一般社団法人epoおかやま笑顔プロジェクトは、2018年7月に発生した西日本豪雨災害を機に任意団体として設立(さらにプロフェッショナルとして活動していくため2020年に法人化)した、災害支援・防災教育・民間救急事業の3つの柱を中心に社会貢献に取り組む団体です。
『人』に対する想いの中で、『助けたい命がある。』『助けたい心がある。』『守りたい笑顔がある。』を大切に、我々にしか出来ない活動をしています。
代表理事の村上浩司は、玉野市出身。30年と半年の間、公務員として消防防災や医療の仕事に携わってきました。
患者搬送業務の経験を活かして、災害時の逃げ遅れや災害関連死の予防として少しでも安心できる場所への搬送、最後の願いを叶える搬送、感染症患者の搬送、県外搬送等を実施しています。
福祉搬送から医療特化型搬送まで幅広く必要な方にお届けするために、多くの方のご支援のもと、医療特化型搬送ができる救急車(高規格救急車)を導入しています。
以下では、3つの柱それぞれの活動内容を紹介します。
これまで、西日本豪雨災害のほか、北海道胆振東部地震や熊本地震など、災害の種類を問わず、全国各地で発生する災害への現地支援、また、岡山からできる支援に関わってきました。
本年元日に発生した能登半島地震では、発生当日の夜に出動を決定し、必要な物資等のニーズを現地と調整のうえ、1月4日にスタッフと民間救急車を派遣しました。
3月までに実施した5回の派遣の主な任務は、志賀町と七尾市への物資搬送や、能登町への炊出しに伴う食材支援です。健康管理の観点から生野菜3種類、果物、乾燥野菜、子どもたちの笑顔を取り戻す駄菓子などをお届けしました。
七尾市では、市内の障害者施設9グループ、450名の職員にハーブティと果物、手書きのメッセージ、応援の旗をお届けしました。これは施設の入所者を守るために欠かせない職員のみなさんを励まし、退職を予防することを目的に行いました。
また、今回の大きな任務は、厚生労働省管轄の災害派遣医療チーム(DMAT)の指揮の下、能登半島からの患者搬送に全国の民間救急事業所と共に取り組み、災害関連死の防止に努めたことです。災害時の官民連携による取組の1つのモデルの構築につながりました。
7月の東北の水害や、9月の能登半島の水害では、清掃用のタオルを送る活動も行いました。
防災教育では、長年公務員として消防防災を行った経験を活かし、『防災の基本は災防』、『防災とは想像』、『地域力は防災力』を中心にお伝えしています。災防とは、直接の災害被害だけでなく、その被害によって、自分たちの身にどんなことが起きるのかを想像することで、何を備え、どう対応すればよいか考えていくことです。
また、年に一回は『防災展』として県内で減災教育活動も実施しています。
今年は岡山県から事業委託を受け、指定避難所を使用した避難所運営体験から、避難所に必要なことを学ぶ1泊2日の研修を行うなど、様々な地域や自治体、医療福祉団体から、講演やコンサル業務、訓練指導の依頼をいただいています。
民間では岡山県初の、高規格救急車を使用した搬送業務を実施しています。通常の介護搬送から医療特化型搬送まで、看護師、救急救命士、介護福祉士、搬送乗務員資格の保持者がスタッフ登録をして搬送に対応しています。
主な業務は以下のような内容です。
・災害時の逃げ遅れを防止する支援搬送
・災害現場での搬送
・医療機関からの転院搬送
・自宅からの通院搬送
・県外へ(から)の新幹線や陸路、飛行機での搬送
※神奈川、長野、熊本、長崎、兵庫などへの搬送や、北海道からの連携搬送や千葉へのお迎え搬送の実績があります。
・感染症患者の搬送
・イベント救護
※おかやまマラソン、24時間100キロ歩行、ゴルフ大会など
・イベントでの車両展示
※はたらくくるまなど
・看取り搬送(もう一度見たい景色を見たり、会いたい人に会うなど、医療処置をしながら後悔しない時間を提供し、最後の願いを叶える搬送)
私たちは、ご利用者のお体だけではなく、心も、そしてご家族の願いもあわせて搬送しています。
新幹線を利用した県外搬送
イベントでの車両展示
『人のために』何が出来るのか。私たちに何が出来るか。
任意団体としてスタートしたおかやま笑顔プロジェクトは、その名のとおり「心から自然な笑顔が溢れないと幸せとは言えない」と考えています。
被災地では、時間と共に町が復興していきます。しかし、被災された方が心から笑顔にならないと本当の復興とは言えません。
当法人の3つの事業の最大の効果は『笑顔』です。
我々の最大の報酬は人々の命、心が助かること。そのためにも高規格救急車を使用した社会貢献活動に関わっていきます。
それと同時に、様々な分野での官民連携体制の構築に向けて訴えていきます。
岡山県玉野市で育ち、30年と半年間公務員として消防防災や医療の仕事に関わってきました。2020年防災全般に係る法人として一般社団法人epoおかやま笑顔プロジェクトを立ち上げ、所有する高規格救急車を使用し我々に出来る現場活動を行っています。
災害支援活動をとても高い専門性を備えながら行っていることにまず驚きました。そしてそれがepo様の日常での活動もあわせて「笑顔」というキーワードでつながっていることも知り、深く共感しました。
居住が総社市のため、豪雨災害のときの恐怖や復興までのつらさは身に染みて感じています。「防災とは災防」、「防災とは想像」、「地域力は防災力」の言葉もまさにその通りだと思います。
この12月に、総社市清音地区ではじめて「地域みんなでわいわい防災キャンプ」という多世代交流×防災イベントを開催することにしています。継続した取り組みにしていこうと考えているので、ぜひ今後アドバイスなどいただけたらと思っています。