ノートルダム清心女子大学 2年 N.N.
私にとって物語は、店売りされているものかそうでなかったら昔からある話を何回も聞くというのが常で、とても遠いところにあるものだった。だから身近に起こった体で話されると新鮮だった。河童というのはよく言えばなじみ深く、悪く言えばありきたりな妖怪だと思う。でも、『河童』の話のお爺さんの話は真実味があった。このお爺さんの話はもしかしたら善太に聞かせるための作り話なのかもしれない。作者も釣りの中の風景にただ河童という夢のある妖怪を見出したにすぎないのだろう。しかし、私は釣りの風景の中に河童がいてもいいと思った。河童がいてほしいと思った。近くの川にだってじっと見つめていたら河童が現れるかもしれない。数ページの話でも人を引き込む物語の魔力があったと思う。
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