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ことりのやど

[2020年6月18日]

ID:22619

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ことりのやど

 みちばたのマツの木のえだで、三ばのことりが、たのしそうにうたっていました。
 ピイ、ピイ、ピイッ。
 木のしたで、これをきいていたぜんたは、じぶんもいっしょに、うたいたくなりました。
 ピイ。
 けれども、そこまでいうと、ことりは、バタバタと、にげていってしまいました。なんて、いじわるのことりでしょう。ぜんたはいえにかえると、おとうさんにいいつけました。
 すると、おとうさんがいわれました。
 「それはおまえがむりですよ。ことりは、いままで、にんげんにいじめられてばかりいたのです。にんげんのこえがこわいのは、むりはありません。」
 「だってぼく、なかよくしてあそびたかったんだ。」
 ぜんたがいいました。
 これをきくとおとうさんは、ひとつのはこを、つくってくださいました。それには、やねがあり、いりぐちがあって小さないえになっていました。ことりのいえだったのです。そこで、ぜんたはそのいりぐちに、こんなことをかきつけました。
 「ことりのやど。いつでもここでおやすみなさい。とまってもかまいません。ぼくは、あなたたちと、ともだちになりたい。わるいことはいたしません。」
 そしてそれを、にわのカキの木のえだに、ぶらさげました。それからのち、ぜんたは、まいあさ、もうことりが来てとまっていないかと、にかいのまどからのぞきました。しかし、いつみてもそのなかはからっぽでした。これは、ことりははやおきだから、ぜんたがおきるころは、もうあそびにでて、いないのかしらんと、日ぐれに、そっとのぞいてみました。それでもやはりからっぽでした。そこでこれをおとうさんにはなしますと、おとうさんがいわれました。
 「ことりは、学校にいかないから、ぜんたのじがよめないんだろう。」
 ぜんたはこまりました。しかし、こればかりはどうすることもできません。しかたなく、ことりのやどをのぞくのをやめました。ところが、それからいく月かたって、あるあさ、ふと、まどからみると、はこのなかに小さなまるいあたまがのぞいていました。
 ぜんたはおおよろこびで、すぐおとうさんのところへかけていって、そっと小さなこえでいいました。
 「おとうさん、ことりは学校へいったらしい。だって、あのいえへ、ゆうべから一わきてとまっている。きっとぼくのじがよめたんだよ。だったらいまにおともだちになれるだろうね。」

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