ノートルダム清心女子大学 4年 竹原明日香
この作品を読んで、私が一番印象に残ったのは、美代子が真珠に対して持っていた価値の大きさが変化していったというところです。美代子は姉から貰った真珠のことを、「昔はわにざめの流した涙であったという貴い真珠の玉」であり、「五円も十円もする宝石」だと言っていることから、非常に高価なものだと考えていたことが分かります。しかし、美代子は真珠をなくさないという約束を姉としていたにも関わらず、好奇心から、真珠を雀に向かって投げたり、石の上の窪みに置いたりして、他の生物たちの反応を窺っています。生物たちが全く興味を持たない様子から、美代子は真珠にそれほど大きな価値がないのではないかと思い、眠っている間に真珠を持って行かれるのではないかという考えをやめて「もうよしましょう」と思っている、最後の場面が非常に印象的でした。
このことから私は、ものの価値の大きさは、珍しさや値段の高さで決まるわけではなく、それぞれの基準により、大きく変わってくるものだと思いました。
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