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<感想・エッセイ>「カタツムリ」を読んで

[2020年10月23日]

ID:25642

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「カタツムリ」を読んで


 ノートルダム清心女子大学 2年 S.W.

 ずっと黙り込んでいた美代ちゃんが、正太の「デンデン虫好き?」という問いかけにようやく「スキ。」と答えた。正太が枕もとのお盆の上にカタツムリを置くと、美代ちゃんは腹這いになって夢中でそれを覗き込む。それにもかかわらず、部屋に一人残された美代ちゃんはカタツムリが枕に這い上がってきたのを恐れて泣いてしまった。美代ちゃんは部屋で一人になってしまうのをとても寂しがり、怖がっていた。枕元にゆっくりとカタツムリの這い寄るさまは、まるで寂しさに張り付いて忍び寄ってくる死への恐怖のようにも思われる。庭の木陰にひっそりと存在するカタツムリのように、誰にとっても常に身近に潜む「死」というものが、どこか物寂しいときに私たちの心を襲うことがままある。美代ちゃんもまた、幼いながらも心の奥底で、自分に迫り来る「死」を思って恐怖したのかもしれない。

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