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答申第25号

[2010年3月5日]

ID:17140

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岡情審査第56号
平成15年10月28日

岡山市長 萩原 誠司 様

岡山市情報公開及び個人情報保護審査会
会長 山口 和秀

岡山市情報公開条例第16条及び岡山市個人情報保護条例第17条の規定に基づく諮問について(答申)

平成15年2月19日付け岡事調第211号、平成15年5月12日付け岡人総起第61-1号及び平成15年6月19日付け岡人総起第116-1号による下記の諮問について次のとおり答申します。

1 「平成9年度から平成15年度までの間で、地対財特法から一般対策に移行された事業の補助金に関して、〇〇〇〇氏の結婚問題解消支援金として関係団体から岡山市長に対して提出された申請書(以下「本件第一の公文書」という。)」の開示請求に対して非開示とした決定に対する異議申立て(以下「本件第一の異議申立て」という。)についての諮問
2 「平成4年度から平成14年度までの間で、結婚問題解決金の補助金に関して、□□□□氏及び△△△△事業所の事業として関係団体から岡山市長に対して提出された申請書及び関係文書(以下「本件第二の公文書」という。)」の開示請求に対して非開示とした決定に対する異議申立て(以下「本件第二の異議申立て」という。)についての諮問
3 「平成8年度から平成15年度までの間で、関係団体から岡山市長に対して提出された差別問題解決補助金に関する申請書(以下「本件第三の公文書」という。)」中に記載された、異議申立人に係る個人情報の開示請求に対して開示拒否とした決定に対する異議申立て(以下「本件第三の異議申立て」という。)についての諮問
第1.審査会の結論
本件第一の異議申立て、本件第二の異議申立て及び本件第三の異議申立てに係る、岡山市長(以下「実施機関」という。)が行った本件第一の公文書を非開示とした決定、本件第二の公文書を非開示とした決定及び本件第三の公文書中に記載された異議申立人に係る個人情報について開示拒否とした決定は妥当である。ただし、実施機関(事業調整課)が本件第一の公文書に対して非開示とした決定の理由は、公文書不存在とすべきであるから、本件第一の異議申立てを棄却する決定の理由中において、非開示理由を訂正すべきである。

第2.異議申立て及び諮問の経緯
1 本件第一の異議申立て及び諮問の経緯
(1)本件第一の異議申立人、本件第二の異議申立人及び本件第三の異議申立人(いずれも同一人物であり、以下「申立人」という。)は、平成15年2月10日、実施機関(人権同和啓発課及び事業調整課)に対し、岡山市情報公開条例(平成12年市条例第33号。以下「公開条例」という。)第3条第1項の規定に基づいて、本件第一の公文書の開示請求を行った。
(2)それに対して、実施機関(事業調整課)は、同年2月14日付けで、当該文書の存在を答えること自体が公開条例第5条第1号に規定する個人情報であることを理由として非開示決定を行い、実施機関(人権同和啓発課)は、同年2月21日付けで、公開条例第9条第2項に基づき公文書不存在を理由として非開示決定を行った。
(3)上記非開示決定を受けた申立人から、実施機関(事業調整課)に対して、同年2月17日付けで、本件第一の異議申立てが行われたため、実施機関(事業調整課)は、平成15年2月19日、本件第一の異議申立ての取扱いについて、公開条例第16条に基づき、当審査会に諮問を行った。
2 本件第二の異議申立て及び諮問の経緯
(1)申立人は、平成15年4月22日、実施機関(人権総務課)に対し、公開条例第3条第1項の規定に基づいて、本件第二の公文書の開示請求を行った。
(2)それに対して、実施機関(人権総務課)は、同年5月2日付けで、公開条例第9条第2項に基づき公文書不存在を理由として非開示決定を行った。
(3)上記非開示決定を受けた申立人から、実施機関(人権総務課)に対して、同年5月6日付けで、本件第二の異議申立てが行われたため、実施機関(人権総務課)は、平成15年5月12日、本件第二の異議申立ての取扱いについて、公開条例第16条に基づき、当審査会に諮問を行った。
3 本件第三の異議申立て及び諮問の経緯
(1)申立人は、平成15年5月16日、実施機関(人権総務課)に対し、岡山市個人情報保護条例(平成12年市条例第34号。以下「保護条例」という。)第11条第1項に基づいて、本件第三の公文書中に記載された申立人に係る個人情報の開示請求を行った。
(2)それに対して、実施機関(人権総務課)は、同年5月30日付けで、保護条例第15条第1項に基づき公文書不存在を理由として開示拒否決定を行った。
(3)上記開示拒否決定を受けた申立人から、実施機関(人権総務課)に対して、同年6月13日付けで、本件第三の異議申立てが行われたため、実施機関(人権総務課)は、平成15年6月19日、本件第三の異議申立ての取扱いについて、保護条例第17条に基づき、当審査会に諮問を行った。

