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答申第31号

[2010年3月5日]

ID:17146

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岡情審査第1号
平成17年4月8日

岡山市長 萩原 誠司 様

岡山市情報公開及び個人情報保護審査会
会長 山口 和秀

岡山市情報公開条例第16条の規定に基づく諮問について(答申)

平成16年9月15日付け岡福第1693号による下記の諮問について次のとおり答申します。

岡山市ふれあい公社の市長あて報告書(以下「本件公文書」という。)の開示請求に対して非開示とした決定に対する異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)についての諮問

第1.審査会の結論
本件異議申立てについては、対象となる公文書が不存在であると認められるので、棄却することが妥当である。
しかし、出資法人の「文書開示の実施状況」についての、実施機関に対する報告は、今後、口頭ではなく文書による報告とするよう指導及び改善すべきものと考える。

第2.異議申立て及び諮問の経緯
1 本件異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成16年8月16日、岡山市長(以下「実施機関」という。)に対し、岡山市情報公開条例(平成12年市条例第33号。以下「条例」という。)第3条第1項の規定に基づいて、本件公文書の開示請求を行った。
2 それに対して、実施機関は、同年8月25日付けで、公文書不存在を理由に非開示の決定を行った。
3 上記決定を受けた申立人から、実施機関に対し、同年8月27日付けで、公文書作成義務違反を理由として、異議申立てが行われた。
4 それに対して、実施機関は、同年9月15日、本件異議申立ての取扱いについて、条例第16条の規定に基づき、当審査会に本件諮問を行った。

第3.申立人及び実施機関の主張の要旨
申立人及び実施機関の主張の要旨は、次のとおりである。
1 申立人の主張要旨
(1)文書作成義務について
財団法人岡山市ふれあい公社(以下「公社」という。)の制定する、財団法人岡山市ふれあい公社情報公開要綱(以下「要綱」という。)第13条では、「公社は、この要綱の規定による文書の開示の実施状況について、毎年市長に報告するものとする。」と規定されており、第一義的には公社自身が同条の規定に基づき、実施機関に対し、文書報告すべきである。百歩譲って仮に、公社から口頭により報告がなされたとしても、実施機関は、重要な内容の報告であるので、岡山市文書取扱規程(平成15年市訓令甲第21号。以下「取扱規程」という。)第3条(文書作成義務)の規定により、文書を作成しなければならない。
(2)条例第32条に規定する出資法人(以下「出資法人」という。)に対する情報公開の指導について
条例第32条において、実施機関には、出資法人に対し、情報公開が推進されるよう、必要な措置を講ずるよう指導や助言を行う旨の義務が課されている。したがって、実施機関は、出資法人である公社に対して、文書による報告を求めるべきであるにもかかわらず、指導義務を放棄して、安易な馴れ合い処理を行い、その結果、市長のアカウンタビリティ義務に反したことは言語同断である。
2 実施機関の主張要旨
(1)本件公文書及び文書作成義務について
公社は毎年、要綱第13条の規定に基づき、情報公開の開示請求件数、開示等決定件数及び異議申立件数について実施機関に対し報告を行っているが、当該報告は、開示請求件数等が少ないこともあって、文書ではなく口頭でなされてきた。したがって、要綱第13条の規定に基づく公社からの報告は、公文書としては存在していない。通常の事務を行う上で、その全ての事案について文書を作成することは不可能であり、取扱規定第3条の文書作成義務はあくまで「原則」であって、一切の例外を認めないものではない。本件の場合は、必ずしも文書を作成しなくても処理可能な事案であると考え、口頭での報告で処理してきた。
(2)出資法人に対する情報公開の指導について
申立人は、要綱に規定する文書開示の実施状況については、文書による報告を求めるべきであるにもかかわらず、指導義務を放棄していると主張するものであるが、必ずしも文書を作成しなくても処理可能な事案であるとの判断から、公社に対して、文書による報告までは求めなかったものである。

第4.審査会の判断
実施機関と申立人との間における本件の争点をめぐる諸問題に関し、当審査会は、以下のとおり判断する。
1 本件公文書の存否について
本件公文書の存否については、実施機関からの意見書及び当審査会が行った実施機関担当職員からの意見聴取に基づく調査の結果、申立人が求めている本件公文書は作成されておらず、不存在と認められる。したがって、実施機関が不存在を理由として行った本件公文書非開示決定は妥当である。
2 本件公文書不作成の当否について
本件公文書の不作成と、要綱第13条、条例第32条及び取扱規程第3条等との関連について検討する。
まず、要綱第13条の規定は、公社が、文書開示の実施状況について、毎年市長に報告することを義務づけている。出資法人の文書開示の実施状況についての市長への報告は、条例の施行状況についての市民への公表(条例第37条)の一環をなすとともに、その必要不可欠な前提でもある。したがって、公社による実施状況の報告は、より正確さを期すためにも、口頭ではなく文書でなされることが望ましいことはいうまでもない。
次に、条例第32条は、「出資法人は、この条例の趣旨にのっとり、情報公開を行うため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。」と規定し、さらに、同条第2項で、「実施機関は、出資法人の情報公開が推進されるよう、出資法人に対し、前項に定める必要な措置を講ずるよう指導し、又は助言を行うものとする。」と規定している。この実施機関の「指導」及び「助言」には、当然、その文書開示報告に関する公社に対しての指導も含まれていると解されるが、実際には、公社に対する開示請求件数が、年間に数件程度と少なかったこともあって、実施機関は、特に文書による報告を行うよう指導することなく、現在に至っている。
確かに、実施機関が主張するように、取扱規程第3条の規定では、事案処理の「原則」として文書作成を定めてはいるが、文書の作成を要しない事案の存在を全く認めない趣旨のものではない。
しかし、情報公開制度に係る請求件数及び決定等の内容に関する出資法人の運用状況の報告及びその市民への公表は、情報公開制度の市民による適正な利用及び当該制度の健全な発展を推進する上で極めて重要であると考える。したがって、今後、実施機関に対しての、情報公開制度に係る請求件数及び決定等の内容に関する出資法人の運用状況の報告については、文書による報告を求めるとともに、実施機関内部の同報告についても、文書による報告を行うように指導及び改善することが望ましいと考えるものである。
なお、条例第33条では、請求に係る公文書が存在しない場合にも、関連する他の公文書に記載される情報を集約することにより、開示請求に係る文書を作成できるときは、その文書を提供するよう努力義務を定めている。本件公文書の開示請求に関して、公文書は不存在であるとしても、開示請求の趣旨を充足させる文書が、容易に作成可能であったとすれば、実施機関は、同条の趣旨を尊重して、開示請求に係る文書を作成し、申立人に対して、公開することも検討すべきであったことをもあわせて付言しておきたい。
3 結論
以上の理由により、当審査会は、「第1.審査会の結論」のとおり判断するものである。

第5.審査会の処理経過
当審査会における処理経過は次のとおりである。

審査会の処理経過
年月日 処理内容
平成16年9月15日 諮問書の収受
平成16年10月12日 実施機関側意見書の収受
平成16年11月8日 申立人側意見書の収受
平成16年11月22日 審議
平成16年12月13日 実施機関側及び申立人側口頭意見陳述並びに審議
平成17年1月24日 審議
平成17年2月14日 審議
平成17年3月14日 審議
平成17年4月8日 答申

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