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#91「地域おこしは人おこし~NPO法人山村エンタープライズ~」

[2021年3月9日]

ID:38613

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はじまり

1_山村エンタープライズ写真

2011年3月11日の夕方頃、自宅のテレビの前で東日本大震災の様子に目を疑うように見ていました。「これは大変なことがおきた」。大学院で考古学を学びながら、のんべんだらりと日々をおくっていた私に、「何かしなければ」「今のままの生活でいいのだろうか?」と足元を見直し一歩踏み出すきっかけを与えてくれました。
「中山間地域はまさにフロンティア、人の役に立つ会社をみんなで作ったら面白いよね。」2011年4月、地域おこし協力隊になった私は、仲間たちとお酒を飲みながら半分冗談の入った夢を語り合っていました。
現在、私は、地域おこし協力隊任期後、NPO法人山村エンタープライズという団体を作り、岡山県美作市の山奥で「人おこし」という事業を展開しています。
協力隊任期中に、地域の若者の中に元気がない姿を幾度か目にすることがあり気になりました。「若者がいない」といわれる中、様々な理由でひきこもり状態になっている若者と出会うことになったのがきっかけです。

地域おこしは人おこし

「人おこし」は地域のアルバイトや地域の高齢者の支援、耕作放棄地や空き家の活用、コミュニティビジネスなど地域おこしの分野で培われてきた活動と若者自立支援を組み合わせた事業です。障害者の制度枠に入らないが、ひきこもり状態にある若者は多くいます。「人おこし」の拠点である人おこしシェアハウスを運営しながら、農山村のポテンシャルを生かして、彼らを受け入れ、孤立を防ぎ、自立するきっかけと環境を提供しています。

2_山村エンタープライズ写真

目指すのは、あらゆる若者が希望をもって生き生きと暮らせる地域づくりです。
今日に至るまで地域の人に支えられ何人も若者が自立することができました。年間で、100名以上の若者が人おこしシェアハウスに滞在し、地域の文化体験や地域の人の特技を生かした地域の体験プログラムや地域企業(美作市内40社)への就労体験、自立のステップアップのための住居の提供などを行なっています。地域住民のサポーターが増え、仕事や有償ボランティアで関わっていただける方も増えました。
私たちの住む日本は人口減少期に入り、少子高齢化と過疎化に伴う様々な課題が顕在化。課題は山積みであり、地域住民と行政、外部の人材が組織や世代を超えて事業に取り組むことが求められます。

資源は人材

山村エンタープライズは、農山村で地域おこし活動を行っていた地域おこし協力隊の卒業生と地域の支援者が主な構成員ですが、それにプラスして行政や、地元の福祉関係者、農家、住民サポーターの協力があります。地域の最大の資源は人。日本は資源がない中、人材という資源で生き残ってきた国です。地域の課題解決を図っていく人を発掘し生かしていくことが今、求められていると思います。山村エンタープライズでは、今後も若者が地域で生き生きと生きられる環境づくりをしていきます。

3_山村エンタープライズ写真

NPO法人山村エンタープライズ 代表理事 藤井 裕也さん

藤井 裕也さんの写真

プロフィール
1986年岡山市生まれ。
岡山大卒。
2011年より岡山県美作市地域おこし協力隊として上山地区での棚田再生に携わる。
2012年4月より岡山県の北端、人口700人の美作市梶並集落に移住し地域づくりに取り組む。
地域おこし協力隊期間中、単身者向けのシェアハウス「山村シェアハウス」を開設。
任期満了後、協力隊卒業生で法人を設立し、農山村での不登校ひきこもり状態の若者の自立支援事業と移住促進を行う「人おこし事業」を事業化運営。

次の執筆者さんからのメッセージ!

ゆうあいセンタープロボノ 米良重徳さん

「地域おこしは人おこし」、「資源は人材」には全く同感です。私のコラムでも「価値創造」という言葉を使って、NPO運動においては担い手の変革が最も大切であると触れています。
大変な作業であることをお互い確認しつつ、今後の成果を期待しています。

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