体、不動産業界団体、転職支援業界団体などの民間が協働して、移住者の支援を行うためのものです。これにより、安定した情報提供が可能になり、相談会や下見ツアーなどを通して、岡山の実状を体験できる機会も増えてきました。同時に、「移住」に対する地域住民の認知も広がり、私たちが活動を始めた当初と比較すると、移住者・移住希望者を取り巻く環境整備は、各段に進んできていると思います。

そこで今後は、移住という大きな決断をする人たちへの体と心のケア、仕事面でのサポートなど、移住者の暮らしを充実させるための支援に、より注力していく方針です。また、県内の各市町の個性を活かしたPRなど、元気な岡山を発信して、繋がりを深めていきたいと思っています。

一般社団法人おいでんせぇ岡山 理事 逢澤 直子さん

  • 一般社団法人おいでんせぇ岡山代表理事(2011年から2019年3月)
  • 同団体理事(2019年3月から)
  • 一般社団法人医と食でつながる瀬戸大橋ラインLaboratory代表理事

次の執筆者さんからのメッセージ!

岡山市環境学習センター「めだかの学校」 館長 能登 律安さん

岡山に移住される方も地元に住む方もともに地域づくりをする仲間です。
「おいでんせぇ岡山」の里山再生など「命をはぐくみ次世代に繋げる」活動を応援しています。

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