第3.申立人及び実施機関の主張の要旨
1 申立人の主張要旨
(1)申立人と前夫〇〇〇〇氏との間における離婚及びその後の同氏と□□□□氏との間における結婚の問題に関して、結婚問題あるいは差別問題の解決金として、実施機関は関係団体に対して、平成4年度から平成14年度まで、補助金の支出を行っているので、申請書は存在するはずであるから、開示されるべきである。
(2)実施機関は、公文書不存在(本件第一の公文書の開示請求に対する人権同和啓発課の非開示理由、本件第二の公文書の開示請求に対する人権総務課の非開示理由及び本件第三の公文書中に記載された申立人に係る個人情報の開示請求に対する人権総務課の開示拒否理由)及び条例第8条に基づく、いわゆる存否応答拒否(本件第一の公文書の開示請求に対する事業調整課の非開示理由)の二件の異なる理由によって非開示及び開示拒否決定を行ったが、この二件の理由に整合性がない。
2 実施機関の主張要旨
(1)本件第一の公文書中の「結婚問題解消支援金」、本件第二の公文書中の「結婚問題解決金」及び本件第三の公文書中の「差別問題解決補助金」については、当該制度がこれまでも実施機関においては存在しておらず、当該制度に基づく補助金等の支出は行われておらず、したがって、特定の個人名及び事業者名が記載された申請書は存在しない。
(2)また、結婚に係る給付及び貸付制度は、低所得者各種資金給付制度としての結婚支度資金及び岡山市生活改善資金貸付制度としての結婚支度資金が、実施機関(事業調整課)には存在していたが、〇〇〇〇氏及び□□□□氏を給付あるいは貸付け対象者として記載された申請書は存在せず、しかも、既に当該制度は平成8年度で廃止している。
(3)そのため、本件第一の公文書の開示請求について、実施機関(人権同和啓発課)は、現在に至るまで当該制度を所管していないため、公文書不存在を理由として非開示決定を行った。しかし、実施機関(事業調整課)は、平成8年度まで当該制度を所管していたため、特定個人に係わる文書の存否を答えること自体が、旧地域改善対策特別措置法(昭和57年法律第16号。以下「旧地対法」という。)第1条に規定する対象地域の住民であるか否かを推測させるおそれがあるため、差別解消及び個人の権利利益侵害の防止の観点から、存否応答拒否を理由として非開示決定を行ったものである。

