岡山市立興除中学校の生徒会執行部は、2011年(平成23年)3月に発生した東日本大震災の教訓を活かし、震災学習に取り組んでいます。
2014年(平成26年)7月30日(水曜日)から8月1日(金曜日)には、災害ボランティアに参加するため宮城県気仙沼市を訪問しました。私たちが見聞きし体験したことはほんの一部かもしれません。しかしこれから紹介するいろんな活動を通して、震災学習や防災対策に関する理解を広げていきたいと考えています。まず災害ボランティアに参加するにあたって、「興除中学校に何ができるのか」考えました。
そして東日本大震災について学ぶだけでなく、宮城県の中学生にエールを送るため、タペストリーを作って気仙沼市立条南中学校に贈呈することにしました。事前学習に取り組んだ生徒たちからは「思いやりや命の大切さを再認識した」、「興除地区の防災対策について知りたい」といった感想が述べられました。
自分たちが暮らす地域について学んだり、防災への意識を高め災害に備えたりする人を増やすことで、いざ災害が起きた時一人でも多くの命が助かるような地域をつくっていきたいと思います。海に面した気仙沼市は、東日本大震災で甚大な津波の被害を受けた地域です。
私たちはそんな気仙沼市の海岸沿いをバスで移動しました。更地が広がり、かさ上げ工事が行われている海岸は、一見すると開発工事が行われているかのように見えました。しかし、「海岸沿いにあった建物はほとんど津波で流された」という話を聞いて、言葉では言い表せない複雑な気持ちになりました。気仙沼市訪問の中で中心的な活動となった災害ボランティアでは、津波で流された住宅跡地の草抜きをしました。
私たちが活動した地域は、細かい作業や力仕事などができない多くの高齢者の方々が一人で暮らしているということを知りました。被災地で暮らす人たちは、目には見えない多くの問題を抱えているのだということに気づかされたのです。気仙沼市にある防災センターでは、「東日本大震災から学んだことを今後どのように生かしていけばいいのか」について深く考えさせられました。
東日本大震災が起きるまでの防災センターは、避難時に「自助・共助・公助」を心がけるように呼びかけていましたが、実際に震災を経験したことで「知る・備える・行動する」という新しいモットーを掲げるようになったそうです。気仙沼市では多くの方から、「中学生は『防災力』が高まる時期」だという話をききました。いざというときには自分の意志で高いところへ逃げたり、率先して避難したりすることが、自分の命だけでなく、みんなの命を救うことにつながります。
この3つのことを忘れず「知る・備える・行動する」をモットーに、今後も震災学習に取り組んでいきたいと思います。
災害ボランティアに参加したメンバーの任期が終了し、2014年10月から新メンバーで活動しています。地域の防災力をあげるためにも、今後も震災学習を続け、防災対策を呼びかけていきたいと思います。