「くらしのたね」は、2010年から岡山市北区辰巳を拠点に活動を始めました。現在は、28名のメンバーが活動しています。
活動を始めたきっかけは、株式会社ミナモト建築工房が木造住宅の設計施工に取り組む中で、「一つひとつの家を建てることがマチ(地域)をつくることにつながり、さらに家族が暮らしていくためにはマチの支えが必要である」ということに気づいたことでした。
その気づきが、「マチを元気にするために私たちは何ができるのだろう?」という思いとなり、くらしのたねの活動へとつながっていきました。
活動では、一人ひとりの個性や特技を活かし、手作り雑貨のお店を運営したり、ヨガや音楽、ダンスなどの教室を開いたり、地域の人も参加できるお祭りを開催したりしています。
昔のように、身近な生活の中で使うものに愛着をもち、家族や地域とのふれあいを大切にしながら暮らす。そのような「丁寧に暮らす時代」が再び始まっているのだと思います。私たちもくらしのたねの活動を通じて、メンバーとその周りの人々の暮らしが豊かになるような活動を続けています。
イベントの様子
今年度からは、メンバー全員が中心になって新しく「コミュニティ活動」を始めました。
コミュニティは、同じ目的を共有している人間の集まりだと思います。やり方や性格のちがいを認め合うことが、理想的なコミュニティをつくることにつながっていくのではないでしょうか。くらしのたねのメンバーは、それぞれの長所を活かして協力しあうことで、新しい企画を生み出しています。
地域のおばあちゃんによる戦争語り
岡山在住のアメリカ人による英会話教室
ESDを推進する中で、地域のコミュニティでいろんな人とつながって学びあうことが大切なんだね!
南米で伝承されている一つの物語が海を渡り、日本でも語り継がれています。
「森が火事になって燃えています。
動物たちはみんな森から逃げていきました。
でも、一羽のハチドリだけは水のしずくを一滴ずつ運んでは火の上に落としていきます。
『そんなことして何になるんだ』と動物たちは、みんな笑っています。
ハチドリはこう答えました。
『今、自分にできることをしているだけだよ』」。
時代によってできることは常に変化し、人によってできることは常にちがいます。
しかし、この物語が今日まで語り継がれてきたように、そしてこのハチドリが伝えているように、私たちも日々を豊かにそして楽しく育みながら、サステナブルなマチを目指してチャレンジを続けていきたいと思います。
岡山県出身。妻、二人の息子と4人家族。
内装工芸を手掛ける会社を経て、世界一周旅行。帰国後、家業の工務店にて経理を務めながら、井戸端ギャラリーくらしのたね世話人として活動しています。
コミュニティづくりの目的は同じでも、メンバーの性格ややってみたい方法はそれぞれちがうもの。ムリをして人に合わせたり、競い合ったりするのでなく、「それ、いいね!」とお互いを認め合い協力し合うことで長続きし、大きな’輪’になりそうですね。