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答申第40号

[2010年3月8日]

ID:17155

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岡情審査第188号
平成18年2月3日

岡山市議会
議長 花岡 薫 様

岡山市情報公開及び個人情報保護審査会
会長 山口 和秀

岡山市情報公開条例第16条の規定に基づく諮問について(答申)

平成17年6月17日付け岡議総第1549号による下記の諮問について次のとおり答申します。

議会運営委員会記録関連文書ほか2件の文書(以下「本件公文書」という。)の開示請求に対して一部開示とした決定に対する異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)についての諮問
第1.審査会の結論
本件公文書に関して、岡山市議会(以下「実施機関」という。)が行った一部開示決定において、非開示とされた項目のうち、次に掲げる部分については、開示すべきである。
陳情書及び同審議記載文書のうち、住所、氏名及び印影を除いた項目

第2.異議申立て及び諮問の経緯
1 本件異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成17年4月11日、実施機関に対し、岡山市情報公開条例(平成12年市条例第33号。以下「条例」という。)第3条第1項の規定に基づいて、本件公文書の開示請求を行った。
2 それに対して、実施機関は、同年4月20日付けで、本件公文書のうち、次に掲げる(1)及び(2)の文書を開示し、(3)、(4)及び(5)の文書については、条例第5条第1号に規定する個人情報(以下「個人情報」という。)に該当することを理由に一部を非開示とし、市長部局職員の地方公務員法等違反等事案にかかる制裁(懲戒処分)勧告に関する陳情書の当該職員に対する「人事当局が十分事情聴取している」内容を記載した文書(以下「事情聴取文書」という。)及び議事課長の発言「やはり個々こういう事態が本当に発生しているかどうかというのも疑わしいところがある」と認めた文書(以下「認定文書」という。)については、不存在を理由に非開示とする、一部開示決定処分(以下「本件処分」という。)を行った。
(1)陳情書に関するガイド・ブック
(2)議事課長の発言「市の幹部職員に会うために移動している」と認定した陳情記載の該当文書
(3)陳情書及び同審議記載文書
(4)岡議総第1245号「公文書一部開示決定通知書」(平成17年3月25日施行)の決裁済起案文書
(5)岡議議第1446号「公文書一部開示決定通知書」(平成17年3月25日施行)の決裁済起案文書
3 上記決定を受けた申立人は、実施機関に対し、同年5月13日付けで、事情聴取文書及び認定文書の不存在による非開示については、理由付記の要件を欠き違法であるとして、本件処分の取消しを求めることを内容とする、本件異議申立てを行った。
4 それに対して、実施機関は、同年6月17日、本件異議申立ての取扱いについて、条例第16条の規定に基づき、当審査会に本件諮問を行った。

第3.申立人及び実施機関の主張の要旨
申立人及び実施機関の主張の要旨は、次のとおりである。
1 申立人の主張要旨
本件処分の理由付記について
事情聴取文書及び認定文書の非開示理由を単に「不存在のため」とした本件処分は、不存在の態様がどのようなものであるかを開示請求者が十分に了知し得るものではなく、説明責任を果たしていると認めることはできないため失当である。
条例第10条第1項の規定では、非開示理由は、「当該書面の記載自体から一般人が容易に理解し得るものでなければならない。」としており、理由付記としては、必要かつ十分条件を満たしておらず、本件処分は、理由付記の要件を欠き違法である。
また、条例第1条の規定は、「市民の知る権利を保障するとともに、岡山市の行う諸活動を市民に説明する責務を全うし、もって市民の市政への積極的な参加による市政の民主的発展に寄与することを目的」としており、実施機関の対応は、条例の目的精神を無視しており、違法かつ不当である。
2 実施機関の主張要旨
本件処分の理由付記について
事情聴取文書に係る「人事当局が十分事情聴取している内容」については、本件開示請求に先立ち、平成17年3月2日及び同年3月17日、申立人に対して口頭で説明を行っている。
また、認定文書に係る「やはり個々こういう事態が本当に発生しているかどうかというのも疑わしいところがあると認めた内容」についても、本件開示請求時以前に、申立人に対して重ねて口頭で説明を行っている。
さらに、事情聴取文書については、実施機関が事情聴取を行っていないため、不存在であることは明らかである。
このように、実施機関としては、事情聴取文書及び認定文書については、不存在であることを申立人が了知し得るよう重ねて説明しており、理由付記の要件を欠く違法なものとは言えない。

