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<感想・エッセイ>「カタツムリ」を読んで

[2020年10月23日]

ID:25628

「カタツムリ」を読んで


 ノートルダム清心女子大学 2年 K.C.


 『カタツムリ』を読んで、美代と弟たちの間で揺れる正太の心情の変化に惹きこまれた。

 初めは兄らしく体調を崩した妹の面倒を看ていたが、善太と三平の誘いによって外に出て行きたくなり、最終的に淋しいと言う妹にカタツムリを置いて行ってしまう。 

 私がここで注目したのは、兄が出て行くときまで美代はそれを嫌がっているところだ。体調がとても悪いなか、涙を流し、それでも行ってしまいそうだとなると「淋しい」と訴える美代は子どもらしい反応だと言える。もし私だったら、治るまで傍にいただろう。しかし、ここでの正太は妹よりも自分の好奇心に素直になってしまった。ある種の残酷さが描かれている部分であると思う。物語の最後に正太が思いをはせる描写があるが、ここでもその時の自分に対する後悔は書かれていないことからも、子ども特有の残酷さが読み取れる作品だと考えた。


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