岡山市内に37ヵ所ある公民館ではその地域の特徴にあったESD活動が推進されています。
このたび、絵本のような可愛らしいデザインで、各公民館の実践事例を、一つにまとめた冊子が完成しました!
その名も「岡山市公民館ESD実践集『れんめんめん』」
公民館が推進するESD実践事例について、楽しく学ぶことができます。
れんめんめんは、岡山市役所本庁や岡山市内の各公民館で配布しています。
第15回、第16回のESDリレーコラムでは、れんめんめんより5ヵ所の公民館が推進するESD実践事例についてご紹介します。5ヵ所の館は、「ESD推進のための公民館-CLC国際会議」の会場にも指定されています。
2004年(平成16年)から、子どもの視点を重視しながら、地域内の全世代合同でESDに取り組んでいます。地域が抱えている課題を地域全体で認識・共有し、その改善に取り組むと共に、合わせて地域を担う人づくりを行っています。
生物種、水質、水量と、水辺の環境調査を初夏と秋に行い、私たちの暮らしとの関わりについて考えています。その中で、「緑と水の道」を提案・実現化したり、映画「地域を育んだ用水」の作成、また、半世紀ぶりに「水神祭」や「八朔(はっさく)踊り」を復活させる取り組みにも広がりました。
継承してきた伝統文化や風習などを、体験を通して、楽しみながら次世代に伝えます。
岡山市内でも外国人居住者が多い私たちの地域。日本語がわからないために、生活上様々な不安があると思います。
そこで私たちは、中でも一番大事な健康のこと、地域の内科、小児科、歯科などを表示した「お医者さんマップ」を作成しました。また小さな子どもを抱えて、不安いっぱいの方々のために、交流の場「ワールドクラブ」を設けました。
それぞれのお国自慢の料理を紹介しながら、ご自身のことも知ってもらう料理教室も開催しています。
日本人は、米と深く結びついて生きてきました。苗の植え付けから刈り入れまで、天候、水温、日照と、稲の成育に、気をかけ手をかけ時間をかけます。日本人の勤勉さは、稲作に従事するところから生まれたと言われます。また、「いただきます」は、米作りをしてくれた人への深い感謝と、もう一つは、食物のその命をいただきますという意味だと聞きました。
岡山県内有数の稲作地帯である藤田には、同時に新興住宅地という側面もあります。日本中で、核家族化、ライフスタイルの変化によって、米離れが加速しています。米離れすることは、同時に、四季折々の行事や食文化を手放すことになりはしないでしょうか。
公民館講座では、多種多様なお米料理を通じて、お米のおいしさ、料理のおもしろさを子どもたちと共にたっぷり味わい、私たちの先人がこの地でお米を作ってきた意味を探ります。
児島湾岸のほかの地域と同様、干拓による農業地帯として生まれた私たちのまち藤田。「県南の穀倉地帯」とも呼ばれ、長く岡山の食を支えてきました。
干拓地という特性と農業、その中で特に「水」に注目して、地域がどのように生まれ、先人がどのような文化を形成してきたかを、何とか子どもたちに伝えたいと、公民館ビデオクラブが映像作品を製作しました。
完成後は、地域の小学校へ寄贈し、文化祭などの行事では上映会が行われました。
また、「語り部」クラブのボランティアが小学校等に出向き、紙芝居を使って、先人の知恵と伝統を、今に語り継いでいます。