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答申第42号

[2010年3月8日]

ID:17158

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岡情審査第235号
平成18年3月17日

岡山市長 髙谷 茂男 様

岡山市情報公開及び個人情報保護審査会
会長 山口 和秀

岡山市情報公開条例第16条の規定に基づく諮問について(答申)

平成17年5月17日付け岡秘第103-1号及び平成17年5月17日付け岡人第151-1号による下記の諮問について次のとおり答申します。

「市長部局職員の地方公務員法違反事案」に係る当該職員に対する事情聴取を記録した文書(以下「本件公文書」という。)の開示請求に対して非開示とした決定に対する異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)についての諮問
第1.審査会の結論
本件公文書に関して、岡山市長(以下「実施機関」という。)が行った非開示決定は妥当であるから、本件異議申立ては棄却されるべきである。
第2.異議申立て及び諮問の経緯
1 本件異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成17年4月11日、実施機関に対し、岡山市情報公開条例(平成12年市条例第33号。以下「条例」という。)第3条第1項の規定に基づいて、本件公文書の開示請求を行った。
2 それに対して、実施機関は、秘書課及び人事課の両課が対応すべき開示請求として扱い、同年4月20日付けで、不存在を理由に、それぞれ非開示決定処分(以下「本件処分」という。)を行った。
3 上記決定を受けた申立人は、実施機関(秘書課及び人事課)に対し、同年4月25日付けで、本件処分は、理由付記の要件を欠き違法であるとして、本件処分の取消しを求めることを内容とする、本件異議申立てを行った。
4 それに対して、実施機関(秘書課及び人事課)は、同年5月17日、本件異議申立ての取扱いについて、条例第16条の規定に基づき、それぞれ当審査会に本件諮問を行った。

第3.申立人及び実施機関の主張の要旨
申立人及び実施機関の主張の要旨は、次のとおりである。
1 申立人の主張要旨
(1)本件処分の理由付記について
実施機関は、本件処分において、本件公文書の非開示理由を文書不存在のためとするのみであり、不存在の態様がどのようなものであるのか、具体的かつ客観的に説明責任を果たしていない。
条例第10条第1項の規定では、「開示請求に係る公文書の全部又は一部を開示しないときは、開示請求者に対し、書面により、その理由を示さなければならない。この場合において、当該理由は、当該書面の記載自体から一般人が容易に理解し得るものでなければならない。」と要求している。
したがって、同条の要求する理由付記としては、必要かつ十分条件を満たしておらず、本件処分は、理由付記の要件を欠く違法な処分である。
(2)本件公文書及び文書不存在について
本件公文書は、市長部局職員の地方公務員法違反事案に係る当該職員に対する事情聴取を記録した文書である。
岡山市文書取扱規程(以下「規程」という。)第3条では、「事案を処理する場合は、原則として文書を作成しなければならない。」と規定されており、本件公文書の不作成については、規程第3条に違反している。
また、条例第1条の規定は、「市民の知る権利を保障するとともに、岡山市の行う諸活動を市民に説明する責務を全うし、もって市民の市政への積極的な参加による市政の民主的発展に寄与する」としており、本件処分は、条例の目的精神を無視する違法かつ不当なものである。
2 実施機関の主張要旨
(1)本件処分の理由付記について
申立人が「市長部局職員の地方公務員法違反事案」と主張する事案については、本件開示請求時以前から、申立人に対し本件公文書不作成も含めてその経過等を口頭で説明に努めており、したがって、本件処分は理由付記の要件を欠く違法なものとは言えないと考える。
(2)本件公文書及び文書不存在について
規程第3条は、「事案を処理する場合は、原則として文書を作成しなければならない。」と文書作成義務について規定している。しかし、同条文は、あくまでも原則であり、例外を認めず、一切の事案の処理について全て文書の作成を義務づけているものとは理解できない。
また、全ての事案について文書を作成することは不可能であり、その原則を厳格に適用することは、かえって事務効率の向上の妨げになると考える。
本件については、申立人が「地方公務員法違反」と主張する事案に係る市長部局職員から事情聴取を行っているが、当該職員の行為は職務の範囲内であり、問題があるとは考えられず、必ずしも文書を作成しなくても処理可能な事案であるとの判断から、文書を作成していないのである。
したがって、公文書の不存在を理由として行った本件処分は適法であると考える。

