ノートルダム清心女子大学 4 年 N.A
本作では、戦時下の岡山を生きる家族の3 日間が鮮明に描かれている。冒頭のふく子
の作文からは、弟の杉夫とおかあさんと過ごす、家族の温かい日常が感じられた。また、
おかあさんが戦地の父に宛てた手紙からは、幸せな生活と子を守りたい親の切なる想い
が読み取れた。
しかし、空襲によって姉弟とおかあさんは離ればなれになってしまう。周囲におかあさ
んのことを聞かれると「いま、くるのよ。」と言って懸命におかあさんを探すふく子と杉
夫に、心を打たれた。読み進めると不安や感傷的な思いが増すが、最後はほっとした気
持ちになり、今の生活や家族について、改めて考える機会となった作品であった。
素直な子どもの姿と家族の愛は、今も昔も変わらないものである。
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