[2026年10月13日]
ID:86104
岡山市中区、宇野小学校区で活動している「さい子ども会」は、いわゆる普通の子ども会です。季節の行事や体験学習、子どもたちが集まって過ごせる場づくりなど、地域の中で子ども同士だけでなく、子どもたちにとって身近な保護者も一緒に関わる機会をつくりながら活動をしています。
私が初めて活動に参加した約10年前、加入している子どもは20人ほどで、解散も心配される状況でしたが、現在では106人、46世帯が加入しています。世の中では地域団体の衰退や解散が進んでいる話も聞きますが、さい子ども会では活動内容や運営方法を少しずつ見直してきたことで参加する人が増えました。と言うことは、地域活動そのものは今でも必要とされているのかな?と感じています。

そして、ESDリレーコラムに矛盾するようですが、さい子ども会は特定のSDGs課題の解決を目的に活動している団体ではありません。それでも、地域のつながりをつくることや、子どもたちがさまざまな体験をすることは、多くのSDGsやESDにつながっていると考えています。
子どもたちにも理解しやすい、自然・環境を中心にした体験学習として犬島での活動や、百間川のごみ拾いも行っています。

でも、例えば、「近所の友達と一緒に楽しく遊ぶこと」。
一見すると、ただ子どもたちが遊んでいるだけでSDGsとは何の関係も無いと思う日常的な光景です。でも、そもそもの、安心して遊べる地域があること、年齢や性別、家庭環境などの違いを越えて同じ場で過ごせること、地域に知っている人が増えていくことは、「11.住み続けられるまちづくりを」や「16.平和と公正をすべての人に」、「10.人や国の不平等をなくそう」といった目標に関係していると考えています。もちろん、ただ一緒に遊べばいい、というだけではなく、なぜそれが大切なのかを考えたり、社会の課題について学んだりすることは必要です。
学校には、さまざまなことを教えてもらい、子どもたちが学び、考え、遊んだり体を動かしたりするなど、教育を中心とした大切な役割があります。一方で、地域の子ども会の役割は、日常の延長の中で実際に一緒に遊び、いろいろな人と関わり、いろいろな経験を重ね、学校で学んだことも活かせる環境をつくることではないかと思っています。
目に見える明確な課題に取り組むこと、これはもちろん重要です。ただ、普段は課題として意識することもない日常にこそ、課題を防ぐための大事なことがあるのでは?と考えています。例えば、近所に友達がいる。声をかけてくれる大人がいる。困ったときに相談できる人がいる。新しい、面白そうな経験に出会える。そんな、人とのつながりや体験の機会で、日常を少しずつ豊かにしていくことが将来の課題を減らしたり、もし課題が起きても解決につながりやすくしたりするだけでなく、よりよい地域や社会をつくることにもつながると思って活動をしています。

さい子ども会は、何か一つの大きな課題を解決する団体ではありません。子どもたちが地域の中で人と関わり、遊び、学び、経験できる日常をつくって、続ける。その積み重ねもまた、私たちなりのSDGs・ESDへの取り組みだと考えています。

さい子ども会代表。岡山市中区・宇野小学校区を中心に、地域の子どもたちの体験活動や居場所づくりなどに取り組む。子ども会の活動内容や運営方法を見直しながら、子どもや保護者が地域で関わる機会づくりを続けている。