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答申第43号

[2010年3月8日]

ID:17161

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岡情審査第238号
平成18年3月17日

岡山市長 髙谷 茂男 様

岡山市情報公開及び個人情報保護審査会
会長 山口 和秀

岡山市情報公開条例第16条の規定に基づく諮問について(答申)

平成17年5月17日付け岡人第152-1号による下記の諮問について次のとおり答申します。

岡山市長に提出した文書(要措置申告)に対する調査・回答に係る文書(以下「本件公文書」という。)の開示請求に対して非開示とした決定に対する異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)についての諮問
第1.審査会の結論
本件公文書に関して、岡山市長(以下「実施機関」という。)が行った非開示決定は妥当であるから、本件異議申立ては棄却されるべきである。
第2.異議申立て及び諮問の経緯
1 本件異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成17年4月25日、実施機関に対し、岡山市情報公開条例(平成12年市条例第33号。以下「条例」という。)第3条第1項の規定に基づいて、本件公文書の開示請求を行った。
2 それに対して、実施機関は、同年4月28日付けで、不存在を理由に非開示決定処分(以下「本件処分」という。)を行った。
3 上記決定を受けた申立人は、実施機関に対し、同年5月6日付けで、本件処分は、理由付記の要件を欠き違法であるとして、本件処分の取消しを求めることを内容とする、本件異議申立てを行った。
4 それに対して、実施機関は、同年5月17日、本件異議申立ての取扱いについて、条例第16条の規定に基づき、当審査会に本件諮問を行った。

第3.申立人及び実施機関の主張の要旨
申立人及び実施機関の主張の要旨は、次のとおりである。
1 申立人の主張要旨
(1)本件処分の理由付記について
実施機関は、本件処分において、本件公文書の非開示理由を文書不存在のためとするのみであり、不存在の態様がどのようなものであるのか、具体的かつ客観的に説明責任を果たしていない。
条例第10条第1項の規定では、「開示請求に係る公文書の全部又は一部を開示しないときは、開示請求者に対し、書面により、その理由を示さなければならない。この場合において、当該理由は、当該書面の記載自体から一般人が容易に理解し得るものでなければならない。」と要求している。
したがって、同条の要求する理由付記としては、必要かつ十分条件を満たしておらず、本件処分は、理由付記の要件を欠く違法な処分である。
また、条例第30条の規定は、「実施機関は、第2章に定める公文書の開示のほか情報公開の総合的な推進を図るため、その保有する情報が適時に、かつ、理解しやすい方法で市民に明らかにされるよう、実施機関の保有する情報の提供施策の充実に努めるものとする。」としており、本件処分は条例第30条の規定にも違反している。
(2)本件公文書及び文書不存在について
本件公文書は、職員の地方公務員法違反について、要措置を求めて申告した事案についての調査・回答に係る文書である。
岡山市文書取扱規程(以下「規程」という。)第3条では、「事案を処理する場合は、原則として文書を作成しなければならない。」と規定されており、本件公文書の不作成については、規程第3条に違反している。
また、本件処分は、「市民の知る権利を保障するとともに、岡山市の行う諸活動を市民に説明する責務を全うし、もって市民の市政への積極的な参加による市政の民主的発展に寄与する」と規定する条例第1条にも違反している。
2 実施機関の主張要旨
(1)本件処分の理由付記について
申立人の主張する、「役付職員の地方公務員法違反事案」に係る要措置申告については、本件開示請求時以前から、申立人に対し本件公文書不作成も含めてその経過等を口頭で説明に努めており、したがって、本件処分は理由付記の要件を欠く違法な処分とは言えず、また、条例第30条の規定にも違反していないと考える。
(2)本件公文書及び文書不存在について
事務を行う上で、その全ての事案について文書を作成することは不可能であり、規程第3条の文書作成義務は、あくまでも原則であり、一切の例外を認めないものではない。本件については、必ずしも文書を作成しなくても処理可能な事案であるとの判断から、文書を作成していない。
したがって、公文書の不存在を理由として行った本件処分は適法であると考える。

