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すずめの話

[2021年5月10日]

ID:29722

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すずめの話

「るすばんいや。」
 三ぺいがいいました。だって、おもしろいこと、一つもありません。
「だったら、三ぺいちゃん。すずめのお話聞いていらっしゃい。」
 おかあさんがいわれました。それで、三ぺいは、げんかんの前の、びわの木の下で、すずめの声を聞いていました。
「ちゅうちゅう、ちゅう。ちゅうちゅく、ちゅうちゅく。」
 すずめはないていました。じっと聞いていると、これが、
「つるつる、つる。すうべれ、すうべれ。」
 と聞えて来ました。そっと木の上を見上げますと、四つ五つのすずめが、上になり下になり、あそんでおります。きっとすべりっこして、あそんでおるのでしょう。
 ちょうどそこへ、金ちゃんがあそびに来ました。三ぺいは、金ちゃんにそれをおしえてやりました。
 金ちゃんは、一生けんめいそれを聞いて、
「いってる、いってる。」
 といいました。その上、
「もう少し聞かせてくれ。」
 といいました。
 それで、三ぺいはあそびに出て、けいちゃんにそれをいいました。けいちゃんも、
「聞かせてくれ。」
 といいました。てるちゃんにもいいました。てるちゃんも、
「聞かせてくれ。」
 といいました。ひでちゃんにいいました。ひでちゃんも、
「聞かせてくれ。」
 といいました。三ぺいは、
「聞かせるかわり、うちのるすばんをしてくれ。」
 といいました。
 少しすると、けいちゃんが三ぺいの家に行きました。金ちゃんにかわって、すずめの声を聞くためです。
 少しすると、今度は、てるちゃんがるすばんに行きました。すずめの話を聞くためです。
 また少しすると、ひでちゃんが行きました。
「おもしろいぞう。」
 金ちゃんがいったものですから、みんなは、三ぺいにかわり、次々と三ぺいの家に行って、るすばんをしました。
 その間、三ぺいは、外でおもしろく、あそぶことが出来ました。

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