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#68「『いぬじま探検隊』を実施して」

[2018年3月7日]

ID:38619

「地域・自然・未来」について考える

持続発展可能な社会実現を目的に、瀬戸内海の離島環境の魅力や課題について考えるESDワークショップ「いぬじま探検隊」を、岡山県立大学の地域貢献活動として実施してきた。対象は次世代を担う小学生で、平成26年から3年間継続した。

全員集合

「いぬじま探検隊PART3」参加者全員集合

平成27年実施の「いぬじま探検隊PART2」では、PART1運営の主力メンバーが卒業したため、残った学生を中心にさらに内容の充実を図ったが、台風15号の影響で1泊2日の予定を急きょ日帰りプランに変更した。それでも、学生たちの活躍もあって小学生たちに「地域・自然・未来」について考える機会を十分提供できたと思う。

平成28年度実施の「いぬじま探検隊PART3」では、PART1&2のメンバーが全員卒業したため、新たに1年生からスタッフを募集し新チームを結成したが、準備から実施まで教員一人で行うことになり大変だった。

廃材を利用したワークショップ

平成28年実施のPART3に参加した小学生は、PART1からのリピーターがほとんど。顔見知りになっているせいか、出発からすぐ打ち解けるなど、楽しく過ごすことができた。

花いちもんめ

みんなで「はないちもんめ」

ワークショップでは、空き缶を使ったキャンドルホルダーやスーパーの買い物袋を使った凧作りなど廃材を利用した作品づくりを、学生たちと一緒に協力して取り組んだ。天候にも恵まれ、スケジュールは予定どおりに進んだ。

キャンドルホルダー

空き缶のキャンドルホルダー

凧づくり

買い物袋で凧づくり

最後は、発見や心に残ったものを地図にするグリーンマップ作りを行い、子供たちの視線で、犬島に残すべき風景や場所を確認することができた。

グリーンマップ作製の様子の写真

グリーンマップ作製の様子

気になった場所を撮影した写真

気になった場所を写真撮影

廃材カードゲームの商品化にむけて

参加者の多くがいちばん楽しんでいたのは「廃材カード」で、夕食後から就寝直前まで楽しむ様子が印象的であった。
このゲームは、平成27年度からIDEA R LAB代表の大月ヒロ子さん(倉敷市玉島出身)と共同で取組んでいるもの。倉敷・玉島地区の産業や技術の魅力を地域の住民や若い世代へ伝えるため、企業や工房から廃棄物を収集し、それらを活用して教育的かつ創造的なカードゲーム「Hi! Zai Card Game Ver.Tamashima」の開発を行った。カードの表には廃材の写真、裏には被写体となった廃材の説明が書かれている。

平成28年度は、ゲームルールづくりを行い、「エコプロ2016(東京ビックサイト)」での公開シミュレーションを行うなど、商品化にむけた準備を行っている。

犬島でのワークショップでもゲームの体験シミュレーションを実施し、好評だった。また、「龍泉寺の自然を守る会」が主催する「紅葉スタンプラリー」にボランティアとして参加する機会を利用して、子供連れ家族を対象にシミュレーションを重ねてゲームの完成度をあげることができた。

廃材カードゲームをしている様子

廃材カードゲームが人気(龍泉寺)

「いぬじま探検隊」は、旅行業法の関係で続けることができなくなってしまったが、若者が地域に関心を持つきっかけとなるよう、「廃材カードゲーム」は引き続き商品化にむけての努力を続けていきたい。

岡山県立大学デザイン学部教授 森下眞行さん

森下先生

ユニバーサルデザイン、エコロジーデザインなどソーシャルデザイン分野での研究を行っています。近年は、地域社会や産業界に貢献できるデザイナーの育成を目的に「地域資源を活用した次世代型ライフスタイル教育(ESD)」、「倉敷市玉島地区で生産された廃材を利用したカードゲームの開発に関する研究」を行っています。

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