第4.審査会の判断
実施機関と申立人との間における本件の争点をめぐる諸問題に関し、当審査会は、以下のとおり判断する。
1 本件公文書について
当審査会は、申立人の提出した意見書における内容から、本件公文書の性格について、以下の認定を行った。
申立人は、実施機関が所管する施設の管理方法等に違法性があり、当該担当課職員の言動が地方公務員法に違反するとの認識を持ったため、実施機関に対して要措置申告の文書を送付した。
本件公文書は、当該文書を送付された実施機関が、担当課職員に対して行った事情聴取を記録した文書を含む、要措置申告の内容に関する調査及び回答に係る文書であると認められる。
2 本件処分の理由付記について
(1)申立人は、本件処分において、不存在のためとした実施機関の非開示理由は、不存在の態様がどのようなものであるのか、具体的かつ客観的に説明責任を果たしておらず、条例第10条第1項に規定している理由付記の要件を欠く違法な処分であり、実施機関の保有する情報の提供施策の充実に努めることを規定した条例第30条にも違反していると主張している。
これに対して、実施機関は、申立人の主張する、「役付職員の地方公務員法違反事案」に係る要措置申告については、本件開示請求時以前から、申立人に対し本件公文書不作成も含めてその経過等を口頭で説明に努めており、条例第10条第1項及び第30条に違反するものではないと主張している。
(2)条例第10条第1項は、「実施機関は、前条第1項又は第2項の規定により、開示請求に係る公文書の全部又は一部を開示しないときは、開示請求者に対し、当該非開示決定又は一部開示決定の通知において、その理由を示さなければならない。この場合において、当該理由は、当該通知の内容から一般人が容易に理解し得るものでなければならない。」と規定されており、非開示理由の付記のあり方については、「一般人が容易に理解し得る」ように記載すべきであることは、申立人の主張するとおりである。
本件処分においては、実施機関は、非開示とした理由について「不存在であるため」と記載しているが、不存在の理由についての個別具体的記述(例えば、当該文書を作成若しくは取得しなかったため、あるいは廃棄したため等)はなされていなかった。
(3)しかしながら、実施機関は、申立人の主張する、「役付職員の地方公務員法違反事案」に係る要措置申告については、本件開示請求時以前から、本件公文書不作成も含めて、その経過等を申立人に対し口頭で説明に努めていた。
また、本件公文書は、その性格から、実施機関が他の機関から取得したり、あるいは、短期間に廃棄を行うことは考えにくく、不存在の理由については、文書を作成していなかったということが、思料されるところである。
(4)以上の事実を前提にすれば、実施機関の対応は条例第10条第1項及び第30条の規定に違反しているとは言えない。したがって、理由付記の不備を理由にして本件処分が違法であるとする申立人の主張の妥当性を認めることはできない。
3 文書不存在について
当審査会が行った職権調査の結果、申立人が求めている本件公文書については実施機関において作成されておらず、不存在と認められる。
本件公文書の不作成について、申立人は、規程第3条に違反し、条例第1条の規定にも違反していると主張している。
これに対して、実施機関は、規程第3条の文書作成義務は、あくまでも原則であり、一切の例外を認めないものではないこと、本件の場合、要措置申告の内容に関しての事情は確認しているが、必ずしも文書を作成しなくても処理可能な事案であるとの判断から文書を作成していないと主張している。
本件における実施機関のかかる処理の仕方が、明らかに規程に違反した、合理性を欠いたものとは考えられず、本件公文書の不作成が直ちに規程第3条に違反しているとまで断定することはできない。
したがって、実施機関が不存在を理由として行った本件公文書非開示決定は妥当であると判断する。

4 結論
以上の理由により、当審査会は、「第1.審査会の結論」のとおり判断するものである。
第5.審査会の処理経過
当審査会における処理経過は次のとおりである。

審査会の処理経過
年月日 処理内容
平成17年5月17日 諮問書の収受
平成17年6月10日 実施機関側意見書の収受
平成17年7月1日 申立人側意見書の収受
平成17年8月22日 審議
平成17年10月24日 審議
平成17年11月28日 審議
平成17年12月19日 審議
平成18年1月23日 審議
平成18年2月20日 審議
平成18年3月13日 審議
平成18年3月17日 答申

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