第4.審査会の判断
申立人と実施機関との間における本件の争点をめぐる諸問題に関し、当審査会は、以下のとおり判断する。
1 三件の異議申立てに係る三件の諮問の取扱いについて
「第2.異議申立て及び諮問の経緯」において述べたように、申立人は、三件の開示請求に関して、それぞれ三件の異議申立てを行ったが、その後、申立人からの意見書及び申立人の口頭意見陳述を通じて、三件の請求によって申立人が求める情報の内容は同じものであると判断するに至っため、当審査会は、職権により、これら三件の諮問を一件の諮問として取扱い、申立人の開示請求に係る公文書の存否、また、非開示決定及び開示拒否決定に係る理由について一括して検討・判断することとする。
2 本件公文書の存否について
(1)当審査会が行った実施機関担当職員らに対する口頭での意見聴取等を主とする職権調査の結果、実施機関は、関係団体に対して、補助金の支出は行っているが、申立人が求めている結婚問題解消支援金、結婚問題解決金及び差別問題解決補助金という趣旨の補助金等は存在せず、したがって、申立人の氏名、〇〇〇〇氏、□□□□氏及び△△△△事業所という特定の個人名あるいは事業者名が記載された申請書は存在しないと認められた。
(2)また、結婚に係る給付及び貸付制度の結婚支度資金については、申立人自身が、口頭意見陳述の中で、本件第一の公文書との同一性を否定した。
(3)以上の理由により、当審査会は申立人が求めている公文書は存在しないものと判断した。
3 実施機関の中で、異なる理由で非開示及び開示拒否決定を行ったことについて
(1)「第2.異議申立て及び諮問の経緯」において述べたように、本件第一の公文書の開示請求に対して、実施機関(人権同和啓発課)は、公文書不存在を理由として非開示決定を行い、また、実施機関(事業調整課)は、特定個人に係わる文書の存否を答えることにより、旧地対法に係る対象地域の住民であるか否かを推測させるおそれがあるという、個人の権利利益の侵害に配慮をするあまり、当該文書の存在を答えること自体が公開条例第5条第1号に規定する個人情報であることを理由として非開示決定を行い、さらに、意見書において、公開条例第8条の存否応答拒否を非開示理由とした。
また、実施機関(人権総務課)は、本件第二の公文書の開示請求及び本件第三の公文書中に記載された申立人に係る個人情報の開示請求に対して、公文書不存在を理由として非開示及び開示拒否決定を行った。
上記において述べたように、実施機関によって異なる理由による決定を行ったため、申立人に混乱を生じせしめたことは否定できない。
(2)実施機関(事業調整課)が意見書で理由とした、公開条例第8条の存否応答拒否は、請求内容から推し量られる情報が公開条例上非開示として保護すべき情報に該当する場合に、非開示として応答することによって生じる支障を回避しようとするものである。そのため、存否応答拒否を行うには、特定の者を名指しした開示請求が行なわれたこと、開示請求に係る情報が、非開示として保護すべき利益があること、当該情報の開示、非開示又は不存在を答えることによって、開示したとの同様の効果が生じることの要件を備えていることが必要である。
(3)本件第一の公文書について、実施機関(事業調整課)は不存在を認めており、仮に、公文書不存在を理由として非開示の決定を行ったとしても、請求事項に記載された〇〇〇〇氏が、旧地対法に係る対象地域の住民ではあるが申請書に記載がなされていないのか、あるいは対象地域の住民ではないので記載がなされていないのかという事実が判明するとは思われない。したがって、公文書不存在を理由として非開示決定を行ったとしても、実施機関の危惧する個人の権利利益の侵害は生じ得ないものと判断する。
4 結論
以上の理由により、当審査会は、「第1.審査会の結論」のとおり判断するものである。

第5.審査会の処理経過
当審査会における処理経過は次のとおりである。

審査会の処理経過
年月日 処理内容
平成15年2月19日 本件第一の異議申立てに係る諮問書の収受
平成15年3月10日 本件第一の異議申立てに係る実施機関の意見書の収受
平成15年3月17日 本件第一の異議申立てに係る申立人の意見書の収受
平成15年3月17日 審議
平成15年3月19日 本件第一の異議申立てに係る申立人の追加意見書の収受
平成15年4月23日 審議
平成15年5月9日 本件第一の異議申立てに係る申立人の追加意見書の収受
平成15年5月12日 本件第二の異議申立てに係る諮問書の収受
平成15年5月19日 審議
平成15年5月23日 本件第二の異議申立てに係る実施機関の意見書の収受
平成15年6月19日 本件第三の異議申立てに係る諮問書の収受
平成15年6月27日 本件第三の異議申立てに係る実施機関の意見書の収受
平成15年7月7日 実施機関側口頭意見陳述及び審議
平成15年7月10日 本件第三の異議申立てに係る申立人の意見書の収受
平成15年7月15日 本件第三の異議申立てに係る申立人の追加意見書の収受
平成15年8月18日 本件第三の異議申立てに係る申立人の追加意見書の収受、申立人側口頭意見陳述及び審議
平成15年10月20日 審議
平成15年10月28日 答申

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