ノートルダム清心女子大学 2年 K.A
「人間はみな死ぬる」。この作品は、最初の一文で引き込まれる。そこから誰もが一度は考える共感部分をつくっている。そして自分の過去へとさかのぼっていくのだが、この導入部分がとても素晴らしいと感じた。一文で興味を引いたうえで共感させることでしっかりと読者の心をつかんでいるのである。私もその一人となった。
どれだけ考えても10年後は遠い未来のような感覚にしかなれない。年をとれば感覚が変わるのだろうか。このことを少し考えさせられた。
この話は、坪田譲治自身のこれまでを描いている。母方の祖父についての話を最初に、譲治の過去を赤裸々に描かれていて、これこそリアリティを追求した者の行きつく場所ではないかと感じた。リアリティを追求し続けた証になっていると考える。
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