第4.審査会の判断
実施機関と申立人との間における本件の争点をめぐる諸問題に関し、当審査会は、以下のとおり判断する。
1 事情聴取文書及び認定文書について
当審査会は、実施機関側及び申立人側の双方が提出した意見書並びに口頭意見陳述における主張から、事情聴取文書及び認定文書の性格について、以下の認定を行った。
申立人は、平成17年2月16日、実施機関に対して、「市長部局職員の地方公務員法等違反等事案にかかる制裁(懲戒処分)勧告に関する陳情書」を提出した。当該陳情書の内容は、申立人が以前岡山市役所を訪問した際、対応した市長部局職員(以下「対応職員」という。)と申立人との間において、訪問目的をめぐって誤解を生じ、不適切な扱いを受けたと感じた申立人が、対応職員に対して制裁の勧告をなすよう訴えたものである。
岡山市議会会議規則(昭和38年市議会規則第1号)第98条では、「議長は、陳情書又はこれに類するもので、その内容が請願に適合するものは、請願書の例により処理するものとする。」と規定されているが、提出された陳情書のうち、特に問題視されるものは、議長が議会運営委員会の意見を求めることとなっており、申立人が提出した陳情書については、平成17年3月1日の議会運営委員会に諮られ、当該陳情内容が請願に適合するか否かを議会運営委員会において協議して判断することとなった。
当該協議の中で、実施機関の担当課長(以下「担当課長」という。)から、「これ(陳情)を受けたときにも担当の人事の方へも聞いたが、人事も十分事情聴取はしているというようなことも聞いている。」という発言及び「やはり個々こういう事態が本当に発生しているかどうかというのも疑わしいところがある。」という発言がなされた。
以上から、申立人の請求した事情聴取文書とは、対応職員の行為が適正であったか否かを調査するために、人事当局が対応職員に対して行った事情聴取の内容を記載した文書であり、また、認定文書とは、担当課長が疑わしいところがあると認めた部分を記載した文書であると認められた。
2 本件処分の理由付記について
(1)申立人は、本件処分において、「不存在のため」とした実施機関の非開示理由は、不存在の態様がどのようなものであるかを開示請求者が十分に了知し得るものではなく、説明責任を果たしていると認めることはできず、条例第10条第1項に規定している理由付記の要件を欠き違法であると主張している。
また、条例第1条に規定する目的精神を無視する実施機関の対応は、違法かつ不当であると主張している。
これに対して、実施機関は、事情聴取文書については、実施機関において事情聴取したものではないため、明らかに不存在であり、事情聴取文書に係る「人事当局が十分事情聴取している内容」及び認定文書に係る「やはり個々こういう事態が本当に発生しているかどうかというのも疑わしいところがあると認めた内容」については、本件開示請求時以前に、申立人が了知し得るよう、重ねて口頭で説明を行っており、理由付記の要件を欠く違法なものとは言えないと主張している。
(2)条例第10条第1項は、「実施機関は、前条第1項又は第2項の規定により、開示請求に係る公文書の全部又は一部を開示しないときは、開示請求者に対し、当該非開示決定又は一部開示決定の通知において、その理由を示さなければならない。この場合において、当該理由は、当該通知の内容から一般人が容易に理解し得るものでなければならない。」と規定されており、非開示理由の付記のあり方については、「一般人が容易に理解し得る」ように記載すべきであることは、申立人の主張するとおりである。
本件においては、実施機関は、事情聴取文書及び認定文書の非開示理由を「不存在のため」と記載するのみであり、不存在の理由についての記述(例えば、当該文書を作成若しくは取得しなかったため、あるいは廃棄したため等)はなされていなかった。
しかしながら、実施機関は、開示の際に、事情聴取文書に係る「人事当局が十分事情聴取している内容」及び認定文書に係る「やはり個々こういう事態が本当に発生しているかどうかというのも疑わしいところがあると認めた内容」についても情報提供を行い、申立人に対して、不存在の態様がどのようなものであったかを了知し得るよう、口頭での説明に努めていることが認められた。したがって、実施機関の対応は条例第1条の趣旨を無視しているとは認められず、理由付記の不備については、本件処分が違法であるとまでは言えないと判断する。
3 文書不存在について
当審査会が行った実施機関担当職員らに対する口頭での意見聴取を主とする職権調査の結果、申立人が求めている事情聴取文書及び認定文書については作成及び取得がなされておらず、不存在と認められる。したがって、実施機関が不存在を理由として行った、事情聴取文書及び認定文書についての非開示決定は妥当である。
なお、申立人は、自身に向けられた対応職員の行為の不当性、人事当局の行った事情聴取の内容に関する疑義及び担当課長の発言内容の不適切性等についても厳しく指摘を行っているが、これらの主張については、公文書の開示・非開示の当否とは別の問題であり、当審査会の審査の対象ではないと考える。
4 非開示部分の個人情報該当性について
「第2.異議申立て及び諮問の経緯」でも述べたように、実施機関は、本件公文書のうち、陳情書及び同審議記載文書、岡議総第1245号「公文書一部開示決定通知書」(平成17年3月25日施行)の決裁済起案文書及び岡議議第1446号「公文書一部開示決定通知書」(平成17年3月25日施行)の決裁済起案文書について、個人の住所、氏名及び電話番号等は、個人情報に該当することを理由に一部を非開示とする決定を行った。
これらのうち、陳情書及び同審議記載文書においては、非開示とされた項目のうち、住所、氏名及び印影については、いずれも特定の個人を識別できる一連の情報であるため、個人情報に該当するが、これらを除いた項目については、特定の個人を識別することができるもの又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるものとは認められない。
したがって、申立人は特に意見を述べていないが、陳情書及び同審議記載文書において非開示とされた項目のうち、住所、氏名及び印影を除いた項目については、個人情報に該当しないので、開示することが妥当であると判断する。
5 結論
以上の理由により、当審査会は、「第1.審査会の結論」のとおり判断するものである。
第5.審査会の処理経過
当審査会における処理経過は、次のとおりである。

審査会の処理経過
年月日 処理内容
平成17年6月17日 諮問書の収受
平成17年7月7日 実施機関側意見書の収受
平成17年7月29日 申立人側意見書の収受
平成17年8月19日 実施機関側補充意見書の収受
平成17年8月22日 審議
平成17年9月14日 申立人側補充意見書の収受
平成17年10月24日 実施機関側及び申立人側口頭意見陳述並びに審議
平成17年11月28日 審議
平成17年12月19日 審議
平成18年1月23日 審議
平成18年2月3日 答申

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