ESD(Education for Sustainable Development)とは「持続可能な社会づくりの担い手を育てる教育」で、民間ユネスコ運動の重要な活動の一つです。
ESDパスポート事業は、ユネスコ協会がユネスコスクールに参加を呼びかけ、参加する学校の小中高校生がESDの趣旨を生かしたボランティア活動をするものです。
一定のボランティア活動をするとポイント(ボラン)が認定され、パスポートになぞらえた手帳に記録します。
岡山ユネスコ協会は、全国に先駆けて2013年からESDパスポートを始めました。
2014年秋にESDに関するユネスコ世界会議が岡山市で開催されたことが契機となり、2016年3月末現在岡山市内の小学校17校、中学校7校、高等学校1校の児童生徒約4,000名がESDパスポート事業に参加しており、全国のユネスコ協会の中では群を抜いて大勢が活発に活動しています。御南中学校では、地域からのリクエストで校区内の町掃除に多くの生徒が汗を流したり、近くの支援学校の要請で運動会の支援をしたりしています。
地域の人から「中学生はなかなかやるな。」といわれ、生徒は自己有用感を抱き自信につながっているようです。
三勲小学校では、児童の有志があいさつ運動やPTAの奉仕作業に参加し、知らない大人から褒められて次のボランティア活動への意欲につなげたりコミュニケーション力を高めたりしているそうです。
これらの事例から、ESDパスポート事業がユネスコスクールの趣旨や目的に合致し、それぞれの学校の学力・人間力を効果的に育成していると考えています。
今後もこの事業が学校や地域を元気にしてくれるよう私たち岡山ユネスコ協会はさらに工夫と努力を重ねていきます。
ESDパスポート事業の実施によって、子ども達は地域に目を向ける機会が多くなり、地域の課題を自分たちで考え、自主的に行動する力が身に付くのではないかと思います。
また、ESDパスポート事業を通して、子ども達と地域住民の間につながりが生まれることに大きな意味があると感じました。
人と人がつながることによって、豊かな人間力が育成されるとともに、地域におけるESD活動がより活発になるのではないかと思います。