第4.審査会の判断
実施機関と申立人との間における本件の争点をめぐる諸問題に関し、当審査会は、以下のとおり判断する。
1 本件公文書について
当審査会は、申立人の提出した意見書における内容から、本件公文書の性格について、以下の認定を行った。
申立人は、以前岡山市役所を訪問した際、対応した市長部局職員(以下「対応職員」という。)から不適切な扱いを受けたと認識し、また、対応職員の言動が地方公務員法等に違反するとの考えを持ったため、実施機関に対して、文書により抗議を行った。
本件公文書は、当該抗議を受けた実施機関が、対応職員に対して行った事情聴取を記録した文書であると認められる。
したがって、「第2.異議申立て及び諮問の経緯」で述べたように、本件公文書の開示請求については、対応職員が所属していた秘書課並びに職員の分限、懲戒及び服務を担当している人事課の両課が対応したものである。
2 本件処分の理由付記について
(1)申立人は、本件処分において、不存在のためとした実施機関の非開示理由は、不存在の態様がどのようなものであるのか、具体的かつ客観的に説明責任を果たしておらず、条例第10条第1項に規定している理由付記の要件を欠いているとして、本件処分が違法であると主張している。
これに対して、実施機関は、申立人が「市長部局職員の地方公務員法違反事案」と主張する事案については、本件開示請求時以前から、申立人に対し本件公文書不作成も含めてその経過等を口頭で説明に努めており、したがって、理由付記の要件を欠く違法なものとは言えないと主張している。
(2)条例第10条第1項は、「実施機関は、前条第1項又は第2項の規定により、開示請求に係る公文書の全部又は一部を開示しないときは、開示請求者に対し、当該非開示決定又は一部開示決定の通知において、その理由を示さなければならない。この場合において、当該理由は、当該通知の内容から一般人が容易に理解し得るものでなければならない。」と規定されており、非開示理由の付記のあり方については、「一般人が容易に理解し得る」ように記載すべきであることは、申立人の主張するとおりである。
本件処分においては、実施機関は、非開示とした理由について「不存在のため」と記載しているが、不存在の理由についての個別具体的記述(例えば、当該文書を作成若しくは取得しなかったため、あるいは廃棄したため等)はなされていなかった。
(3)しかしながら、実施機関は、申立人の主張する、「市長部局職員の地方公務員法違反事案に係る不適切行為」については、本件開示請求時以前から、本件公文書不作成も含めて、その経過等を申立人に対し口頭で説明に努めていた。
また、本件公文書は、その性格から、実施機関が他の機関から取得したり、あるいは、短期間に廃棄を行うことは考えにくく、不存在の理由については、文書を作成していなかったということが、思料されるところである。
(4)こうした事実を併せ考えると、本件処分の理由付記が条例第10条第1項に違反するものとは断定し得ず、したがってまた、理由付記の不備を理由にして本件処分を違法とする申立人の主張をも認めることができない。
3 文書不存在について
当審査会が行った職権調査の結果、申立人が求めている本件公文書については実施機関において作成されておらず、不存在と認められる。
本件公文書の不作成について、申立人は、規程第3条に違反し、条例第1条に規定する目的精神をも無視した違法かつ不当な措置であると主張している。
これに対して、実施機関は、申立人の主張する市長部局職員から事情聴取を行っているが、当該職員の行為は職務の範囲内であり、問題があるとは考えられず、必ずしも文書を作成しなくても処理可能な事案であるとの判断から文書を作成していないと主張している。
本件における実施機関のかかる処理の仕方が、明らかに規程に違反した、合理性を欠いたものとは考えられず、本件公文書の不作成が直ちに規程第3条に違反しているとまで断定することはできない。
したがって、実施機関が不存在を理由として行った本件公文書非開示決定は妥当であると判断する。
4 結論
以上の理由により、当審査会は、「第1.審査会の結論」のとおり判断するものである。
第5.審査会の処理経過
当審査会における処理経過は次のとおりである。

審査会の処理経過
年月日 処理内容
平成17年5月17日 諮問書の収受
平成17年6月10日 実施機関側意見書の収受
平成17年7月1日 申立人側意見書の収受
平成17年8月22日 審議
平成17年10月24日 審議
平成17年11月28日 審議
平成17年12月19日 審議
平成18年1月23日 審議
平成18年2月20日 審議
平成18年3月13日 審議
平成18年3月17日 答申

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