おかやまエコマインドネットワークの田淵知子です。平成29年度・30年度代表を務めています。
私が活動をはじめたきっかけは、岡山県が主催した環境講座を受講したことでした。講座を受けているうち、環境の悪化・危機が間近に迫っているということを実感し、私にも何かできないか、と考えるようになりました。食べ物も洋服も、何でもお店で買える時代になって、私たちの生活は便利で快適になりましたが、それらすべてに資源が使われています。このまま便利さだけを追求していって良いのか、気になることが増えました。
が、まだその当時(2000年代初頭)は環境問題がそこまで世間に浸透しておらず、職場などで話題にしても、無視されたり、変わり者だと思われて避けられたりするのがオチ。それでも諦めずに、普段の暮らしの中でできる環境への取組みについて呼び掛けを続けるうち、徐々に仲間が増えて、現在にいたります。
おかやまエコマインドネットワークの会員のほとんどが、岡山県地球温暖化防止活動推進委員(地域における地球温暖化防止活動の推進役)です。そのため、活動の軸は温暖化防止ですが、ESDの機運の高まりにより、環境・エコに関してより幅広い取組を行っています。
例えば、地域での講座や学校での出前授業で活用するため、啓発ツールを開発しました。ひとつは、環境の変化やエコの取組みについて学べる「環境カルタ」です。昔話の挿絵のような古風な絵柄のカルタは、年配の方に特に人気です。また、新聞紙半面程度の大きさの札を背負って、鬼ごっこのように遊べるカルタもあり、こちらは子どもたちに喜ばれています。
環境カルタ
もうひとつが、「環境すごろく」です。岡山県の生態系を調べ、動植物の取材を行って、大きなすごろくを作成しました。身近な生き物や環境問題に関する会話が親子の間で自然に生まれ、イベントでは大活躍しています。
環境すごろく
学校の出前講座では、これからのツールを用いて、環境・ESDについてできるだけ楽しく・わかりやすく伝えるようにしています。ESDというと難しく聞こえますが、基本の考え方をきちんと教えて、将来ESD活動に参加してもらえるよう、私たちがしっかりと道案内していくことが大切だと感じています。最近では、子どもたちから御礼の手紙や写真を送っていただくことも増え、子どもたちの成長を実感するとともに、次回の活動への励みとなっています。
「持続可能」という観点から、最近力を入れているのが、食に関する取組みです。赤ちゃんから高齢者まで、健康でにこやかに暮らすためには、安心で安全な食べ物、さらに季節に応じた地元産の食べ物を取り入れることが大切だと気付いたのです。食材本来の味や食感を試食して体感するワークショップ、たい肥を作る講座などを開催し、多くの市民の皆さまに共感していただきました。
食品ロスに関する講演会
食と農の安全を考えるイベント
今後さらに力を入れたいテーマとしては、「食品ロス削減」があります。安全な食べ物が提供されていても、裏で食品ロスが出ているようでは意味がありません。ロス削減のため、無償で商品をやり取りできる「0円マーケット」の実現を目指しています。スーパーマーケットで余った食品を地域の「子ども食堂」に配付するほか、年4回程度は実際に市場を開き、市民の皆さんに利用していただく予定です。ハードルは高いと思いますが、メンバーの総力をあげて取り組んでいきます。
岡山県が主催した講座を受けているうち、環境の悪化・危機が身近に迫っていることを実感し、おかやまエコマインドネットワークの活動をはじめました。
「岡山県地球温暖化防止活動推進委員」になるだけでは飽き足らず、「うちエコ診断士」の資格も取得。「おもちゃの病院」の運営にも携わっています。何かと出たがり、やりたがり。現在は「食品ロスの削減」に力を入れて取り組んでいます。